国会議事堂 4月8日、自民、公明、民主など与野党7党は、憲法改正手続きを定める国民投票法の改正案を衆院に共同提出しました。国民投票の投票権年齢を改正法施行4年後から「18歳以上」に引き下げるのが柱となっています。共同提出には、日本維新の会、みんな、結い、生活の各党も参加。衆院に議席を持たない新党改革も加えた与野党8党が加わり、今国会中の成立は確実です。
 改正案は、国民投票の投票権年齢について、選挙権年齢などを「18歳以上」に引き下げるまでの間は「20歳以上」とした現行法の経過措置規定を削除します。改正法施行から4年が経過すれば、自動的に「18歳以上」に引き下げられることにしました。選挙権年齢などについては、「速やかに、投票権年齢と選挙権年齢の均衡等を勘案し、必要な法制上の措置を講ずる」としました。
 また、改正案では、公務員による国民投票運動(賛否の勧誘)について、法令で禁止されている政治的行為が伴わない限りは容認するとしました。裁判官や検察官、公安委員会の委員、警察官による国民投票運動は禁止されています。
 国民投票の対象を憲法改正以外にも拡大することについては、「意義及び必要性について、さらに検討を加え、必要な措置を講じる」との文言が盛り込まれました。
公職選挙法選挙権年齢を改正法施行後2年以内に18歳へ引き下げ
 なお、8党は改正案と別に合意文書を作成し、選挙権年齢の引き下げについて、改正法施行後2年以内の実現をめざし各党間で協議機関を設置すると明記。施行後4年を待たずに選挙権年齢が引き下げられた場合は、投票権年齢も同時に引き下げるとしました。
 2007年に成立した国民投票法は付則で、10年の施行までの「宿題」として、投票権年齢の18歳への引き下げや公務員による国民投票運動の容認などを明記したものの、実現せず“違法状態”にありました。

世界の標準は18歳で選挙権
 日本では長く20歳で成人でしたが、世界各国も、以前は20歳または21歳で成人でした。それが、続々と18歳成人に変更されてきました。現在では、世界の約9割が18歳で成人です。187の国・地域のうち、141の国地域で18歳で選挙権が与えられています。
 OECD(経済協力機構)に加盟する先進30ヵ国の中でも、20歳を成人とするのは日本だけです。他の国は18歳を成人と定めています。(韓国は19歳。アメリカは州によって年齢が異なりますが、45州で18歳、選挙権は全米で18歳です)。
 イギリス1969年、ドイツ、フランス1974年、イタリアは1975年に変更されています。その大きなきっかけは、学生運動でした。学生の要求は「僕たちにも選挙権を与えろ、私達も大人として認めて欲しい」というものでした。日本でも、学生運動は盛んでしたが、なぜか成人年齢の引き下げの要求は余りありませんでした。