オリンピックを日本社会の活性化と復興に生かせ
東京オリンピック開催決定記者会見 2020年オリンピックの開催地が東京に決定しました。1964年以来56年ぶりに聖火が東京へ戻ってきます。
 大阪、名古屋、東京と誘致合戦に負け続けた中、やっと巡ってきた2020年の大会は、日本社会にとってさまざまな意義があります。
 1964年東京五輪は、名実ともに先進国の仲間入りを果たす転換点になりました。
 2020年の大会は、国、国民がスポーツの重要性やメリットをあらためて認識するだけにとどまりません。世界の視線が東京や日本に向けられる。政治、経済、文化、教育などで世界との交流が一段と深められなければなりません。こんなビッグチャンスはめったにありません。
 五輪開催の決定は、国民に元気と自信を与えます。スポーツに取り組む若者の間で、東京五輪の出場を目標に掲げる声も、すでに高まっています。長引く経済低迷の影響で、若者から元気がなくなったと指摘されて久しい。大会までの7年間、将来を担う若者の夢や希望を引き出すことも東京五輪の重要な目標となります。
 障がい者スポーツのパラリンピック大会が同じく東京で実施される意義も大きいと思います。大会会場の整備に合わせて、東京を誰もが暮らしやすい世界トップクラスのバリアフリー都市へと変える試みを加速させなければなりません。
 五輪開催の意義は、経済的な側面にも及びます。東京都は、大会を通じた日本全体の経済効果は約3兆円と推計。業種別ではサービス業が6510億円と最も顕著です。雇用創出効果も大きく、東京都で約8万4000人に上り、全国合計では約15万2000人に達します。
 自公連立政権が進める経済再生策を後押しし、デフレ脱却の起爆剤ともなり得えます。この機会を全国の地域経済の活性化に活かすべきです。
 大会の主役である選手たちの育成環境の拡充も重要です。公明党の主張で選手に対する支援が増えてきているが、世界に比べるとまだまだ見劣りします。
 解決すべき課題もあります。五輪開催で各国メディアの関心が集中したのは、東京電力福島第1原発の汚染水漏れの問題でした。こうした中で、原発問題に関する国際社会の不安を解消するのは当然です。国が前面に出て事態の解決を急ぐべきです。
 東日本大震災の被災地の復興も加速させなければなりません。1964年の東京大会が日本の戦後復興を世界に告げたように、7年後も再び日本の底力を国際社会に示していきたいと思います。東京五輪は閉塞感の漂う日本社会に新たな活力をもたらす大会となるに違いありません。

いばらきも震災復興から新たな飛躍のステージに
 茨城県は2020年の前年、2019年に国体開催地となります。地方にとって、国体は地域活性化の大きな節目となってきました。国体、オリンピックと続くスポーツの大イベントを、茨城県も大いに活用すべきです。
 まず、オリンピックの開催会場を誘致できないだろうか。特にサッカーは、東京以外に札幌、宮城、埼玉などのスタジアムが競技会場として想定されています。震災の被害地として、東京に近い会場としては、“カシマサッカースタジアム”の方が、むしろ開催にふさわしいのではないでしょうか?
 首都圏の第3空港としての“茨城空港”の役割も重くなります。都心への交通アクセスの更なる改善や現在でも手狭となっている駐車場の拡充、そして何よりも航空各社の就航便の拡大を図りたいと思います。
 オリンピック・7年後開催という明確な目標ができたため、若いアスリートの育成が重要です。現在は競技実績がゼロに近い選手ジュニアの選手、たとえば小学生であっても、才能に恵まれ7年間にわたり濃密なトレーニングを行えば、世界レベルに達することはできる。そうした存在が飛び出してくることが本当に楽しみです。埼玉県では、“ジュニアアスリート「彩の国プラチナキッズ」発掘育成事業”をスタートさせ、金の卵の発掘と育成に力を入れています。茨城県もジュニアアスリートの育成に力を入れるべきです。