日本が産油国になる・エネルギー危機を救う藻類バイオマス燃料
8月29日、井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党議員会と県本部女性局は、筑波大学藻類バイオマス・エネルギーシステム研究拠点を視察。藻類産業創成コンソーシアム理事長の井上勲教授より、藻類バイオマスの実用化に向けての研究について現状を伺いました。
福島第一原発の事故によりエネルギー政策の見直しが避けられなくなっており、再生エネルギーの拡大は喫緊の課題です。
今、藻を原料として生産される藻類バイオ燃料が注目されています。筑波大学のチームが発見した2種類の藻類は生産効率が高く実用化がきたされます。1ha当たりの年間の潜在的燃料生産量は、トウモロコシが0.2t、パーム油が6.1tであるのに対し、微細藻類の「ボトリオコッカス」は118tと桁近いの生産効率です。
また「オーランチオキトリウム」は、「ボトリオコッカス」と比較してオイルの含有量は3分の1ですが、増殖スピードが36倍もあり、結果的に12倍の生産効率があることになります。
その実用化のためには、屋外での大量培養生産に向けた技術の確立が急務となります。筑波大学は、世界最高のオイル生産能力を有する藻類を活用し、平成27年度までに技術的課題の解決を図り、エネルギー問題の解決に貢献するとともに藻類産業の創出を目指しています。
藻類バイオマスとは
バイオマス(biomass=生物 bio + 物質の量 mass)とは、元来は「生物現存量」を意味します。石油ショック以降は「エネルギー源としての生物資源」の意味を含むようになりました。
バイオマスを用いた燃料は「バイオ燃料」と呼ばれ、バイオマスから得られるエネルギーを「バイオエネルギー」、または「バイオマスエネルギー」といいます。バイオマスが燃焼することにより放出されるCO2は、生物の成長過程で光合成によって大気中から吸収されたCO2です。化石資源由来のエネルギーや製品をバイオマスで代替することによって、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つであるCO2の排出削減に大きく貢献することができます。
近年の原油価格の高騰や地球温暖化への意識の高まり、また原子力発電所事故に起因する脱原発の動きから、新たな再生可能エネルギーとして、微細藻類が産生するオイルなどの「藻類バイオマス」の活用に注目が集まっています。
微細藻類は、一般的には水中に存在する顕微鏡サイズの藻で、その多くは植物と同様に太陽光を利用し、二酸化炭素を固定して炭水化物を合成する光合成を行い、代謝産物としてオイルを産生します。
微細藻類によるバイオ燃料は、植物由来のバイオ燃料に比べて、桁違いに生産効率が高く、またトウモロコシなどのように食品利用との競合もないため、次世代バイオ燃料として大変注目されています。今後、大量培養技術が確立されれば、日本を産油国にすることも夢ではありません。
8月29日、井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党議員会と県本部女性局は、筑波大学藻類バイオマス・エネルギーシステム研究拠点を視察。藻類産業創成コンソーシアム理事長の井上勲教授より、藻類バイオマスの実用化に向けての研究について現状を伺いました。
福島第一原発の事故によりエネルギー政策の見直しが避けられなくなっており、再生エネルギーの拡大は喫緊の課題です。
今、藻を原料として生産される藻類バイオ燃料が注目されています。筑波大学のチームが発見した2種類の藻類は生産効率が高く実用化がきたされます。1ha当たりの年間の潜在的燃料生産量は、トウモロコシが0.2t、パーム油が6.1tであるのに対し、微細藻類の「ボトリオコッカス」は118tと桁近いの生産効率です。
また「オーランチオキトリウム」は、「ボトリオコッカス」と比較してオイルの含有量は3分の1ですが、増殖スピードが36倍もあり、結果的に12倍の生産効率があることになります。
その実用化のためには、屋外での大量培養生産に向けた技術の確立が急務となります。筑波大学は、世界最高のオイル生産能力を有する藻類を活用し、平成27年度までに技術的課題の解決を図り、エネルギー問題の解決に貢献するとともに藻類産業の創出を目指しています。
