稲川栄大会会長 6月22日、第38回の「すべての障害児(者)の幸せを守る親の大会」が開かれました。この大会は、日立市内の多くの障がい者団体が一堂に会し、障がい者が地域で幸せに暮らせるように、親睦を深め、研鑽を深めるため、2年に一度開催されていいます。井手よしひろ県議も毎回大会の主旨に賛同し出席しています。
 この38回大会での要望事項を見てみると、入所施設や養護学校、福祉バス・送迎バスなどの充実などのハード面の整備が目立ちます。特に日立養護学校は茨城県唯一の市立の特別支援学校です。不足する教室を隣接する市立中学校の余裕教室を活用するという、全国でもまれな取り組みを行っています。
 また、東日本大震災を契機に、障がい者のための福祉避難所の設置やグループホーム利用者の災害時要援護者登録などの危機対応えの要望も寄せられています。
(写真は「第38回のすべての障害児(者)の幸せを守る親の大会」の冒頭挨拶する稲川栄大会会長)
要 望 事 項
私たちは、「第38回すべての障害児(者)の幸せを守る親の大会」において、下記の事項について要望いたします。
  • 入所更生施設の整備
    日立市は、県北における障害福祉圏の中核市でありかつ障害児(者)が最も多く生活していますが、重度重複障害児(者)が安心して生活していける場所がなく、他の市町村に委ねているのが実情です。是非、重度の重複障害児(者)の入所施設の整備をお願いします。同様に重度重複障害児(者)が短期入所できる様、可能な施策をお願いいたします。
  • 福祉バスの利用条件緩和
    福祉バスの利用は、各団体とも原則年1回と決められています。親の会は、施設見学、各種研修会、本人交流会等年4〜5回の事業がありますが、利用できず困っています。土・日曜、祝祭日の利用も含め是非利用できるようお願いいたします。
  • グループホーム利用者の災害時要援護者登録
    日立市では、高齢者、独居老人、在宅障害者は災害時対応の援護者登録が可能ですが、夜間、管理人が不在となるグループホーム利用者は登録できません。現状では施設運営者に対応を任されています。災害発生時初期対応が重要なので登録できるようお願いいたします。
  • 障害者用の災害避難場所の設置
    東日本大震災の時に設置された避難所は、多くの障害者が指定の避難場所を利用若しくは利用しようとしたが、ワンフロアに多勢の方が集まってしまい、プライバシーが守れないなど障害者にとっては避難された方々と一緒に過ごすことが難しいため適当な場所ではなかった。是非、障害者用の避難場所を設置してくださるようお願いいたします。
  • 障害児の増加にともなう日立特別支援学校の整備
    近年、日立市立日立特別支援学校の児童生徒数は増加しています。特に、中学部と高等部の生徒の増加が著しいです。現在は、多賀中学校の教室を2教室借りています。今後さらに増加すると、現在の特別支援学校では教室が足りず、対応ができません。市内の小中学校の空き教室を利用するなどして障害のある児童生徒を受け入れられるように日立特別支援学校の整備をお願いいたします。
  • 日立特別支援学校へリフト付きバス3台の導入
    現在、三台のスクールバスが運行されていますが、いずれもリフト付きではなく、子どもを抱いて乗り降りする際非常に危険です。その状況のためスクールバスを利用出来ない子どもも多いです。危険防止と不公平な現状を解決するために、財政が厳しい中ではありますが、リフト付きバス三台の導入を是非ともお願いいたします。