おもてなし企業、顧客満足度が経営の理念
アポロガスの見守りサービス 3月27日、経済産業省は、顧客のニーズに合わせ、地域社会に密着した経営を進めている全国の28事業者を選び、2013年度の「おもてなし経営企業」として発表しました。昨年度に続く2度目の選定で、経産省が各社の活動を冊子にまとめて紹介する予定です。「おもてなし経営企業」は、業種・業態を問わず全国に募集をかけ、応募のあった165事業者の中から有識者による選考委員会が選びました。
 選ばれた業種は、運送や医療、製造業など幅広く、「おもてなし経営」は、すでに市場として飽和している業界や、一見おもてなしとは、かけ離れているような業種においても、実践されています。
 例えば、北海道の十勝バスは、バス路線の沿線に住む世帯への訪問ヒアリングで拾いあげた声をヒントに、通勤や通院、買い物など利用者の目的に応じた時刻表の作成などを実施。乗客数の増加に成功し、増収に転じました。
 福島市のガス会社・アポロガスは、高齢者らがガスを長時間使わない場合、家族にメールで連絡するサービスを実施するなど、積極的に地域の見守りに取り組んでいます。
 神戸市でブライダル関連事業を展開するレックは、経済的な問題や家庭の事情などで挙式を諦めていた人のために、低価格の「小さな結婚式」を提供しています。
 いずれも、その地域に根差した独自のアイデアが光っています。地域のビジネスモデルの一つとして多くの事業者は参考にすべきです。
おもてなし企業マップ
 少子高齢化、都市部への人口集中等による国内市場の競争激化、グローバル化への対応等、多くのサービス事業者は厳しい価格競争にさらされています。一方、各地域には、価格競争に陥ることなく、顧客のニーズに合致したサービスを継続的に提供し、「顧客」のみならず「社員」、「地域・社会」から愛される経営を実現している企業が存在します。
 経産省では、このような企業で行われている、「社員の意欲と能力を最大限に引き出し、地域・社会との関わりを大切にしながら、顧客に対して高付加価値化・差別化サービスを提供する経営」を「おもてなし経営」と称し、地域のサービス事業者等が目指すビジネスモデルの一つとして推奨しています。
 この一環で、昨年度より「おもてなし経営企業選」を実施し、この度、「2013年度おもてなし経営企業選」として28の事業者が選定されました。
 今回選ばれたおもてなし経営は、独自の付加価値が地域や顧客に評価され、成果を挙げた好事例ともいえます。こうした着想を自社の経営改革に生かし、地域活性化の原動力になることに大きな期待が寄せられいます。
 最後に一言。 また、茨城県内の企業が選ばれていないのが非常に残念です。県内には、ユニークな取り組みを行い、業績を上げている企業がキラ星のようにあります。ぜひ、来年度は頑張ってエントリーしていただきたいと思います。
参考:「おもてなし経営企業選」ホームページ(産業経済省)