藻類バイオマスとは
バイオマス(biomass=生物 bio + 物質の量 mass)とは、元来は「生物現存量」を意味します。石油ショック以降は「エネルギー源としての生物資源」の意味を含むようになりました。
バイオマスを用いた燃料は「バイオ燃料」と呼ばれ、バイオマスから得られるエネルギーを「バイオエネルギー」、または「バイオマスエネルギー」といいます。バイオマスが燃焼することにより放出されるCO2は、生物の成長過程で光合成によって大気中から吸収されたCO2です。化石資源由来のエネルギーや製品をバイオマスで代替することによって、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つであるCO2の排出削減に大きく貢献することができます。
近年の原油価格の高騰や地球温暖化への意識の高まり、また原子力発電所事故に起因する脱原発の動きから、新たな再生可能エネルギーとして、微細藻類が産生するオイルなどの「藻類バイオマス」の活用に注目が集まっています。
微細藻類は、一般的には水中に存在する顕微鏡サイズの藻で、その多くは植物と同様に太陽光を利用し、二酸化炭素を固定して炭水化物を合成する光合成を行い、代謝産物としてオイルを産生します。
微細藻類によるバイオ燃料は、植物由来のバイオ燃料に比べて、桁違いに生産効率が高く、またトウモロコシなどのように食品利用との競合もないため、次世代バイオ燃料として大変注目されています。今後、大量培養技術が確立されれば、日本を産油国にすることも夢ではありません。
オイルを産出する主な藻類(ボトリオコッカスとオーランチオキトリウム)
藻類には、細胞内に脂質を多く含んだ藻が多数存在しています。その細胞を破壊し、脂質を取り出して化学反応させればオイルを得ることができます。中でも、燃料に適した炭化水素を大量につくる藻として「ボトリオコッカス」と「オーランチオキトリウム」が注目をあびています。
ボトリオコッカス
ボトリオコッカス(Botryococcus)は、湖沼に生息する緑色の藻類です。炭化水素のオイルを産生することで知られています。オイルは細胞外マトリックスに豊富に含有されているほか、細胞内に油滴の形で存在しています。代表的な炭化水素の1つに、ボトリオコッセン(botryococcene; C34H58など)があり、石油や石炭の代替資源として有望視されています。
ボトリオコッカスは倍加時間が3日以上と、増殖が遅い代わりに、炭化水素含有量は細胞乾燥重量の6割以上にも達します。現在、耕作放棄地を用いた大量培養の研究や、排水を利用した培地の開発が進められています。理論上は、必要な耕作面積、得られるオイル収量ともに、大豆やトウモロコシなどの陸上作物よりも効率面で遙かに優れていいます。
オーランチオキトリウム
オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)は、単細胞微生物で光合成をせず、有機物を吸収して従属栄養で増殖します。栄養細胞は直径約5μmから20μm程度のほぼ球形で、運動性はありません。一般に、オーランチオキトリウムは増殖が速く、高い脂質生産能をもっています。乾燥重量あたりの総脂質含量が7割を超す例もあります。多くは、DHA(ドコサヘキサエン酸)などの高度不飽和脂肪酸を産生することが知られていますが、近年、炭化水素スクアレン(squalene; C30H50)を乾燥重量あたり20%(従来種の数百倍)以上産生する株が筑波大学渡邉教授の研究グループによって発見されました。
スクアレンは、健康サプリメント、医薬品、化粧品に利用されるほか、バイオ燃料やプラスチックなどの化学製品の原料としても利用可能であることから、大量培養の研究が進められています。
つくば国際戦略特区構想への位置づけ
つくば国際戦略構想では、平成27年度までに2haの耕作放棄地を活用し、野外大量培養技術を確立することにしています。自動車運用実証試験等の藻類バイオマスの利用に向けた実証実験、健康食品や医薬品等の高付加価値な藻類産業の展開も試みることになっています。
予算確保が遅れていましたが、今年9月には筑波大学にほど近いつくば市栗原地区(農業振興地域)に0.2haの野外フィールドを整備します。
