土壇場でドタバタ、分裂選挙、相次ぐ出馬辞退者で大混乱
7月4日に公示された参議院選挙。民主党、日本維新の会、みんなの党の野党各党では、公示の直前まで公認候補の選定をめぐってドタバタ劇が展開されました。“民主、第3極政党の終わりの始まり”との声が、巷間囁かれ始めています。
まずは、民主党。東京選挙区で、公認候補の一本化を強行し、公示直前の2日に女性候補の公認を取り消し。しかし、その女性候補は無所属で出馬し、これに代表経験者の菅直人元首相らが全面支援する展開に。選対本部長の民主党参院議員は「直前に公認を外され理不尽だ。この借りは選挙で返そう」と党執行部を公然と批判し、分裂選挙となっています。
公認取り消しの前日(7月1日)、海江田万里代表は当の女性候補を応援する会合に出席し、「本当に腹の底から民主党を信じて、民主党が頑張ることを議員一人ひとりが誓わなければならない」と発言しました。その翌日に公認取り消しというのでは、いったい民主党の何を信じられるのでしょうか。“分裂”がお家芸の民主党に政治を任せるわけにはいきません。
一方、維新は比例区の予定候補者が2日、橋下徹共同代表の発言に端を発した逆風を理由に出馬辞退を表明。これで、維新で内定していた参院選公認候補の辞退や取り消しは、全国で計7人にも上っています。

まずは、民主党。東京選挙区で、公認候補の一本化を強行し、公示直前の2日に女性候補の公認を取り消し。しかし、その女性候補は無所属で出馬し、これに代表経験者の菅直人元首相らが全面支援する展開に。選対本部長の民主党参院議員は「直前に公認を外され理不尽だ。この借りは選挙で返そう」と党執行部を公然と批判し、分裂選挙となっています。
公認取り消しの前日(7月1日)、海江田万里代表は当の女性候補を応援する会合に出席し、「本当に腹の底から民主党を信じて、民主党が頑張ることを議員一人ひとりが誓わなければならない」と発言しました。その翌日に公認取り消しというのでは、いったい民主党の何を信じられるのでしょうか。“分裂”がお家芸の民主党に政治を任せるわけにはいきません。
一方、維新は比例区の予定候補者が2日、橋下徹共同代表の発言に端を発した逆風を理由に出馬辞退を表明。これで、維新で内定していた参院選公認候補の辞退や取り消しは、全国で計7人にも上っています。
みんなの党も2日、大阪選挙区で公認候補を差し替えました。報道によると、最初の予定候補者が出馬会見前日に選挙資金不足を理由に突然辞退。他の予定候補者のスタッフから新たな候補者を選んで、予定の会見に間に合わせたようです。新たに立候補した候補者は、大阪維新の会が昨年の衆院選に向けて開講した「維新政治塾」の元塾生というオマケ付きの椿事です。
最後に新党大地の呆れた選挙戦術もご紹介しておきます。新党大地の比例名簿に「鈴木宗男」という候補者名が掲載されました。代表の鈴木宗男氏は公民権停止中で立候補ができません。そこで、同姓同名の別人を担ぎだしたということです。記者会見で有権者に混乱を招く可能性を指摘されると、鈴木代表は「同じ理念を共有する仲間。支援者の中には間違っても結構だという意見もある。有権者に迷惑をかけるものではない」と詭弁を呈しています。北海道の地元からも有権者を馬鹿にした話だとの批判が出ています。
最後に新党大地の呆れた選挙戦術もご紹介しておきます。新党大地の比例名簿に「鈴木宗男」という候補者名が掲載されました。代表の鈴木宗男氏は公民権停止中で立候補ができません。そこで、同姓同名の別人を担ぎだしたということです。記者会見で有権者に混乱を招く可能性を指摘されると、鈴木代表は「同じ理念を共有する仲間。支援者の中には間違っても結構だという意見もある。有権者に迷惑をかけるものではない」と詭弁を呈しています。北海道の地元からも有権者を馬鹿にした話だとの批判が出ています。
参院選:東京選挙区 民主分裂 菅元首相が大河原氏支援
毎日新聞(2013/7/4)
民主党の菅直人元首相は3日、自らのブログで、参院選東京選挙区(改選数5)で同党の公認を取り消された現職の大河原雅子氏を支援することを明言した。
同党は東京都議選の惨敗を受け、同じく現職の鈴木寛氏に公認候補を一本化することを決定。海江田万里代表は「党の全ての組織を鈴木氏の必勝に傾ける」としていたが、分裂状態で選挙戦に突入することになった。
菅氏はブログで「これまでも『原発ゼロ』を鮮明にした大河原さんを支援してきたが、民主党の公認がなくても全力で応援する」と表明した。
大河原氏の選対本部長を務める小川敏夫元法相(参院東京選挙区)ら一部の参院議員や都議も支援に回る見通しだ。
民主党執行部は菅氏らの造反で求心力の低下を露呈。鈴木氏は自身のブログで「心苦しい気持ちでいっぱいだ。厳しい戦いであることは、何ら変わらない。全力で地道に訴え続ける」とコメントした。
民主、東京公認を一本化 大河原氏反発 分裂選挙へ
産経新聞(2013/7/2)
民主党は2日夜、現職2人を公認していた参院選東京選挙区(改選数5)で大河原雅子氏の公認を取り消し、鈴木寛氏に一本化することを決めた。執行部は大河原氏に党推薦を打診したが、拒否された。公示を2日後に控えた土壇場でのドタバタ劇。民主党は大きなしこりを残したまま、事実上の分裂選挙に突入する。(楠城泰介)
