国民大衆の要望を担い、ネットワークの力に磨き
131117komei 11月16日、公明党は第37回全国県代表協議会を開催し、明年11月17日の結党50周年に向け、「議員力」アップや公明新聞の拡大など「取り組みの4つの柱」を確認、勇躍出発しました。山口那津男代表は、「一人一人があらためて立党の原点を確認するとともに、時代の激しい変化に対応しつつ、国民大衆の要望、期待を担って立つ決意で発展・飛躍していくことを誓い合おう」と訴えました。さらに、国政を担う連立与党として、政策課題に対して説明責任を尽くしながら国民理解を得ていく合意形成に役割を果たし、「国民の期待に一層応えるため、公明党のネットワークの力をさらに磨いて『国民目線』からの政策実現を果たしていく」と力説しました。
 山口代表は、公明党が明年に結党50周年を迎える意義に触れ、「激動の日本政治史の中で、結党時に掲げた『大衆福祉』『日本の柱』を担う“要の党”として重要な役割を果たしてきた」と力説。「これはひとえに『大衆とともに』の立党精神を胸に団結して闘う公明党議員の奮闘と、公明党に期待し信頼を寄せてくださっている党員、支持者の皆さまのご支援があったればこそだ」と強調しました。
 その上で、公明党には「ネットワークの力」や「政策力」「合意形成力」があるとして、「こうした力の発揮こそが本来、政党が果たすべき役割であり、政党が国民からの信頼を勝ち取るために欠かせないものだ」と語り、国政のかじ取りを担う連立与党として政策実現に尽力すると訴えました。
 また、連立政権の最優先課題の「経済再生」に関しては、公明党の提案で実現した「政労使会議」で、経済界から賃上げに前向きな考えが相次いで表明されていることに触れ、「この流れをより確かなものとするため、賃金上昇、雇用改善に向けた取り組みを強化していく」と述べました。
 「震災復興の加速化」では、道半ばの住宅・生活再建へ「引き続き、被災地に寄り添い、きめ細かな支援に取り組む」と力説。東京電力福島第1原発事故をめぐる汚染水問題や除染対策について、「政府、東電、その他国内外の関係者が能力や資源を結集し、総力戦で臨む必要がある」と強調しました。
軽減税率、年末に方向性を
 当面する政治課題では、2015年10月予定の消費税率10%への引き上げ段階での軽減税率導入について、「今年末の税制改正作業で、少なくとも基本的な制度設計の方向性を打ち出さなければ、その後の準備が間に合わなくなる事態が生じかねない。先々のことを考慮しながら与党として責任ある対応をしなければならない」と訴えました。
 特定秘密保護法案については、公明党の強い主張で、報道機関などの取材活動は原則として罰則の対象外とされたと指摘するとともに、「安全保障に関する一定の秘密保護は認められるべきであり、引き続き幅広い合意をめざして努力し成立を図っていく」と述べました。
 政府がコメの生産調整(減反)を5年後をめどに廃止する方針を提示したことには、「農家の理解を十分に得ながら進めることが大前提」と主張。農業・農村の多面的機能の発揮や、食料安全保障の責務を国が果たす視点を貫くよう政府に強く求める考えを示しました。
明後年の統一地方選挙を断じて勝ち抜こう
 最後に、15年4月の統一地方選挙に関して、「地方議員の半数以上が改選を迎える大事な選挙であり、その間の統一外選挙も含めて断じて勝ち抜かなければならない」と強調。「議員力」のアップとさらなる党勢拡大を呼び掛けました。

山口代表の挨拶<要旨>

時代の変化に対応し、国民の要望、期待を担い立つ
131117yamaguchi 全国の都道府県本部の代表の皆さま、各地域で党勢拡大を進める日々の闘い、本当にありがとうございます。
 公明党が政権与党に復帰してから間もなく1年。この間、自公連立政権は経済再生と東日本大震災からの復興加速を最優先課題に掲げて取り組んできました。その結果、経済は回復軌道へと転じ、企業による賃上げの兆しが見え始めています。復興も予算枠拡大などで着実に前進してきました。
 しかし、課題はまだまだ山積しています。連立政権発足後、初めてとなる本格的な予算編成と税制改正作業を年末に控え、国会議員と地方議員との連携を密にしながら、現場の声が生きた公明党の政策を国政に反映させてまいりたい。
 本日の協議会は、明年の結党50周年に向けてスタートを切る重要な意義ある協議会です。昭和39年11月17日、公明党が国民大衆の要望、期待を担い真の国民政党として誕生してより49星霜―。この間、多くの政党が生まれては消えていった激動の日本政治史の中で、公明党は結党時に掲げた「大衆福祉」「日本の柱」を担う“要の党”として重要な役割を果たしてまいりました。
 これはひとえに、「大衆とともに」の立党精神を胸に団結して闘う公明党議員の奮闘と、公明党に期待し信頼を寄せてくださっている党員、支持者の皆さまのご支援があったればこそ、であります。
 結党50周年まで1年。私たち一人一人があらためて、立党の原点を確認するとともに、時代の激しい変化に対応しつつ、国民大衆の要望、期待を担って立つ! この決意で発展・飛躍していくことを共々に誓い合おうではありませんか。
実感できる景気回復、震災復興加速に総力
 さて、国政は自公両党が昨年末の衆院選に続いて今年7月の参院選にも勝利し、衆参の“ねじれ”が解消されました。これは「政治の安定」を求める民意の表れであると同時に、公明党が政権与党として果たしている役割への評価と期待が込められたものであります。
