真庭市役所 岡山県真庭市は本年(2013年)8月1日から、市内の中学2年生と3年生を対象に、胃がんなどを招くとされるピロリ菌の無料検査を開始しました。真庭市では2011年度から、40歳以上へのピロリ菌検査の費用を助成しており、成人と同量の除菌治療薬を服用できる中学生の検査を無料化することで、胃がんの早期予防につなげたい考えです。
 中学生を対象にしたピロリ菌の無料検査は全国初となります。
 昨年、市がピロリ菌をテーマにした公開講座を開いたところ、市民から若年層を対象とした無料検査を求める声が上がり、市の今年度予算に事業費として約58万円を計上しました。
 無料検査の対象は約400人。ピロリ菌の抗体の有無を調べる尿検査を行い、感染が疑われた場合に「尿素呼気試験」を実施し、最終的な菌の有無を確定。そこで陽性反応が出れば、医師と除菌治療について話し合うという仕組みです。
 尿検査以外は有料ですが、市の補助により、尿素呼気試験は1回500円、除菌治療薬は1000円と、自己負担は大きく軽減されます。
 真庭市では9月30日まで、市医師会や倉敷市の川崎医科大と連携し、真庭市内の11の協力医療機関で無料検査を行っています。
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 「胃がん撲滅計画」を提唱する北海道大学の浅香教授らの研究によると、ピロリ菌保菌者で30歳代までに除菌した人は、ほぼ100%胃がんにならず、40歳代では男性93%女性98%、50歳代では男性76%女性92%、60歳代では男性50%女性84%が予防できました(男女の差は、喫煙・アルコール摂取などの差と考えられる)。
 高齢になるほど予防率が低くなるのは、萎縮性胃炎の程度まで進行している人が多いためと考えられます。
 出来るだけ早い年齢でのピロ菌除菌が胃がん防止に効果的です。
(写真上:岡山県真庭市役所、写真下:潮出版社から浅香教授と秋野参院議員の共著の『胃がんは「ピロリ菌除菌」でなくせる』(10月4日出版予定)の表紙帯から)