
働き手の減少は社会の損失 希望を持ち働ける社会に
若い世代を取り巻く厳しい現実があらためて浮き彫りになりました。6月18日、政府が閣議決定した2013年版「子ども・若者白書」によると、15歳から34歳のニート(若年無業者)の数(2012年)は63万人となり、この年代の人口に占める割合は2.3%と過去最高を記録しました。雇用者に占める非正規労働者の割合は25〜34歳で26.5%と過去最多となっています。
仕事に就かず、学校にも通わないニートとともに、非正規雇用を余儀なくされている若者への支援は“待ったなし”の緊急課題といえます。
ニートの中には、就労を希望したが、なかなか見つからず断念した人が増えていると指摘する識者もいます。要因として、中学や高校、大学を卒業する際の就職活動の失敗を挙げる意見もあります。それが大きな理由であれば、学生時代に職業意識を高めるキャリア教育やインターンシップ(就業体験)などが求められます。
「子ども・若者白書」によると、授業科目としてインターンシップを実施している大学(2010年度)は34.8%と3分の1程度にとどまっています。
非正規労働者の中には、本来は正社員を希望しても、有期の雇用契約で働かざるを得ない人もいます。正社員に比べて収入が低くなるため経済的な基盤が築けず、結婚や出産をためらいがちになります。

ただ、こうした制度があっても活用されなくては、意味がありません。政府は、制度の周知徹底を強化するべきです。
青少年は社会の大事な担い手です。希望を持って働ける環境づくりに取り組むことは重要です。
若い時代に職場で十分な教育や訓練を受ける機会が与えられないと、職業に必要な能力を磨けず、働く喜びも見いだせません。結果的に本人の人生設計も描きにくくなります。貴重な労働資源が活用されないため、社会の活力も低下していきます。働き手が減少していく日本にとっては、看過できない問題です。
公明党は参院選重点政策に「若者の良質な雇用創出と安定」を掲げ、学生のキャリア教育の拡充や、合宿形式によるニート対策強化などを打ち出しています。これらの政策を総動員し、若者を全力で応援していくべ期です。