
乳がんの死亡率の上昇傾向に一定の歯止めがかかったと評価すべきです。
日本で、乳がんが増加したのは、脂肪の多い欧米のような食生活が原因とされ、年間で1万2000人以上の女性が死亡しています。
人口動態調査によると、乳がんの10万人当たりの死亡率は1950年に3.3人でしたが、その後は上昇をし続け、1995年には10人を超えました。2011年に過去最高の19.7人になりましたが、2012年には19.4人で、0.3ポイント減少しました。
その要因の一つとして、検診に使われるマンモグラフィー(乳房X線撮影)の普及が挙げられます。触診などと比べると、非常に早期ながんとされる「非浸潤性乳管がん」を発見するケースが増えています。
乳がんは早期なら比較的治りやすいがんの一つとされていて、他のがんと同様に早期発見が有効です。そのためにも、がん検診を受診することが何より重要です。
ところが、日本人の乳がん検診受診率は、欧米の7〜8割に比べると2割程度と極端に低いのが大きな課題となっています。これでは早期発見で救える命も救えません。
一方、日本人の2人に1人はがんになる時代です。超高齢社会を迎え、大幅な増加が予想される医療費を抑制する観点からも、その対策は急務となっています。
公明党は検診受診率アップをめざし、乳がん検診などの「無料クーポン」を推進し、2009年度から一定年齢の女性を対象に配布するようになりました。
乳がん検診は40〜60歳まで、子宮頸がんが20〜40歳まで、それぞれ5歳刻みの年齢に達した女性を対象に実施されるようになりました。
その結果、厚労省の調査(2010年)によると、乳がん検診受診率は31.4%に改善され、45〜49歳は5割近くまで上昇しました。無料クーポンは受診率向上に寄与したと専門家からも高く評価されています。
ただ、検診を実施する自治体の現場ではマンモグラフィーの普及に伴い、検診に当たる専門医師や技師の不足など多くの課題を抱えている実態もあります。マンパワー不足解消を急がなくてはなりません。
政府は「がん対策推進基本計画」で、検診受診率の50%以上を目標に掲げている。乳がんの死亡率減少という萌芽を大切に、自治体との連携を強化し、検診受診率向上につなげていくべきです。
がん無料クーポン 検診機会の縮小再考を
こうした良い結果が出ているにもかかわらず、厚生労働省は無料クーポンの対象年齢を来年度から絞り込み、事業を縮小しようとしています。対象を子宮頸がんは20歳、乳がんで40歳のみに限定しようとしています。
対象を絞ると受診率の低下が心配です。国が予算を縮小すれば、財政の厳しい市区町村は事業継続が難しくなります。
厚労省はなぜ、クーポン事業を縮小するのか?全く理解できません。
日本対がん協会の調査では、導入当初の09年度に検診を受けた人は、前年度と比べ乳がんで23%、子宮頸がんで15%増えたが、その後はともに減少。担当者の4割以上が「クーポンの効果は頭打ちの印象がある」と答えています。頭打ちとはいえ、受診率の向上を下支えしているのがクーポン券事業なのです。そこを忘れてはいけません。そして、受診率が十分に伸びないなら、受診率を上昇させる新たな制度を導入すべきではないだろうか。
受診率向上へ新たな勧奨制度加えよ
例えば、コール・リコール(個別受診勧奨)制度の導入です。無料クーポンなどで検診案内した人が受診しない場合、手紙や電話などで、あらためて踏み込んだ案内をする仕組みです。効果は絶大です。イギリスでは、この制度を導入して40%だった受診率が80%を上回わりました。
がんの予防には早期発見が不可欠です。無料クーポンの効果に加え、新たな対策導入を真剣に考えるべきです。
ただ、検診を実施する自治体の現場ではマンモグラフィーの普及に伴い、検診に当たる専門医師や技師の不足など多くの課題を抱えている実態もあります。マンパワー不足解消を急がなくてはなりません。
政府は「がん対策推進基本計画」で、検診受診率の50%以上を目標に掲げている。乳がんの死亡率減少という萌芽を大切に、自治体との連携を強化し、検診受診率向上につなげていくべきです。
がん無料クーポン 検診機会の縮小再考を
こうした良い結果が出ているにもかかわらず、厚生労働省は無料クーポンの対象年齢を来年度から絞り込み、事業を縮小しようとしています。対象を子宮頸がんは20歳、乳がんで40歳のみに限定しようとしています。
対象を絞ると受診率の低下が心配です。国が予算を縮小すれば、財政の厳しい市区町村は事業継続が難しくなります。
厚労省はなぜ、クーポン事業を縮小するのか?全く理解できません。
日本対がん協会の調査では、導入当初の09年度に検診を受けた人は、前年度と比べ乳がんで23%、子宮頸がんで15%増えたが、その後はともに減少。担当者の4割以上が「クーポンの効果は頭打ちの印象がある」と答えています。頭打ちとはいえ、受診率の向上を下支えしているのがクーポン券事業なのです。そこを忘れてはいけません。そして、受診率が十分に伸びないなら、受診率を上昇させる新たな制度を導入すべきではないだろうか。
受診率向上へ新たな勧奨制度加えよ
例えば、コール・リコール(個別受診勧奨)制度の導入です。無料クーポンなどで検診案内した人が受診しない場合、手紙や電話などで、あらためて踏み込んだ案内をする仕組みです。効果は絶大です。イギリスでは、この制度を導入して40%だった受診率が80%を上回わりました。
がんの予防には早期発見が不可欠です。無料クーポンの効果に加え、新たな対策導入を真剣に考えるべきです。