9月9日、井手よしひろ県議ら公明党県議会議員会は、防災科学技術研究所(つくば市)で“竜巻”の発生メカニズムやその予報体制、住民の安全を守る体制整備などについて、アウトリーチ・国際研究推進センター竹田健児センター長、観測・予測研究領域水・土砂防災ユニット岩波越ユニット長、鈴木真一主任研究員から説明を受けました。
席上、学校における竜巻被害を最小に抑えるため、マニュアル作り、防災訓練の徹底などの重要性が強調されました。
9月2日に発生した埼玉県、千葉県の竜巻では、学校施設が大きな被害を受けました。特に、越谷市の北陽中学校では部活動を行っていた生徒20数名がケガをしました。その模様は、9月3日付けの産経新聞に詳しく掲載されています。
席上、学校における竜巻被害を最小に抑えるため、マニュアル作り、防災訓練の徹底などの重要性が強調されました。
9月2日に発生した埼玉県、千葉県の竜巻では、学校施設が大きな被害を受けました。特に、越谷市の北陽中学校では部活動を行っていた生徒20数名がケガをしました。その模様は、9月3日付けの産経新聞に詳しく掲載されています。
埼玉・千葉、突風 吹き飛ぶ屋根、割れる窓 「安全な学校」響く悲鳴
産経新聞(2013/9/3)
(前略)午後1時45分ごろ、越谷市立北陽中学校(埼玉県越谷市大松)の平勢整(ひらせ・ひとし)校長(60)は、空を覆った雲から雷の閃光が走るのを見た。竜巻とみられる突風が襲う15分ほど前だった。
始業式を終え、大半の生徒は帰宅していたが、サッカー部と野球部の部員が校庭で、体育館では女子のバレー部とバドミントン部の25人が練習していた。
「(校舎の)中に入るように」。平勢校長は職員を通じて、校内放送で緊急避難を呼びかけたものの、当時はゲリラ豪雨くらいの認識しかなかったという。
直後に強風が校舎に吹き付けはじめ、体育館の屋根が3分の1ほどはがれていった。屋根は約10年前の耐震工事の際に軽くて頑丈にしたはずだったが、すさまじい突風が一瞬で吹き飛ばした。
バリバリバリ…。校舎の窓ガラスも音を立てて割れ、生徒を心配した職員が体育館と校庭に一斉に飛び出した。
体育館で練習中だった生徒を校舎に入るように誘導し、最後の1人が体育館を出ようとしたときだった。再び襲った強風で、生徒らは吹き飛ばされるように転倒し、破片となったガラスが床に降ってきた。
悲鳴が上がり、パニックになる生徒ら。8人が腕や頭から血を流し、切り傷を負って病院に搬送された。「よく覚えていない」。肘を縫うけがをしたバドミントン部の女子生徒(13)は声を震わせた。
平勢校長は言葉を失った。「こんなことになるとは夢にも思っていなかった。安全な学校のはずなのに…」(以下略)
3日、井手県議らはこの北陽中を訪れました。教室の被害がほとんど無かったのに引き替え、体育館は爆撃を受けたような惨状が広がっていました。ガラス面が広く、通常4面に広がる体育館は、竜巻や突風には非常に弱い構造と言えます。屋根の面積も大きく、そこにかかる風の圧力は想像を超えるものがあります。反面、学校現場における体育館の竜巻や突風対策における位置づけは明確ではありません。
鈴木主任研究員からは、つくば市内の小学校で竜巻被害の教訓から行われた避難訓練で、避難し集合する場所を体育館として計画された事例が報告されました。事前に、鈴木主任研究員からの指摘で、体育館への避難は変更されたといいますが、早急に学校の防災マニュアルを明確にする必要があります。
一方、4日発生した栃木県での竜巻の際は、学校現場で竜巻対策のマニュアルが功を奏した事例が報道されています。
9月10日、井手県議は県教育庁より茨城県の小中学校の竜巻・突風対策について、改めてヒアリングを行いました。茨城県では、現在、東日本大震災の教訓をもとに平成24年4月に改訂した「学校防災に関する手引き」の改訂作業を進めています。竜巻や突風への対応を追加する予定です。井手県議は、埼玉県の体育館被害の事例や栃木県の避難事例などを参考に、より具体的で効果的なマニュアルの整備を要請しました。
鈴木主任研究員からは、つくば市内の小学校で竜巻被害の教訓から行われた避難訓練で、避難し集合する場所を体育館として計画された事例が報告されました。事前に、鈴木主任研究員からの指摘で、体育館への避難は変更されたといいますが、早急に学校の防災マニュアルを明確にする必要があります。
一方、4日発生した栃木県での竜巻の際は、学校現場で竜巻対策のマニュアルが功を奏した事例が報道されています。
栃木・竜巻 マニュアル生かし安全確保、窓ガラス割れた小学校
産経新聞(2013/9/5)
竜巻で体育館の屋根がはがれ、窓ガラスが割れた矢板市立矢板小学校(加藤泰明校長)。教職員は竜巻の対応マニュアルに基づき、児童らの安全確保に努めた。その結果、1年の女児(6)が机の下に隠れようとした際に足を椅子にぶつけたほかは、けがなどはなかった。事前準備の徹底が、大半の児童の身を守ったといえる。
「窓を閉めてください。カーテンを閉めてください。机の下に隠れてください」
