
2月23日、第三文明社主催の講演会で、政治評論家の森田実氏にご挨拶させていただきました。講演前のお忙しい中にもかかわらず、懇談の機会をいただき、記念の写真までとっていただきました。その講演のエッセンスとも言える部分が、3月8日付けの「森田実の言わねばならぬ」に掲載されていますので、僭越ながら全文を掲載させていただきます。
平和・自立・調和の日本をつくるために【237】
《今日の論点(1)》安倍首相が狙う憲法改正を行わず、政府の解釈を変えるだけで集団的自衛権の行使を容認することは、戦争を始める準備をすることです/アメリカと対立する国の軍隊を攻撃することは、日本はその国に戦争を仕掛けることです/相手国は日本に反撃します/相手国軍隊の攻撃目標は日本国民すべて、日本の国土すべてになります/安倍首相はこんな危険なことをやろうとしているのです/安倍首相の戦争志向を止めなければ大変なことになります
「戦争は決して地震や津波のような天変地異ではない。何の音沙汰もなく突然起ってくるものではない」(石川啄木)
戦争は、戦争をしたい政治権力者や軍人が戦争をしたがるから起こるのです。日本は平和憲法をもっている国です。日本の側から戦争を仕掛けることは絶対にしないことを日本の国是としている国です。第二次大戦後の日本は、この平和原則を守って生きてきました。この平和原則を守り抜いてきたからこそ、日本は平和に生きることができたのです。
しかし安倍首相は日本を戦争する国に変えようとしています。安倍首相は、日本を戦争する国に変えるための口実に利用としているのが「集団的自衛権の行使容認への解釈改憲」です。そして、この口実が日米同盟です。安倍首相はこれによって、日本を「戦争のできる国」にしようとしているのです。
この安倍首相の「戦争のできる国」に変えることを、後押ししているのがアメリカ政府です。アメリカ政府は、安倍首相に対して「解釈改憲による集団的自衛権の行使容認」を強く求めているのです。
日米両政府の合作によって、日本を「戦争してはならない国」から「戦争する国」に変えようとしているのです。
繰り返します。「集団的自衛権を行使すること」は「戦争をすること」なのです。集団的自衛権を行使すれば、敵国は日本国民全体に向かって報復攻撃を行うのです。
すでに安倍首相は「たとえば北朝鮮」と言って、北朝鮮を名指ししていますが、北朝鮮は核ミサイルを保有しています。日本と北朝鮮が戦争すれば、北朝鮮は日本に核ミサイルを撃ち込んでくるでしょう。
北朝鮮軍がアメリカ軍に対して攻撃してきたとき、日本の自衛隊が北朝鮮に反撃することが、集団的自衛権の行使です。安倍首相はこのことを何度も繰り返し述べています。日本の自衛隊が攻撃されてもいないのに、自衛隊が北朝鮮を攻撃すれば、北朝鮮は日本の軍隊である自衛隊に報復攻撃をします。北朝鮮軍の報復攻撃の範囲は日本の全国土、日本国民全体になります。すべての日本国民が、北朝鮮の核ミサイル攻撃の対象になるのです。
問題は、安倍内閣は、こういう事柄を何も議論しないまま、国民に何も知らせないまま、急いで集団的自衛権の行使容認を閣議決定しようとしていることです。これほど危険なことはありません。安倍首相の暴走を止めなければ大変なことになります。