健康調査の対象拡大、福島県内の18歳以下の医療無料化などを要請
9月26日、公明党の井上義久幹事長は、復興庁に根本匠復興相を訪ね、「子ども・被災者支援法」の基本方針策定に関する申し入れを行いました。
公明党から、東日本大震災復興加速化プロジェクトチームの石田祝稔座長、福島復興支援会議の高木美智代副座長が同行し、復興庁から浜田昌良副大臣(参院議員、公明党)が出席しました。
「子ども・被災者支援法」は、東京電力福島第1原発事故の被災者を総合的に支援するのが目的。政府が先月末に示した基本方針案では、福島県内の避難指示区域を除く浜通りと中通りの33市町村を「支援対象地域」として、子どもの就学援助や住宅・医療支援などを行うとしている。33市町村以外で支援が必要な地域については「準支援対象地域」とし、個別の施策ごとに指定する方針です。
席上、井上幹事長は、居住・移動・帰還の支援や内部被ばくへの留意といった子ども・被災者支援法の基本理念を十分に踏まえて、基本方針を策定するよう要請。現在示されている政府案に具体的な記載がない、福島県における18歳以下の子ども医療費無料化に関しては、県民の強い要望を踏まえて関係省庁の連携を密に対応する必要があるとしました。
自主避難者の住宅確保では、政府案で定めた2015年3月以降も支援を継続するとともに、今後行われる公営住宅への入居対象には、昨年末に支援が打ち切られた新規自主避難者も含めるべきだと指摘しました。
このほか、原発の健康影響調査の対象をできる限り広く認めるよう提案。たまたま原発事故発生時に“里帰り出産”などで福島に来ていたために住民票を持たない人への対応や、調査結果の情報提供も丁寧に行ってほしいと求めました。基本方針策定後に関しては、被災者の置かれた状況の変化に応じて適時見直しを行い、当事者の意見が反映されるような工夫が必要と主張しました。
9月26日、公明党の井上義久幹事長は、復興庁に根本匠復興相を訪ね、「子ども・被災者支援法」の基本方針策定に関する申し入れを行いました。
公明党から、東日本大震災復興加速化プロジェクトチームの石田祝稔座長、福島復興支援会議の高木美智代副座長が同行し、復興庁から浜田昌良副大臣(参院議員、公明党)が出席しました。
「子ども・被災者支援法」は、東京電力福島第1原発事故の被災者を総合的に支援するのが目的。政府が先月末に示した基本方針案では、福島県内の避難指示区域を除く浜通りと中通りの33市町村を「支援対象地域」として、子どもの就学援助や住宅・医療支援などを行うとしている。33市町村以外で支援が必要な地域については「準支援対象地域」とし、個別の施策ごとに指定する方針です。
席上、井上幹事長は、居住・移動・帰還の支援や内部被ばくへの留意といった子ども・被災者支援法の基本理念を十分に踏まえて、基本方針を策定するよう要請。現在示されている政府案に具体的な記載がない、福島県における18歳以下の子ども医療費無料化に関しては、県民の強い要望を踏まえて関係省庁の連携を密に対応する必要があるとしました。
自主避難者の住宅確保では、政府案で定めた2015年3月以降も支援を継続するとともに、今後行われる公営住宅への入居対象には、昨年末に支援が打ち切られた新規自主避難者も含めるべきだと指摘しました。
このほか、原発の健康影響調査の対象をできる限り広く認めるよう提案。たまたま原発事故発生時に“里帰り出産”などで福島に来ていたために住民票を持たない人への対応や、調査結果の情報提供も丁寧に行ってほしいと求めました。基本方針策定後に関しては、被災者の置かれた状況の変化に応じて適時見直しを行い、当事者の意見が反映されるような工夫が必要と主張しました。
茨城県内での「子ども・被災者支援法」をめぐる動きをみてみると、2012年9月県議会で、県民からの請願を採択し、11月に県知事から国に対して「支援法」の活用を要望しています。2013年に入ってからは、取手市議会や守谷市議会、つくば市議会、土浦市議会などが復興庁へ意見書を提出しています。そして、2013年2月末には茨城県市長会、茨城県町村会が要望を行っています。
一方、子ども・被災者生活支援法で、支援対象地域を福島県内に限定する基本方針案を示した復興庁に対し、対象から外れた千葉、茨城、栃木3県の13市が、パブリックコメントに批判の意見書を寄せています。こうした自治体の対応は異例で、対象範囲を福島県に限定したことへの不公平感があります。
昨年6月成立した被災者支援法は年間累積放射線量が一定基準以上の地域を支援対象とし、必要な支援策を盛り込んだ基本方針を定めると規定。これに対し、復興庁の方針案は、線量基準を設けないまま福島県東半分の33市町村を支援対象地域としただけで、原案で示された福島県の西半分や近隣県を含む「準支援対象地域」の範囲や支援内容は明確になっていません。
