健康ハート10カ条 8月10日は「健康ハートの日」。8(ハ)と10(トウ)の語呂合わせで、1985年に制定されました。
 心臓病の予防啓発活動を行っている日本心臓財団は毎年、この日に医療相談や血圧測定などを無料で行っています。きょうも東京、名古屋などでイベントが開催されたそうです。官民が連携し、心臓病の予防を推進する機会としたいと思います。
生活習慣を改善し健康寿命を延ばす
 厚生労働省の調査によると、日本人の死因(2012年)は、第1位のがんに次ぎ、心疾患が第2位です。
 日本人に心臓病が増加している原因は、欧米型の食生活による肥満や高血圧が増えたためと指摘されています。生活習慣の改善が必要です。日本心臓財団が「健康ハート10カ条」を示し、血圧やコレステロールの正常化、適度な運動などを挙げ、予防を呼び掛けているのは、このためです。
 政府は、今年度から「第2次健康日本21」をスタートさせました。今後、10年間の日本人の健康に関する目標を定めたもので、最大の狙いは健康寿命を延ばすことです。健康寿命とは、要介護や病気で寝込まず、自立して生活できる期間を示します。例えば、日本人男性の平均寿命は79.55歳(2010年)ですが、健康寿命は70.42歳にとどまっています。単純計算だと、9年間余りは元気に過ごせていないということです。この差を縮めることが重要です。
 心臓病などを予防して健康寿命が延びれば、医療機関や介護施設のサービスを受ける機会が少なくて済みます。本人や家族にとっても喜ばしいことですが、医療・介護関連の予算抑制にもつながり、行政も無関心ではいられません。
命守るAEDの普及、啓発も急務
 自分の病気の予防と同様に、周囲の人たちの心臓病発症にも備えていきたいと思います。心臓が停止した人に電気ショックを与えて救命する医療機器・自動体外式除細動器(AED)は、かつては医師しか使用できない医療機器でした。公明党の推進で一般の人たちの利用が認められるようになりました。
 AEDの救命効果は高く、消防庁の調査(2011年)によると、心肺停止状態の患者に一般の人がAEDで応急処置した場合、1カ月後の生存率は45.1%です。処置しなかった場合は10.3%で、救命率は4倍強になります。
 1台でも多くAEDを設置すると共に、一人でも多くの人が使い方をマスターすれば、命が助かる可能性は飛躍的に高まります。AEDの普及、啓発に一層の努力が必要です。
茨城県では議員提案でAED普及促進条例を制定
 茨城県議会は今年3月、「県AED等の普及促進に関する条例」を議員提案によって制定しました。この条例では、県が県施設以外の施設に対し、AEDの設置を促すことや、教職員に対しては心肺蘇生法に関する知識や技能を習得させるよう努めることを定めています。