民主党は2日夜、党本部で幹部会を開催。会合後、海江田万里代表は、記者団に「先ほど苦渋の選択をした。都議選の結果を受けて情勢調査も行った上で決めた」と述べ、鈴木氏への一本化を表明した。
この決定を受けて、東京・四谷の事務所で緊急の記者会見を開いた大河原氏は執行部の決定に反発。「納得できるものではない。私の存在が党にとって必要ないのかなと、すごく悔しい思いがしている」と述べ、涙を流した。大河原氏は無所属での出馬を選択した。
民主党は6月23日に行われた都議選で惨敗。2人を擁立した6選挙区のうち5選挙区で共倒れしたが、2人の得票数を足すと当選ラインを越えていた。
候補者一本化の必要性を痛感した執行部は、週末に参院東京選挙区の世論調査を実施。その結果、大河原氏はやや劣勢だった。だが、この調査を根拠に公認を剥奪されることに大河原氏が納得するはずはない。これまでの調査では鈴木氏が劣勢だったこともあるからだ。しかも、6年前の参院選で大河原氏はトップ当選。鈴木氏は3位だ。
執行部は「武士の情け」とばかりに、大河原氏に推薦を打診したが、“切られた”本人にしてみれば屈辱以外のなにものでもない。大河原氏が無所属での出馬に踏み切るのは、執行部への意趣返しといえる
そもそも調整がここまで難航したのには理由がある。ちらつくのは菅直人元首相の影。大河原氏は地域政党の東京・生活者ネットワーク出身。その生活者ネットと菅氏は「脱原発」などで良好な関係にある。菅氏が昨年の衆院選でギリギリ比例復活できたのも、生活者ネットの支援があってこそとの見方は強い。
執行部は大河原氏を比例代表に回すことも検討したが、菅氏が執行部の前に立ちはだかったことで、事態は混迷を深めたという。
「民主党らしいよね…」
党内からはそんな自嘲的な声が漏れるが、それは寄り合い所帯の宿痾ともいえる。
ドタバタ「第三極」 相次ぐ候補者辞退、突然の差し替え…
産経新聞(2013/7/2)
目前に迫った参院選(4日公示、21日投開票)を前に、日本維新の会やみんなの党など「第三極」が揺れている。2日には、維新の比例候補予定者が出馬辞退を表明。同日、大阪選挙区の出馬会見を予定していたみんなも、当日になって候補予定者を差し替えた。既成政党の対抗勢力になるどころか、公示直前まで続くドタバタぶりに、陣営関係者は「もう訳が分からない」と疲労感をにじませる。
「無念ではありますが、決断しました」
日本維新の会が参院選の比例代表に擁立した社団法人理事長、吉田浩巳氏(51)=新人=が2日、奈良県庁で会見。立候補断念の意向を明らかにした。吉田氏は共同代表の橋下徹大阪市長の慰安婦制度をめぐる発言などに触れ、「後援会から『逆風が厳しい中、戦っていけるのか』と辞退を打診された」と苦渋の表情を浮かべた。
維新はこれまでも、参院選の奈良選挙区(改選数1)で擁立した県議、山本進章(のぶあき)氏(58)=同=が6月24日、「闘争心がわかなくなった」などとして最終的に立候補を辞退。
参院選と同日開票となる奈良市長選でも、元みんなの党員で、みんなと共同で推薦した県議、浅川清仁氏(58)=同=の推薦を維新が取り消すことが今月2日、明らかになった。慰安婦発言によってみんなとの選挙協力が解消したためとみられ、浅川氏は「本部からの説明はなく、一方的に決められた」と不信感をあらわにする。
奈良では、維新は参院選の選挙区と比例代表いずれも候補を擁立しない事態になり、維新が内定していた参院選公認候補の辞退や取り消しは、全国で計7人となった。
みんなもバタバタ…会見当日に候補者差し替え
産経新聞(2013/7/2)
みんなの党は2日、参院選大阪選挙区(改選数4)に会社員の安座間肇氏(35)=新人=を公認候補として擁立すると発表した。みんなは6月末、経営コンサルタントの男性(53)=同=の擁立を決めていたが、公示2日前になって急遽(きゅうきょ)差し替えた。
同党の関係者によると、候補予定者だった男性が1日午前、突然「選挙資金がない」と出馬辞退の意向を表明。慌てた浅尾慶一郎政調会長らが調整に奔走した。2日午前3時、ほかの候補予定者の事務所スタッフだった安座間氏にこの候補予定者を通じて電話で出馬要請。安座間氏が了承し、午後1時からの大阪府庁での出馬会見に臨んだ。
みんなは日本維新の会との選挙協力が破綻(はたん)する前から、同選挙区で候補者を擁立する方針だったが、選定が難航。この日の会見も直前までは最初の候補予定者による会見の予定だった。
2人の鈴木宗男氏が会見「間違っても結構」「私も本物」
朝日新聞(2013/7/4)
新党大地の鈴木宗男代表は4日、都内で記者会見し、参院選比例区に木材加工会社社長で新顔の鈴木宗男氏(73)を擁立することを発表した。公民権停止中で立候補できない鈴木代表とは同姓同名の別人だ。鈴木代表は「鈴木さんとは理念、政策、すべての面で一致している」と述べた。
鈴木代表によると、2人は旧知の間柄という。選挙運動の出来ない鈴木代表は「偶然の巡り合わせ。同姓同名はたまたま」とした上で「鈴木宗男という名前が出ることに、私の応援者にホッとする人がいても不思議ではない」と語った。
記者団から有権者に混乱を招く可能性を指摘されると、鈴木代表は「同じ理念を共有する仲間。支援者の中には間違っても結構だという意見もある。有権者に迷惑をかけるものではない」とした。
立候補した鈴木氏は「私も本物の鈴木宗男。山や森林で循環型社会を踏襲し、高齢者の仕事を作りたい」と訴えた。