反対の意見を寄せたのは、千葉県の野田市、柏市、鎌ケ谷市、松戸市、白井市、流山市、佐倉市、我孫子市、印西市、茨城県の取手市、守谷市、常総市、栃木県の那須塩原市の13市です。
この13市の意見書は、いずれも子どもや妊婦の健康支援を重視するよう求め、除染の法律と支援法の「ダブルスタンダード」には批判的な立場をとっています。
一方、子ども・被災者生活支援法で、支援対象地域を福島県内に限定する基本方針案を示した復興庁に対し、対象から外れた千葉、茨城、栃木3県の13市が、パブリックコメントに批判の意見書を寄せています。こうした自治体の対応は異例で、対象範囲を福島県に限定したことへの不公平感があります。
昨年6月成立した被災者支援法は年間累積放射線量が一定基準以上の地域を支援対象とし、必要な支援策を盛り込んだ基本方針を定めると規定。これに対し、復興庁の方針案は、線量基準を設けないまま福島県東半分の33市町村を支援対象地域としただけで、原案で示された福島県の西半分や近隣県を含む「準支援対象地域」の範囲や支援内容は明確になっていません。
反対の意見を寄せたのは、千葉県の野田市、柏市、鎌ケ谷市、松戸市、白井市、流山市、佐倉市、我孫子市、印西市、茨城県の取手市、守谷市、常総市、栃木県の那須塩原市の13市です。
この13市の意見書は、いずれも子どもや妊婦の健康支援を重視するよう求め、除染の法律と支援法の「ダブルスタンダード」には批判的な立場をとっています。
「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」のパブリックコメント(守谷市)
被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針案において、「20ミリシーベルトを下回るが相当な線量が広がっていた地域においては、居住者等に特に強い健康不安が生じたと言え、地域の社会的・経済的一体性等も踏まえ、当該地域では、支援施策を網羅的に行うべきものと考えられる」と記載されている点、さらに法第1条において、「一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者(中略)並びにこれらの者に準ずる者」両者を「被災者」と定義している点からも、「支援対象地域」、「準支援対象地域」と分けるべきではないと考える。
また、法第1条に「当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」とあるように、将来を担う子どもたちへの目に見えない危険を軽減するために追加被ばく線量が年間1ミリシーベルトを超える市町村は、汚染状況重点調査地域の指定を受けた上で、放射能汚染対策を進めてきた。汚染状況重点調査地域と支援対象地域が異なることは、国が進めてきた放射能汚染対策の一定の基準を根底から崩すことになるのではないかと考える。
汚染状況重点調査地域の指定を受けた市町村では、子どもの健康に及ぼす危険が危惧されており、放射能汚染対策を進めてきた自治体としては、「支援対象地域」として、特に法第13条「放射線による健康への影響に関する調査、医療の提供等」の支援をいただきたい。
被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針案において、「20ミリシーベルトを下回るが相当な線量が広がっていた地域においては、居住者等に特に強い健康不安が生じたと言え、地域の社会的・経済的一体性等も踏まえ、当該地域では、支援施策を網羅的に行うべきものと考えられる」と記載されている点、さらに法第1条において、「一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者(中略)並びにこれらの者に準ずる者」両者を「被災者」と定義している点からも、「支援対象地域」、「準支援対象地域」と分けるべきではないと考える。
また、法第1条に「当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」とあるように、将来を担う子どもたちへの目に見えない危険を軽減するために追加被ばく線量が年間1ミリシーベルトを超える市町村は、汚染状況重点調査地域の指定を受けた上で、放射能汚染対策を進めてきた。汚染状況重点調査地域と支援対象地域が異なることは、国が進めてきた放射能汚染対策の一定の基準を根底から崩すことになるのではないかと考える。
汚染状況重点調査地域の指定を受けた市町村では、子どもの健康に及ぼす危険が危惧されており、放射能汚染対策を進めてきた自治体としては、「支援対象地域」として、特に法第13条「放射線による健康への影響に関する調査、医療の提供等」の支援をいただきたい。