こうした藻類バイオマスの産業化にあたって、農地法の見直しが必要です。当然、農地法は陸上の農産物を対象に作られたものす。たとえば農地で藻類を何万
トンか収穫すると、その場で濃縮する施設が必要になります。ところが農地法では農地にサイロやビニール温室などを建てることはできても、建物を建てることはできません。施設を別の用地に建てるとなると、何万トンもの藻類をそこまで運搬することになり、無駄なエネルギーとコストがかさむことになります。
そこで、特区の仕組みが必要になります。特区内に施設を建て藻類によるオイル生産を実証します。
参考:日本が産油国になる・エネルギー危機を救う藻類バイオマス燃料
藻類には、細胞内に脂質を多く含んだ藻が多数存在しています。その細胞を破壊し、脂質を取り出して化学反応させればオイルを得ることができます。中でも、燃料に適した炭化水素を大量につくる藻として「ボトリオコッカス」と「オーランチオキトリウム」が注目をあびています。
ボトリオコッカス
ボトリオコッカス(Botryococcus)は、湖沼に生息する緑色の藻類です。炭化水素のオイルを産生することで知られています。オイルは細胞外マトリックスに豊富に含有されているほか、細胞内に油滴の形で存在しています。代表的な炭化水素の1つに、ボトリオコッセン(botryococcene; C34H58など)があり、石油や石炭の代替資源として有望視されています。
ボトリオコッカスは倍加時間が3日以上と、増殖が遅い代わりに、炭化水素含有量は細胞乾燥重量の6割以上にも達します。現在、耕作放棄地を用いた大量培養の研究や、排水を利用した培地の開発が進められています。理論上は、必要な耕作面積、得られるオイル収量ともに、大豆やトウモロコシなどの陸上作物よりも効率面で遙かに優れていいます。
オーランチオキトリウム
オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)は、単細胞微生物で光合成をせず、有機物を吸収して従属栄養で増殖します。栄養細胞は直径約5μmから20μm程度のほぼ球形で、運動性はありません。一般に、オーランチオキトリウムは増殖が速く、高い脂質生産能をもっています。乾燥重量あたりの総脂質含量が7割を超す例もあります。多くは、DHA(ドコサヘキサエン酸)などの高度不飽和脂肪酸を産生することが知られていますが、近年、炭化水素スクアレン(squalene; C30H50)を乾燥重量あたり20%(従来種の数百倍)以上産生する株が筑波大学渡邉教授の研究グループによって発見されました。
スクアレンは、健康サプリメント、医薬品、化粧品に利用されるほか、バイオ燃料やプラスチックなどの化学製品の原料としても利用可能であることから、大量培養の研究が進められています。
つくば国際戦略特区構想への位置づけ
つくば国際戦略構想では、平成27年度までに2haの耕作放棄地を活用し、野外大量培養技術を確立することにしています。自動車運用実証試験等の藻類バイオマスの利用に向けた実証実験、健康食品や医薬品等の高付加価値な藻類産業の展開も試みることになっています。
予算確保が遅れていましたが、今年9月には筑波大学にほど近いつくば市栗原地区(農業振興地域)に0.2haの野外フィールドを整備します。
こうした藻類バイオマスの産業化にあたって、農地法の見直しが必要です。当然、農地法は陸上の農産物を対象に作られたものす。たとえば農地で藻類を何万
トンか収穫すると、その場で濃縮する施設が必要になります。ところが農地法では農地にサイロやビニール温室などを建てることはできても、建物を建てることはできません。施設を別の用地に建てるとなると、何万トンもの藻類をそこまで運搬することになり、無駄なエネルギーとコストがかさむことになります。
そこで、特区の仕組みが必要になります。特区内に施設を建て藻類によるオイル生産を実証します。
参考:日本が産油国になる・エネルギー危機を救う藻類バイオマス燃料
実家の荒れた田んぼの活用が出来ればと思ってますが?農地改革がネックとも⁉️
震災後2011年テレビ放映一度されたのを目にしてからズーと考えてましたが、新たな産業として土地など活用できたらと思います。