130731election 特定の支持政党はないが、政治に対する関心は高い有権者は、「そのつど支持」の有権者とも呼ばれます。選挙のたびに存在感を示し、政治の動向に及ぼす影響も大きい。有権者の政党離れ、政党不信が高まる中で、「そのつど支持」層は政治に何を期待しているのか、参院選の結果も大きく左右した「そのつど支持」層について考えてみました。
 「そのつど支持」とは「特定の支持政党を持たず、選挙のたびにどの政党がよいかを戦略的に選択する」有権者の投票行動を指しています。「そのつど支持」の存在を初めて明らかにした埼玉大学の松本正生教授によると、無党派といえば政党から距離を置く脱政党、政党拒否のイメージが強いが、「そのつど支持」は決して政党を拒否しているわけではありません。
 むしろ政治や政策に関心を持ち、選挙時には政治家単位ではなく、政党単位で政策を評価する有権者ともいえます。
 産経新聞(7月22日付)によると、今回の参院選の出口調査で「支持政党なし」と答えたそのつど支持(無党派)層は全体の20.3%でした。このうち23.0%が比例代表で自民党や同党候補に投票しました。一方、みんなの党への投票は15.5%、民主党は14.4%で、これが自民党大勝の要因となったと思われています。
 自民党は「小泉ブーム」で大勝し、無党派層の約3分の1の支持を集めた平成13年参院選には及びませんでしたが、前回22年参院選の16.7%からは6.3ポイント上昇しています。
 一方、民主党は14.4%にとどまり、前回22年の参院選と比べ半減しています。日本維新の会や共産党などにも支持が流出しました。みんなの党は15.5%で前回の22.8%から7.3ポイント減。共産党は13.5%で前回よりも6.4ポイント増となっています。
 日本維新の会は13.3%、公明党8.9%(前回7.5%)、社民党3.2%(前回5.0%)でした。
 各党の勝敗は、この「そのつど支持」層の投票行為によって明暗が分かれたといっても過言ではありません。
 流動化の激しい有権者の政治意識や支持政党の中で、「そのつど支持」層は定着しつつあるようです。明るい選挙推進協会が、2010年参院選における有権者の投票行動と政治意識を調査した結果でも「そのつど支持」層の存在が浮き彫りになっています。
 支持政党と投票傾向の関係性を調べたところ「強い支持」があると答えた有権者の約9割は投票しています。一方、「支持政党なし」と回答した有権者でも約7割は投票所へと足を運んでいます。さらに、その支持政党なし層に「あえて言えば好ましい政党はどこか」を聞いたところ約3割は具体的な党名を回答しています。一方、完全な支持政党なしは5割でした。
 全調査対象者に聞いた「投票時に重視したこと」で、政党そのものや党の政策や主張が、重視した項目の上位にあることを踏まえると、支持政党はないがその時々の判断で自分に合った政策を掲げる政党を選ぶ有権者が少なくないことがわかります。
 短期的変動が目立つ各種世論調査でも「支持する政党がある」が約3割なのに対して、「支持する政党がない」は7割とほぼ数字が一定していることも「そのつど支持」層の存在を示しています。
中高年の有権者で増加/民主の混乱、小党乱立で選びにくく
 「そのつど支持」層の増加を直接促すようになったきっかけは、選挙制度にあるといわれています。
 日本は、1990年代前半の政治改革で小選挙区比例代表並立制を導入。二大政党制による政治の安定をめざす中で、「自民から民主」「民主から自民」と二者択一が定着してきました。ただ、2009年の政権交代後、民主党が重要政策課題などをめぐり内部対立を繰り、結果的に有権者に約束した政策をほとんど実現できなかったことで、民主党を支持した有権者の大きな失望を招きました。昨年12月の衆院選では12政党が激突するなど、現在、有権者にとっては政党を「選びにくい」状況になっています。
 松本教授によると、過去3回の衆院選における「政党支持のある・なし」層を年齢別に調査したところ、「支持政党なし」は若高老低の傾向が続いてきました。
 しかし、政治意識が高い70歳以上の高齢者でさえ「支持政党なし」が5割に及ぶまでになっています。また、中高年層の支持政党なしも大きく増加しており、全体の割合を押し上げています。一方、政治離れが進む20歳代では、8割が支持政党なしの状況です。
閉塞感の打破は対話、国政と有権者つなぐ政党の存在が重要
 特定の支持政党はないが、政治に強い関心を示す「そのつど支持」層は、裏を返せばあらゆる政党に門戸を開いている存在です。
 多様化する価値観の中で、多くの有権者が、真の民意をくみ取ることができる政党政治の確立を求めています。政党や政治家が政策課題を明確化していかなければ、有権者、政党、政治家の信頼関係は悪化していくことが避けられません。
 政党は国家と国民をつなぐ橋に例えられ、民意の受け皿として機能する政党はまさに「要党」です。
 全国の地方議員と国会議員によるネットワークを生かして、生活現場の小さな声を拾い上げ政策実現につなげることができる公明党は、まさに要党です。
 白内障手術の保険適用や成年被後見人の選挙権回復、中国や韓国に対する平和外交の展開、具体的な経済再生策による景気回復などの多様な実績は、支持者と地域住民の一対一の対話の中から導きだされたものばかりです。
 大衆直結の政治対話の中にのみ、社会の閉塞感を打破する鍵があります。