政党政治の行方は混迷 公明党は「国民目線」貫く
街頭演説する井手よしひろ県議 「政権交代可能な選挙制度によって、政治腐敗は根絶されるはず」。そんな期待を受けて、衆院に小選挙区比例代表並立制が導入されたのは1994年。今日まで6回の衆院選が行われましたが、日本での二大政党制の壮大な「実験」は、失敗に終わったと言わざるを得ません。
 二大政党が激突する小選挙区中心の選挙制度によって、民主党は自民党に対抗する唯一の政党として、期待を集めました。2007年参院選の躍進に続いて、2009年衆院選の地滑り的勝利で、政権を奪取しました。しかし、その寄り合い所帯の欠陥が次々と露呈し、内政、外交で迷走を重ねました。その結果、2012年の衆院選で大敗、再び自公政権が誕生しました。
 これは二大政党による通常の政権再交代ではありません。国会議員の大量離党に象徴されるように、民主党が瓦解の様相を示したからです。民主党は先の東京都議選でも大敗し、都議会第1党から、第4党に転落。党勢の衰退は決定的となりました。衆院で自民党の約5分の1の議席では、とても二大政党の一翼を担えません。
 国民の側にも二大政党を求める「熱気」は消えうせています。NHKが毎月行っている政治意識月例調査では、昨年まで20%台を維持し、自民党と対峙していた民主党支持率は、今年に入って7.6%(1月)と急落、現在まで、自民党支持率の5分の1以下の水準で推移しています。民主党は議席数、支持率とも、とても自民党と対抗する政党とはいえなくなりました。
 民主党の低迷と歩調を合わせるように、昨年の衆院選で脚光を浴びた新しい「第三極」政党も支持率は伸び悩んでいます。これら「第三極」は、二大政党の対抗関係の中で、存在感を示そうとしてきました。憲法改正への意欲や新自由主義的な改革路線など、自民党の主張を“過激”にしている印象が強い。
 野党でありながら、自民党との対立軸が不明確で、参院選では「自公の過半数阻止」を訴えていますが、政治の混乱に終止符を打つことを求める国民に、その主張は支持は広がっていません。
 二大政党制が崩れ、新たな政党制の姿が見えず、「政党の融解」さえ指摘される現在、公明党の役割は重要です。政権運営を担ってきた自民党が「国家の目線」「統治の目線」が強い政党とするなら、公明党は党員、地方議員、国会議員の重層的なネットワークを持つ「国民の目線」を貫いてきた政党です。
 政党政治の混乱は続いていますが、連立政権の中で、公明党らしさを発揮し、日本再生の道をひらいていきたいと思います。