日の出地区を視察する山口代表ら
松田千春市長が「地下水位低下工法」による液状化対策について説明
 3月17日、公明党の山口那津男代表らは、鹿嶋市の鹿島製鉄所の視察を終え、潮来市日の出地区を再び訪れました。震災直後の2011年3月19日、山口代表は、政党の代表としては最も早く、日の出地区の液状化被害の状況を現地調査しました。
 日の出地区は、潮来市の約20%にあたる約6200人が暮らす人口密集地域(196ha、約2500世帯)です。震災では液状化現象により地盤の隆起や陥没などが起こりました。その結果、道路、電気、水道、下水道といったライフラインが大きな痛手を受けています。
2011年3月19日の視察の模様 自宅が傾いたりして住めなくなってしまった住民も多数発生しました。当時、山口代表らは、潮来市の柚木巌市議会議員の説明を受け、「(日の出地区の)住宅は基礎も大きく損傷を受けており、再建には多額の費用と期間が必要。生活再建に国がどのような支援を行えるか早急に検討したい」と語っていました。
 その後、潮来市では、有効性や安全性、経済性の観点から「地下水位低下工法」を、日の出地区の液状化対策に採用し、地区内で大規模な工事が進んでいます。
 地下水位低下工法は、周囲を鉄の矢板で囲んでみずみちをつくり、ポンプで地下水を汲み上げて必要な施工部位の地下水位を低下させる工法です。90m✕65mの現場で試験施工(実証実験)を行ったところ、沈下は均等に数センチ程度にとどまりました。
日の出地区の地図 道路事業は、地区内をU字型に走る道路と南北に走る道路が対象です。汲み上げた地下水は利根川に排出します。
 一部区間(延長1625m)については、道路両側の電線地中化も併せて実施します。これは、震災時に電柱の倒壊や電線の垂れ下がりにより、緊急車両の通行に支障が出たことから、安全を確保するために行うものです。
 総事業費は225億5410万円(市街地液状化対策事業=136億1010万円、幹線道路=89億4400万円)です。事業完了は2015年度末を見込んでいます。
日の出地区の液状化対策 工事について松田千春市長は「課題だった大雨にも対応できる工法で、一部は電線の地中化も併せて行う。全国に先駆けた液状化対策だと思う」と強調しました。
 視察終了後、山口代表は前回の訪問を振り返り「3年前は家が沈み、道路がせり上がり、電柱がバラバラの方向に傾くなど、惨たんたる液状化の被害状況だった。2年後には工事が完了するとのことで、工事が本格化するのは大変に喜ばしい」と述べました。