131112youbou 11月12日、日立市議会公明党(代表:助川吉洋、舘野清道、薄井五月、添田絹代、三代勝也各市議会議員)は、吉成明日立市長に対して、平成26年度の予算編成に対する要望書を提出しました。
 要望書では、東日本大震災より2年8ヶ月が経過し、市民生活はほぼ震災前の生活を取り戻してきているが、同時に発生した東京電力福島第1原子力発電所の爆発事故は、今もなお市民の健康被害への不安、農漁業への風評被害など、市民の生活と経済活動に大きな影響を及ぼしていると指摘。震災復興計画により市民生活の安全・安心の拠点施設となる新庁舎建設、震災復興のシンボルとなる新中央体育館建設などの事業が着々と進められていると評価しています。
 その上で、人口減少や超高齢社会対策、少子化対策等、市民の安全・安心を守るには様々な課題が山積しているとし、(1)「健やかで安心して暮らせるまち」づくりのために、市民の健康・医療体制の充実や、障がい者対策、(2)「人と文化をつくるまち」づくりのために、教育の環境整備、文化施策の充実、(3)「活力ある産業のまち」づくりのために、交流人口拡大のための魅力あふれた観光施策、(4)「都市機能が充実したまち」づくりのために、継続した幹線道路網の整備、市民の足となる公共交通事業の推進、(5)「安全で環境にやさしいまち」づくりのために、通学路の計画的整備、防犯防災対策、(6)「みんなで築くまち」づくりのために、消費生活相談体制の充実や市民活動団体の支援等、重点的に取り組むことを望んでいます。具体的には、平成26年度の予算編成にあたり48項目の要望事項を上げています。
1.「健やかで安心して暮らせるまち」づくりのために
  1. 市民の生命を守るために、引き続き医師の確保に取り組まれたい。特に、周産期母子医療センターならびに婦人科の早期再開に努力されたい。
  2. 適切な一次・二次・三次医療体制を確保するために、かかりつけ医制度の普及に努められたい。
  3. 少子化対策の一環として、小児医療福祉費制度の受給対象年齢を、小学校6年生まで拡大されたい。
  4. 乳がん・子宮頸がん検診については、無料クーポン券により受診率が向上していることから、来年度も継続実施されたい。
  5. 高齢化が急速に進むなか、高齢者や終末期患者が自宅で安心して生活できる在宅医療の需要が高まりつつあることから、「在宅医療・訪問看護」体制の充実を図られたい。
  6. 周囲から気づかれずに亡くなる「孤立死」が全国で相次いでいることから、日頃から住民と接する機会の多い事業者と協定を結び、高齢者見守りネットワーク体制を充実されたい。
  7. 日立市社会福祉協議会で行われている「日常生活自立支援事業」を推進されたい。さらに、「市民後見人養成講座」を実施し、研修履修生の登録を図られたい。
  8. 市民の心の自己診断ツールとして、パソコンから簡単な質問に答えることで自分自身や家族のストレス度・落ち込み度をチェックできる「心の体温計」を導入されたい。
  9. 障がい者が自立して生活できる、就労継続支援A型施設の誘致・拡充に取り組まれたい。
  10. 知的障がい者の雇用を推進するために、日立市が一事業所として職員(非常勤職員)採用することを検討されたい。
  11. 今後、整備の拡充が必要とされる公設児童クラブにおける指導員確保策として、子育ての経験があり、比較的時間にゆとりのあるシニア層の確保を検討されたい。
  12. ニートなど若者の就労を支援する「地域若者サポートステーション(サポステ)」について、厚生労働省の拡充方針に伴い、NPOや企業など受託事業者の誘致促進を図られたい。
  13. 日立市十王総合健康福祉センターの管理運営体制については、複合施設であることから指定管理者制度の導入等、適切な体制を早急に検討されたい。

2.「人と文化をつくるまち」づくりのために
  1. いじめ対策については、本年9月に施行された「いじめ防止対策推進法」に基づく国の基本方針に沿って、学校における「学校いじめ防止基本方針」の策定、それに基づくいじめ対策の具体的な年間計画の作成・実行・検証・修正を行う中核組織の常設設置、さらに条例等による「地方いじめ防止基本方針」の策定を進められたい。
  2. 発達障がいのある子どもへの支援策として、乳幼児期から就労支援まで一貫したサービスが提供できるよう、各関係機関との連携を強化し、こども発達相談センターの体制の見直し・強化を検討されたい。
  3. 小中学校校舎の耐震化については、前倒しを含め計画通り整備が進められるよう、予算の確実な確保と万全の体制で取り組まれたい。合わせて、体育館等の非構造部材の耐震化を積極的に進められたい。
  4. 小中学校のトイレ洋式化は、改築した学校については整備率100%であるが、10%〜30%の学校もあることから、洋式化を推進されたい。
  5. 平成14年3月の学校保健法の改正により施行義務の無くなった学校での色覚検査については、進学・就職時に支障とならないよう、保護者の同意を得て実施されたい。
  6. 本市の未来を担う青少年健全育成については、青少年の意識の変化や社会の変遷に伴う育成団体並びに地域の変化を見極めつつ、本市の方向性を示す「日立市青少年健全育成推進計画」を早期に策定されたい。
  7. 本市の芸術文化振興のために、心豊かなまちづくりの基本となる「日立市芸術文化振興基本条例」を早期に策定されたい。
  8. 2019年に茨城県で国体が開催されることから、計画的に小・中学生の選手の発掘・育成・強化を図られたい。