竜巻に襲われた午後0時55分ごろ。職員室にいた男性教頭(53)は竜巻に気付くと、マニュアルに沿って全校放送で呼び掛けた。
マニュアルは昨年5月の栃木県真岡市などでの竜巻被害を受けて県教委が作成。校内での対応策として、窓を閉めてカーテンを引く▽窓ガラスからできるだけ離れる▽身の回りにあるもので頭や首を守る−などを呼び掛けている。
教頭は「ガラスの破片などでけがした児童はおらず、被害は最小限に食い止められた」と効果を話す。ただ、「ランドセルの上蓋で頭を覆うなど、もう少し安全対策を徹底する余地がある」としており、今後は竜巻を想定した訓練も取り入れる方針という。
9月10日、井手県議は県教育庁より茨城県の小中学校の竜巻・突風対策について、改めてヒアリングを行いました。茨城県では、現在、東日本大震災の教訓をもとに平成24年4月に改訂した「学校防災に関する手引き」の改訂作業を進めています。竜巻や突風への対応を追加する予定です。井手県議は、埼玉県の体育館被害の事例や栃木県の避難事例などを参考に、より具体的で効果的なマニュアルの整備を要請しました。
学校にいて竜巻が接近してきたとき
竜巻は発生予測が難しく移動速度も速いため、気付いてから避難行動を取るまで時間的余裕がない状況が想定される。以下に示す例を参考にマニュアルを作成し、教職員の研修で共通理解を図るとともに児童生徒の訓練を行う。その際、いろいろな場面を設定し、常にマニュアルどおりに行動するのではなく、臨機応変にどう行動するか児童生徒に考えさせることが重要である。
1.教室にいる場合
窓を閉め、カーテンを引く。
窓ガラスからできるだけ離れる。
身の回りにある物で頭と首を守る工夫をする。
2.教室以外の校舎内にいる場合
風の通り道やガラスが飛んでくるのを避けられる場所に身を寄せる。
壁に近いところで避難姿勢をとる。
3.体育の授業や部活動などで屋外にいる場合
校舎など頑丈な建物に避難する。
物置やプレハブ(仮設建築物)などには避難しない。
竜巻発生時の避難訓練の一例
この例では、強風によって飛散する窓ガラスによる怪我の防止に重点が置かれており、教室内で机の下にもぐった児童が机を寄せ合い「シェルター」を作り、ランドセルで頭を覆うなどの避難姿勢をとる方法が提案されている。避難姿勢をとるまでの所要時間は約1分間である。
・避難の準備に入る→帽子をかぶる→椅子を移動する→机を壁の方に寄せて固めシェルターを作る→机の下(シェルター)にもぐり机の脚を両手でしっかり持つ→一番外側の児童は、ランドセルを背負い、ランドセルカバーを開けて頭を覆う。
課題としては、激しい雷雨の中で竜巻が目視できない状況が予想されるため、指示を出してから竜巻が来るまでに避難を完了できるかということである。また、飛散したガラスを防ぐのはランドセルよりも座布団として利用できる防空頭巾のほうが迅速に対応できるのではないかなどの意見もある。各学校の立地や建物の状況、児童生徒の実態に応じて、全教職員の共通理解のもと、避難訓練を実施することが重要である。
学校における防災関係指導資料:栃木県教育委員会
竜巻は発生予測が難しく移動速度も速いため、気付いてから避難行動を取るまで時間的余裕がない状況が想定される。以下に示す例を参考にマニュアルを作成し、教職員の研修で共通理解を図るとともに児童生徒の訓練を行う。その際、いろいろな場面を設定し、常にマニュアルどおりに行動するのではなく、臨機応変にどう行動するか児童生徒に考えさせることが重要である。
1.教室にいる場合
窓を閉め、カーテンを引く。
窓ガラスからできるだけ離れる。
身の回りにある物で頭と首を守る工夫をする。
2.教室以外の校舎内にいる場合
風の通り道やガラスが飛んでくるのを避けられる場所に身を寄せる。
壁に近いところで避難姿勢をとる。
3.体育の授業や部活動などで屋外にいる場合
校舎など頑丈な建物に避難する。
物置やプレハブ(仮設建築物)などには避難しない。
竜巻発生時の避難訓練の一例
この例では、強風によって飛散する窓ガラスによる怪我の防止に重点が置かれており、教室内で机の下にもぐった児童が机を寄せ合い「シェルター」を作り、ランドセルで頭を覆うなどの避難姿勢をとる方法が提案されている。避難姿勢をとるまでの所要時間は約1分間である。
・避難の準備に入る→帽子をかぶる→椅子を移動する→机を壁の方に寄せて固めシェルターを作る→机の下(シェルター)にもぐり机の脚を両手でしっかり持つ→一番外側の児童は、ランドセルを背負い、ランドセルカバーを開けて頭を覆う。
課題としては、激しい雷雨の中で竜巻が目視できない状況が予想されるため、指示を出してから竜巻が来るまでに避難を完了できるかということである。また、飛散したガラスを防ぐのはランドセルよりも座布団として利用できる防空頭巾のほうが迅速に対応できるのではないかなどの意見もある。各学校の立地や建物の状況、児童生徒の実態に応じて、全教職員の共通理解のもと、避難訓練を実施することが重要である。
学校における防災関係指導資料:栃木県教育委員会