大型で強い台風26号は、伊豆大島で大規模な土砂災害を引き起こし、多大な犠牲者を出しました。いまだ、多数の人が行方不明となっており、懸命の捜索活動が続いています。被害に遭われた皆さまに、心からお見舞い申し上げると共に、亡くなられた方に哀悼の意を捧げます。
台風が通過した15日、大島は記録的な降雨量となりました。気象庁は15日夕、大雨警報と土砂災害警戒情報を続けざまに出しましたが、今年8月から運用開始した「特別警報」は発表されませんでした。
「特別警報」は、最上級の警報として創設されたましたが、広域の大規模災害を想定しています。発表基準は「県程度の広がり」に加え、3時間雨量で基準値を超える観測点が10カ所以上にならなければ発表に至らりません。大島は東京都に属し、観測点は9カ所しかありません。つまり、現状の基準では離島である大島に「特別警報」が発せられることは絶対にないのです。
これは、大島だけでなく、島嶼部に共通の問題です。島嶼は周囲を海に囲まれているため、現行の運用方法では、局地的な気象に対して「特別警報」を適用しにくい構造的な問題点をはらんでいます。今後、しっかり検証した上で、運用を改める必要があります。
「特別警報」の発表の仕組みが他の警報と異なることや、「特別警報」についての周知徹底の不足から、自治体や住民に混乱が生じていることも解決しなければなりません。
近畿地方で大きな被害を出した先月の台風18号の際、「特別警報」が発表されても一部の自治体が周知しませんでした。気象庁は原因を調査中だが、自治体と十分に協議を重ねて改善の余地はないか、検討しなくてはなりません。
大島町が、避難指示や勧告の発令を見送ったことも明らかになっています。
気象庁は土石流が発生する30分ほど前に記録的短時間大雨情報を発表しましたが、大島町は深夜の暗闇の中での避難は二次災害の危険があると判断し、発令を出しませんでした。
難しい判断ですが、深刻な事態に陥る前に避難誘導する方法はなかったのか。警戒情報の対象外だった伊豆諸島の神津島村は独自の基準と判断で、深夜に勧告を出し、被害者は出ませんでした。
茨城県内でも、この大島の事例は“他山の石”にしてはなりません。同じく台風26号では、茨城県内でも292カ所で土砂崩れが発生し、その内145カ所が行方市内で発生しました。行方市の16日午後6時までの24時間雨量は363ミリで、記録的な雨量でした。しかし、行方市では避難勧告の発表は行われませんでした。
気象庁も、予想の段階から自治体に対し、危機意識を共有するための協議や支援を丁寧に進める必要があります。 ここ数年、台風の大型化や集中豪雨など極端で局地的な気象の発生が増えています。今後も増加が見込まれています。災害が多発する地域以外でも、ハード・ソフトの両面から防災対策を強化する必要があります。自分の住む地域は、どのような災害が発生する可能性があるのか。住民一人一人の危機意識も一段と高めていきたいと思います。
大島町が、避難指示や勧告の発令を見送ったことも明らかになっています。
気象庁は土石流が発生する30分ほど前に記録的短時間大雨情報を発表しましたが、大島町は深夜の暗闇の中での避難は二次災害の危険があると判断し、発令を出しませんでした。
難しい判断ですが、深刻な事態に陥る前に避難誘導する方法はなかったのか。警戒情報の対象外だった伊豆諸島の神津島村は独自の基準と判断で、深夜に勧告を出し、被害者は出ませんでした。
茨城県内でも、この大島の事例は“他山の石”にしてはなりません。同じく台風26号では、茨城県内でも292カ所で土砂崩れが発生し、その内145カ所が行方市内で発生しました。行方市の16日午後6時までの24時間雨量は363ミリで、記録的な雨量でした。しかし、行方市では避難勧告の発表は行われませんでした。
気象庁も、予想の段階から自治体に対し、危機意識を共有するための協議や支援を丁寧に進める必要があります。 ここ数年、台風の大型化や集中豪雨など極端で局地的な気象の発生が増えています。今後も増加が見込まれています。災害が多発する地域以外でも、ハード・ソフトの両面から防災対策を強化する必要があります。自分の住む地域は、どのような災害が発生する可能性があるのか。住民一人一人の危機意識も一段と高めていきたいと思います。