3.「活力ある産業のまち」づくりのために
  1. 観光振興による交流人口拡大のために、「観光物産協会」の自立化を早急に実現し、民間プロモーションマネージャーを採用する等、体制強化を図られたい。
  2. 観光振興のために、市内観光の魅力やイベント等を動画で紹介する「日立へ行こう」(仮称)をホームページで配信されたい。
  3. 日立市地域ブランドの推進にあたっては、商品のパッケージや買い求めやすい数量等を把握するために消費者モニター制度を導入し、改善・工夫を図られたい。また、ブランド品を販売している日立駅情報交流プラザのPRに努められたい。
  4. かみね動物園については、「太平洋が見えるどうぶつえん」のイメージを前面に掲げてのPRをさらに展開されたい。また、ホームページに動物とのふれあい動画をアップする等、魅力づくりに引き続き取り組まれたい。
  5. 「奥日立きららの里」については、新たな魅力となるオートキャンプ場の計画を進めるとともに、日立滑川温泉水を活用した温泉施設の整備を検討されたい。
  6. 河原子海岸については、新たに南浜海水浴場の整備を進められたい。また、北浜海水浴場のエリア拡大を検討し集客増を図られたい。
  7. 「鵜来来の湯十王」の施設運営については、利用料金・開館時間、平日の集客増のための団体割引・バス送迎等、具体的に検討されたい。
  8. 今後の高齢者スポーツを推進していく観点から、かみね市民プールの高齢者割引料金制度を設定されたい。

4.「都市機能が充実したまち」づくりのために
  1. 国道6号日立バイパスの延伸並びに国道6号大和田拡幅や現国道6号の拡幅事業については、着実に事業が推進されるよう、国県等へ強く要望されたい。また、国道245号の4車線化についても早期完成に向けて強力に要請されたい。
  2. 県道日立いわき線砂沢バイパスについては、残りの区間の早期完成、鮎川停車場線については、6号バイパスの整備に先行した早期着工・完成を県に強く要請されたい。
  3. 災害時の避難道路ならびに住民生活の利便性を高めるために、山側各団地から幹線道路に接続する新規道路建設を検討されたい。
  4. 新交通(BRT)導入事業の第2期計画区間については、常陸多賀駅東口まで計画通り平成27年度に運行開始できるよう進められたい。また、旧鮎川駅から日立駅間の延長構想の具体化を検討されたい。
  5. 集中豪雨による被害が多い茂宮川については、早期に石名坂地域の河川拡幅に取り組まれたい。また、大川については、早急に可能性のある対応策を検討されたい。大沼川についても引き続き関係機関と連携した河川改修を推進されたい。
  6. 道路や公園の草刈など維持管理については、住民パワーの活用を検討されたい。そのために、各コミュニティ単位にボランティア活動の協力を呼びかける等、検討されたい。
  7. 市外から訪れる方に、市内の主要公共施設や観光施設をわかりやすく誘導できるサインの見直しをされたい。また、市内全域の案内板を市内各所に設置することを検討されたい。

5.「安全で環境にやさしいまち」づくりのために
  1. 本市においても増え続けている空き家については、保存状況等を含めた実態調査を行い、データベース化を図られたい。さらに、老朽化した危険空き家に対する具体的対策を進めるとともに、住環境が良好な空き家については、入居希望者に情報を提供する「空き家バンク」制度を検討されたい。
  2. 通学路の安全点検・整備については、計画的に推進されたい。また、国県との協議が必要な危険個所についても、積極的に協議を進め、早期の対応に取り組まれたい。
  3. 道路保安灯、道路照明灯の「リース方式によるLED化」については経費削減のメリットが実証されつつある。早期導入に向けて「LED化検討委員会」を設置し、検討を進められたい。
  4. 防犯カメラの設置については、市民の安全・安心のために、小木津駅に引き続き、市内4駅周辺に計画的に設置されたい。
  5. 地域における犯罪抑止のため、JR小木津駅前への交番移設を引き続き県に要請されたい。
  6. 公共施設におけるAEDについては、現在施設内に設置管理されているが、施設が施錠されている休日・夜間の施設利用時にも使用できるよう、設置場所を再検討されたい。
  7. 自主防災対応の向上を図るため、県主催の「いばらき防災大学」の受講者を募り、受講後に実施される日本防災士機構が認定する防災士の資格を市民が取得しやすいよう、支援を検討されたい。
  8. 再生資源回収システムの立ち当番制については、実証実験の結果をふまえ、高齢者や障がい者世帯等の回収については、戸別回収等の新たなシステムを導入されたい。

6.「みんなで築くまち」づくりのために
  1. 「消費生活センター」が利便性の高い日立シビックセンターに移転されることに伴い、移転の周知徹底を図るとともに、さらなる相談体制の充実に取り組まれたい。さらに、今もなお「おれおれ、振込め、送り付け詐欺」等の被害が相次いでいることから、出前講座や警察との連携による予防策に取り組まれたい。
  2. 「茨城キリスト教大学」「茨城大学」「常磐大学」との連携協力に関する協定書に基づき、市政課題に対するワーキングチームに学生の参加や各大学に職員を講師派遣する等、具体的な活動の展開を検討されたい。
  3. 市民協働のまちづくりを推進するボランティア団体やNPO法人を支援するために、県からのNPO設立認証等事務の権限委譲を早急に進め、活動の拠点となる支援センターの設置を検討し、支援体制を拡充されたい。
  4. 多賀市民プラザの市営駐車場については、市民プラザ利用者の負担が過度にならないよう最大料金制度の導入等、料金体系の見直しをされたい。ハード面では、出口ゲートを2か所にする等、利用者にとって利便性の高い駐車場に改善されたい。また、防犯対策面から広場に照明灯を設置されたい。