茨城県のホームページ
 12月9日の茨城県議会総務企画委員会で、県は「いばらきを知ろう! 大キャンペーン」が広告換算額で約10億9000万円になったことを報告しました。これは、このキャンペーンにために投じた予算(2590万円)の40倍位以上の広告・宣伝効果があったことになりました。キャペーンの滑り出しとしては、大変素晴らしい結果であったと理解しています。
121311nameiba 民間のシンクタンクなどによる都道府県の魅力度ランキング、最下位に低迷している茨城県。魅力度が低い訳ではなく、実は、認知度が低いだけ。全国の皆さんに茨城の良い所を知ってもらおうとスタートしたのが「いばらきを知ろう! 大キャンペーン」です。
 茨城出身のよしもとのお笑い芸人、渡辺直美さんやピース・綾部祐二さんを応援隊長に起用し、「なめんなよ♡いばらき県」スローガンにネットやポスター、缶バッチなどを活用して一大キャンペーンを、この夏からスタートさせました。
 しかし、この「なめんなよ♡いばらき県」の刺激的なスローガンが、一部県議からの批判を受けました。10月17日の県議会総務企画委員会や文教警察委員会では、自民党のベテラン議員か厳しい意見が出されました。その一部を県議会の議事録から抜粋してみると。
 そのバッジには何と書いてあるんだか、ちょっと遠くから私、見えないんですけれども、かつて、私ぐらい、70歳近くの人間では、昔、特攻というのがありまして、憲兵というのがありまして、おい、こら、「なめんじゃねえぞ」、これなんですね。そういう印象があるんです。笑っている方もある人はちょっと無理だったのかもしれませんが、勝負してやろうじゃないかというか、おれは負けないぞと。やられたらやり返す。倍返しだというのがあるけど、やられなくとも、初めから「なめんじゃねえぞっ」て言うんじゃ、これはけんか腰と言わざるを得ないと思うんですね。
 そういう意味で、これをインパクトと称していいのかどうか。学校教育では、言葉遣いを気をつけましょうと言っているんですよね。教育上、ある議員が、これで茨城県は三流県になっちゃったと言うんです、こういうことを言っているようでは。私も、バッジをつけて、「なめんじゃねえぞ」という言葉は、文言として言いづらいですね。
 きょう、皆様方、「なめんなよいばらき県」のバッジをつけておられます。私、非常にこのキャッチフレーズに違和感を持ってございまして、「なめんなよ」という言葉を、私自身が、生まれてこの方使ったことがないというのが本心です。これは日本語なのかなと、国語として成り立つ言葉なのかなというふうにちょっと思いました。
 辞書を引けばよかったのですが、スマホでも何でもすぐ検索ができますので、「なめんなよ」と入れてみますと、昔はやったなめ猫というものとか、そんなものが出てくるだけで、決して国語の辞書には出てきません。
 それがいいとか悪いとかということを議論する場でないことは十分に理解をいたしておりますけれども、これができたきっかけは、恐らく、昨年の広島県のおしい!広島県というものだったと思うのです。これが自虐的なものであって、非常に全国民に受けて、観光客がふえたというようなことがあって、47位を逆手にとったというような御答弁をしておりましたけれども、果たしてこれで本当に観光PRになるのだろうかという疑問を持っております。

 こうした議員の道徳的、教育的な視点からの批判も重要ではあると思います。しかし、現在の日本社会はすでに、「なめんなよ♡いばらき県」とのスローガンを洒落として受け入れて、茨城の本気度を認めてくれる土壌が整っています。むしろ、厳しい地域間競争を勝ち抜くいばらきの強い姿勢を前向きに評価してくださったようです。議員の中でただ一人「なめんなよ♡いばらき県」の缶バッチをつけて、議場に臨んだ井手よしひろ県議にとっても溜飲の下がる思いです。

議会の反発を受け、皮肉にもテレビ・マスコミの報道が活発に
 「いばらきを知ろう! 大キャンペーン」は、皮肉なことに県議会での批判がきっかけとなり、10月中旬以降、テレビ、ラジオ、新聞、インターネットなどで合計46回取り上げられました。
 特に、テレビではめざましテレビ(フジテレビ)、やじうまテレビ!(テレビ朝日)、ZIP!(日本テレビ)、Nスタ(TBS)、月曜から夜ふかし(日本テレビ)、スーパーJチャンネル(テレビ朝日)、朝ズバ(TBS)などで取り上げられ、その広告費換算額は9億5400万円に上ると試算されています。
 また、テレビなどの報道を受け、県のホームページのアクセスも通常時の11.6倍(10月19日〜21日の平均:3,005件、26日〜28日の平均34,940件)にまで跳ね上がりました。県外からのアクセス数だけをみてみると24.3倍(10月19日〜21日の平均:1,233件、26日〜28日の平均39,006件)と、茨城を全国に知ってもらおうというキャンペーンの目的が十分に達成できたことがうかがえます。
 12月10日、井手よしひろ県議と意見交換を行った堀江英夫県広報広聴課長は、「県が独自に広告を出したとしたら10億円もかかる効果がありました。特に、県外の方に茨城を知っていただきキッカケになりました。様々なご批判も真摯に受け止めて、ただ、臆することなく茨城の素晴らしさを全国に発信してきたいと考えています。来春からの新たな取組も現在しっかり計画中です。今後とも忌憚のないご意見をいただきたと思います」と語っていました。