2月27日、井手よしひろ県議が所属する県議会農林水産員会は、記録的な大雪で農業用ハウスが壊れるなどの被害を受けた県内の農家を、現地調査しました。
 茨城県によりますと、県内では今月8日から9日にかけての大雪と、今月14日から15日にかけての大雪と大雨による農業被害額はあわせて11億2900万円あまりにのぼっています。
県議会農林水産委員会豪雪被害調査
 農林水産委員会の一行は、はじめに茨城町の農家、井坂英嗣さんの農業用ハウスを訪ねました。
 井坂さんのハウスは今月8日の大雪であわせて21棟が倒壊し、ハウスで栽培していたアスパラガス、小松菜などが収穫できなくなるなどの被害が出ました。井坂さんは委員に対し、壊れたハウスの撤去や再建に多額の費用がかかることや、パイプなどの資材が不足しているためハウスの再建にも時間がかかる見通しだと説明しました。
県議会農林水産委員会豪雪被害調査
 このあと委員は、小美玉市の養鶏業石川弥来さんの鶏舎を訪れました。石川さんは、鶏舎で1万7000羽のにわとりを飼っていますが、今月8日の大雪で鶏舎が全壊しました。にわとりは5日間かけて救い出したものの、ほとんどを処分せざるをえなかったということで、石川さんは鶏舎を建て直して養鶏業を再開するには1億円以上かかると説明していました。

県議会農林水産委員会豪雪被害調査
 最後に、水戸市鯉渕の吉成典彦さんの苺の育苗ハウスの倒壊現場を訪れました。このハウスには育苗のため、暖房されていなかったために雪が溶けず、その重みで長さ約55メートルの大型ハウスがつぶれてしまいました。吉成さんは、「遅くとも5月中にはハウスを再建して、苗を植えないと次の収穫が出来なくなります。何より、パイプやビニールなどの資材不足が心配です」と語りました。

 今回の大規模被害に関して、国は被災農家への支援として、災害関連資金の無利子化や農業用ハウス等の再建・修繕への助成を行うと発表しています。
 特に、壊れた施設の解体撤去の費用も含めて、再建に10分の3の助成を行う制度は、農家の経営再建におおきな後押しとなると思います。しかし、この助成も自己資金で解体、再建などを行う農家は対象になりません。主に融資を受けることが前提の制度です。高齢化した農家にとって、跡継ぎに借金を残すことはできない、こうした悲痛な声が聞こえてきます。
 また、養鶏業を再建するための雛の購入や苺の苗の購入などには、支援の枠組みがありません。農家の実情に合わせたきめ細やかな対策が必要です。