131017image 先日、国民年金を支払うことができないというアルバイトで生計を立てる青年と意見交換をしました。青年は「どうせ、僕らが年金をもらう年代になる頃は、年金制度自体が破綻してしまうだろう。民主党政権では日本の年金は10年も持たないと、言っていたじゃないですか」と、話していました。私は「国は年金は100年安心の改革を断行しました。消費税を上げることで、この年金改革が完結します。また、国には“障害年金”という制度があって、これから長い人生にとって大変大事な制度です。事故や病気で障害を持って働けなくなったら、この“障害年金”がほんとうに大事になります。その意味でも国民年金の掛け金を払うことは大事です」と、説明しました。
 障害年金は、国民年金や厚生年金の加入者が、病気やけがによって日常生活や仕事ができなくなった場合などに受け取ることができる公的な年金制度です。条件が整えば、65歳にならなくても支給を受けることができます。
 全国民が対象の障害基礎年金と、厚生年金に加入する会社員に上乗せされる障害厚生年金の2種類があります。障害の原因となった病気やけがの初診日に加入していた制度で決まり、厚生年金の加入者でも初診日が就職前なら支給は基礎年金のみとなります。
 障害基礎年金の対象となるのは、初診日時点で65歳未満の病気やけがによる障害の場合です。65歳以降は老齢基礎年金の支給対象となります。
 障害基礎年金の額は、物価や賃金の変動に応じて毎年見直されます。2013年10月分以降は以下の通りです。何級に該当するかは、原則、初診日の1年半後以降の障害認定日の状態で決まります。なお、この障害年金の等級と障がい者認定の等級とは別のものですから、注意が必要です。
 障害厚生年金の金額は給与や在職期間などで決まるりますが、基礎年金がない3級のみ最低保障額(現在は58万3900円)があります。
 障害年金を受給するには、初診日の前日時点で、国民年金の保険料が納付すべき期間の3分の2以上が納付済みの必要があります。もちろん、厚生年金のか加入期間も加算されます。国民年金の支払いが、先の青年のように経済的に厳しい場合は、免除の手続きを取ればその期間も納付済みとして扱われます。納付が3分の2未満でも、直近1年で未納がなければ受給できる特例もあります。
 先天性の病気や20歳未満で発症したり事故にあった場合は、所得制限はありますが、20歳から障害基礎年金を受給できます。
 診断書や初診日を証明できるものを添えた上で、本人や家族が申請手続きを行います。障害年金は、申請主義ですので、本人側から書類を用意して届け出をしなければなりません。
 この制度は、その仕組があまり良く知られていません。厚生労働省が2011年11月〜12年2月に障害年金未受給の障害者約300人を対象に行った調査では、受給していない理由について、「制度を知らなかった」ひとが19%もいました。また自分は「該当しないと思った」と回答した人も13%ありました。
 申請にあたっては、初診日の証明が難しい時もあります。障害認定日時点で条件を満たしていなくても、障害の状態が重くなった時に、再度申請すれば受給できることもあります。支給要件を満たすかどうかの見極めは、当事者には困難です。
 お近くの公明党議員や病院や施設のソーシャルマネージャー、ケアマネージャーなどに一度相談してみてください。日本年金機構の“ねんきんダイヤル”などでの相談を受け付けています。
 ご相談を頂いた青年も苦しい家計をやりくりして、国民年金の保険料を支払うと納得してくれました。
障害基礎年金の金額(年額)
【1級】778,500円×1.25+子の加算
【2級】778,500円+子の加算
子の加算の内訳
第1子・第2子:各224,000円
第3子以降:各74,600円
例:障害年金1級で18歳未満の子どもが2人いる場合
(778,500円×1.25)+(224,000円×2人)=1,421,125円(月額118,427円)

参考:日本年金機構の障害年金に関するHP
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