130629kokkai 6月27日、公明党の山口那津男代表は、通常国会終盤での民主党の対応について、(1)決められない政治、(2)無責任な元政権党、(3)ぶれて予測がつかない、(4)過去の失敗に学ばない―の4点にわたって厳しく批判しました。発言の要旨は以下の通りです。
  1. 「決められない政治」は民主党の代名詞だ。衆院の「1票の格差」を是正する区割り改定法をめぐっては、当事者の衆院が可決し、参院に送付してきたのに、参院第1党の民主党は審議もせずに放置。60日以内に参院の意思を決める合意形成の責任が果たせなかった。
  2. 民主党は「無責任な元政権党」だ。民主党政権下で締結、署名した条約を与野党が合意して参院で先に審議すると決めていたが、民主党の委員長が審議せず、数本が廃案となった。
  3. 「ぶれて予測がつかない」のが民主党のお家芸。極め付きは、3野党が提出した首相の問責決議案に賛成し、4法案を廃案にしたことだ。当初、海江田万里代表や細野豪志幹事長は「電気事業法や生活保護法は、民主党が修正して参院に送った法案だから、成立させるのは国民への責任だ」と言っていた。参院民主は果たすべき責任を放棄した。
  4. 「過去の失敗に学ばない」のも民主党だ。3年前の参院選の前にも、民主党出身の議長が国会最終日の参院本会議の開催見送りを決定。閉会中審査の手続きをしなかった。このため、西日本に被害をもたらした集中豪雨に関して、災害対策特別委員会が閉会中に開けなかった。今回も、豪雨災害など緊急事態が起きても、参院が対応できない状況を繰り返した。国民生活より政局を優先する民主党の迷走にあきれるばかりだ。
 これに対して、民主党の細野豪志幹事長は、党本部で記者会見し、会期末に首相の問責決議が可決したことに触れ、「最終的に私たちが成立が必要と考えていた5法案が廃案となり非常に残念な結果」と述べています。(民主党のHPより)
 細野幹事長は「国会の最終局面では、まずは委員長の不信任案、次に法案審議と採決、そののちに問責決議案について採決すべきと参院の議運レベルでも、自公の幹事長にも私から直接伝えたが、参院の自民党の幹部の考えで問責の採決が最優先された」と説明し、与党は、「民主党に対して無責任な野党というレッテルを貼り、ねじれを解消したかったのだろう。しかし、これは国民生活を考えるならば、政府与党としては決してやってはいけないこと」だと政府与党を批判した。
 この発言を読んで、民主党の支持者は納得するのかと呆れるばかりです。参議院で多数を占めるのは民主党をはじめとする野党。当然、議長は民主党の平田健二氏です。議会運営委員会も野党が多数を占めています。こうした状況で「参院の自民党の幹部の考えで問責の採決が最優先された」ということばは、誰が考えてもウソとしか思えません。問責決議が提出されれば、他の法案に先行して審議されるのは常識であり、本当に民主党が重要法案の審議を優先するのであれば、問責決議には賛成できないのは自明の理です。
 政治評論家の浅川博忠氏は、こうした民主党の態度を「安倍政権との対決姿勢を鮮明にするための“アリバイ”づくり」と厳しく批判しています。
 こうした為体では、海江田代表、細野幹事長の任期は、この夏7月21日までかもしれません。