 公明党は、地方議員数でトップの座を占めています。国民の「小さな声」を受け止め、福祉や子育て、中小企業支援など身近な政策課題で多くの実績を残してきました。その公明党が自民党と連立を組むことで、連立政権は国民のニーズを幅広く受け止めて合意形成を図るとともに、より現実的で落ち着いた判断を下すことができる。公明党の存在によって、連立政権は「数」だけではなく「質」の面でも政治を安定させているとは多くの識者が指摘するところであります。
 政府と経済界、労働界の代表による「政労使」協議の実現はその端的な例です。わが党は地方や中小企業、家計が「実感できる景気回復」のために、企業の収益向上を賃金の上昇に結び付けるよう訴え、政府は「経済の好循環実現に向けた政労使会議」を設置。すでに3回の会合が重ねられ、経済界からは相次いで賃上げに前向きに取り組む考えが表明されています。この流れをより確かなものとするため、賃金上昇、雇用改善に向けた取り組みを強化してまいります。
 「震災復興の加速化」では、政権発足当初から復興庁による省庁横断的な取り組みや、復興予算の拡充などをわが党がリードし、被災地から「ようやく復興の歯車が回り始めた」との評価も聞こえるようになってきました。いまだ道半ばである住宅・生活再建について、「新しい希望の東北」をめざして与党が3月、7月に行ってきた復興加速化提言を政府の政策に反映するよう全力を挙げ、引き続き、被災者に寄り添い、きめ細かな支援に取り組んでまいります。
 また、汚染水や除染への対策では、与党第3次提言で強調したように、政府、東電、その他国内外の関係者が能力や資源を結集し、総力戦で臨む必要があります。福島の再生なくして、日本の再建はありません。福島の皆さまは、故郷を追われ、家族と離ればなれになりながら、今なお過酷な避難生活を余儀なくされています。一日も早く生活再建の見通しが立つよう、福島再生への取り組みを加速してまいります。
 東日本大震災の教訓を踏まえた防災・減災対策では、自公両党が提出した「南海トラフ巨大地震対策」「首都直下地震対策」の両特別措置法案が委員長提案で衆院を通過しました。併せて「防災・減災に資する国土強靭化基本法案」も、野党各党に協力を呼び掛け、今国会での早期成立をめざします。
 いずれにしても、公明党には、民意をつかむ「ネットワークの力」、そして民意を施策として具体化する「政策力」、その政策を与党はもちろん野党とも議論を闘わせ、説明責任を尽くしながら国民理解を得て実現していく「合意形成力」があります。こうした力の発揮こそが本来、政党が果たすべき役割であり、政党が国民からの信頼を勝ち取るために欠かせないものです。この自負を持って、国政のかじ取りを担う連立与党として、国民の期待に一層応えるため、公明党のネットワークの力をさらに磨いて「国民目線」からの政策実現を果たしてまいります。
年末の税制改正で軽減税率の方向性打ち出せ
 当面する政治課題について、3点申し上げたい。
 初めに、消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入です。税率10%段階での低所得者対策として、自公両党は軽減税率導入をめざすことで合意し、それに向けた協議を進めています。
 10%への引き上げ時期は2015年10月が予定され、最終的には政府が判断することになっていますが、今年末の税制改正作業で、少なくとも軽減税率の基本的な制度設計の方向性を打ち出さなければ、その後の準備が間に合わなくなる事態が生じかねません。
 先々のことを考慮しながら、与党として責任ある対応をしなければなりません。
 次に、特定秘密保護法案について、当初は「国民の知る権利や報道の自由が侵害されるかもしれない」などと懸念する声がありましたが、公明党の強い主張により、報道機関などによる取材活動は、原則として罰則の対象外であることが明確化されました。安全保障に関する一定の秘密保護は認められるべきであり、引き続き幅広い合意をめざして努力し成立を図ってまいります。
 3点目は、40年以上続いてきたコメの生産調整、いわゆる減反についてです。
 政府は農家の経営所得安定対策を見直す中で、5年後をめどに廃止する方針を提示しました。生産現場は今、今年度の収穫を終え、来年度の作付け準備に取り掛かる大切な時期にあります。混乱をもたらすことがあってはなりません。
 農業の再生、農村の活性化、農家の所得向上を推進するために、担い手に農地を集積するなどの農政改革は不可欠ですが、農家の皆さまの理解を十分に得ながら進めることが大前提です。
 その上で、国土や自然環境を保全する農業・農村の多面的機能を十分発揮させる視点、さらには、食料自給率を高め食料安全保障の責務を国が果たす視点をきちんと貫いていくよう政府に強く求めてまいります。
さらなる党勢拡大へ
 明後年の統一地方選挙を断じて勝ち抜こう
 少子高齢化、人口減少が進む中で、社会の活力をどう維持向上させていくかが問われる時代に入っています。
 そのカギを握るのが女性力と青年力です。公明党には約900人の女性議員が活躍しています。そして、国会議員51人中14人が青年委員会のメンバーであり、若々しい息吹を党内と国政に吹き込んでいます。女性議員と青年議員の力が存分に発揮されるよう、女性委員会と青年委員会の活動をさらに強化してまいりたい。
 結党50周年から“次の新たな時代”へ―。その初陣の戦いが、2015年4月の統一地方選挙です。党のネットワークを支える地方議員の半数以上が改選を迎える大事な選挙であり、その間の統一外選挙を含めて断じて勝ち抜かなければなりません。
 きょうよりは、全議員が目標を明確にして、徹して議員力のアップを図るとともに、さらなる党勢拡大を成し遂げて、明年の結党50周年を迎えようではありませんか!