
11月15日、井手よしひろ県議ら県議会防災環境商工委員会は、土浦市の霞ケ浦を訪れ、この9月に完成した「霞ケ浦直接浄化実証施設」を現地調査しました。
この装置は茨城県森林湖沼環境税を活用しながら、アオコなどの植物プランクトンの栄養源で水質を悪化させる原因物質の一つである「りん」を霞ケ浦の湖水から直接除去する装置です。茨城県は、夏場にアオコの被害が発生しやすい、土浦駅にほど近い「土浦港」に設置することで、多くの土浦市民や観光客に水質の改善状況を実感していただきながら、対策の効果などを検証していくことにしています。

この装置は2億5000万円をかけて日立製作所が建設しました。霞ケ浦の原水に無機凝集剤と磁気を帯びた金属粉(磁性粉)を添加し、リンなどを含む水中の汚れを集めた微小な塊(マイクロフロック)を作成し、さらに、高分子凝集剤を添加することによって塊を成長させます。この塊は、磁気を持った鉄の粉を含んでいるために磁石に吸着されます。湖水の汚れと共を、磁石で水中から回収除去することができます。この処理方法は沈殿池が不要なため、処理時間が短く施設をコンパクトにすることができます。土浦港のような狭い場所に設置し、効率的な運転が可能です。ただし、ランニングコストが割高で、今年9月から来年の3月までの稼働コストは6600万円掛かるとされています。
この装置は本領を発揮するのは夏のアオコのシーズンです。来年の夏、アオコの発生抑制にどのような効果を発揮するか、大きな期待が寄せられています。