楽しい介護予防をめざし、多彩な活動を展開
元気スタンド・ぷリズム 6月26日、井手よしひろ県議と八島功男県議(土浦市選出)は、埼玉県幸手市の東埼玉総合病院とUR都市機構幸手団地の「元気スタンド・ぷリズム」を訪問しました。
 地域包括ケアサービスの構築を目指し、地域医療の推進やNPOによる介護予防推進活動の先進事例の調査が目的です。
 幸手市内にある幸手団地は、1972年に入居がスタートし、各地の団地と同じく、老朽化と入居者の高齢化が進んでいます。都心から40kmというスムーズな通勤圏にあり、田園風景も残る豊かな自然環境に恵まれた団地です。戸数3023戸のマンモス団地です。この団地に隣接して東埼玉総合病院が、2012年5月に新築移転しました。
元気スタンド・ぷリズムを視察する井手県議 「元気スタンド・ぷリズム」は、「NPO元気スタンド」の小泉圭司代表が2007年12月から、合同会社という形態で経営しています。15坪の店内には、懐かしい昭和歌謡のBGMが流れる店内は、井手県議と八島県議が小泉代表からお話をうかがっている間にも、客の笑顔とおしゃべりが絶えません。
 小泉代表は元々、大手スーパーの社員として働いていました。毎日のようにスーパーの休憩スペースにやって来るお年寄りから、「家に居場所がない」との話を聞き、ショックを受けたのをきっかけに、「高齢者が集える場所を作りたい」と一念発起し、団地の空き店舗に店をオープンさせましたた。
小林圭司代表 小泉代表の名刺には、“楽しい介護予防”というキャッチフレーズが載せられています。高齢者が介護状態に陥らず、いつまでも元気に過ごせるよう「介護予防」の情報をさまざまな形で客に提供していくことが目的です。具体的には、お弁当やお惣菜の配食、働く場所の提供や手作り作品の販売、カフェなどの居場所の提供なども行っています。
 お店のメニューが一風変わっています。喫茶・食事のメニューは、分厚いファイル。「高血圧の予防に!」「忘れん脳づくりのポイント」などの健康情報が満載で、高齢者が手軽に情報を得られるように工夫されています。料理の下に敷くランチョンマットには百ます計算の問題が印刷されています。「知らず知らずのうちに介護予防のための頭の体操や介護の情報が自然に提供できたら良い思い、工夫しました」と小泉代表は語ります。さらに、店内では客の手作り品や杖などの介護予防グッズも販売しています。

弁当と惣菜を販売する店も営業中、高齢者の働く場も提供
 「ぷリズム」の隣にある店舗が、2010年10月にオープンさせた弁当と惣菜を販売する「元気スタンド・ぷライス」です。ここで働く人は団地内の高齢者で、雇用の創出や生きがいづくりにつながっています。
 煮物やあえ物、いため物などを中心に、スタッフが得意料理に腕を振るっています。団地に多く住む高齢者たちが食べやすいようにと、料理はどれも小さめにしています。弁当の配食サービスも行っています。このサービスも元気な高齢者が高齢者宅にお弁当を届ける仕組みです。
 小泉代表が団地の将来像として描くのが団地内の複数の空き店舗を活用した「元気スタンド・コミュニティモール(商店街)」構想です。営業中の「ぷリズム」「ぷライス」とも連携しながら、高齢者向けのリハビリ用ゲーム機や、子どもの遊び場などを設けた店舗「元気スタンド・ぷレイス」などを構想しています。「モールにより地域コミュニティーの再生と商店街の活性化をめざしている。楽しみながら介護予防を通じて社会保障費を抑制していきたい」、小泉代表は夢を語ります。

有償ボランティアと地域通貨を連動させた「幸せ手伝い隊」事業をスタート
 小泉代表らが事務局となって、2011年9月から「幸せ手伝い隊」事業がスタートしました。この事業は、元気な高齢者等が援助の必要な高齢者等の生活支援を行い、その謝礼を地域商品券や地域通貨として受け取る仕組みです。高齢者等の日常生活の安心確保、元気な高齢者の介護予防、地域経済の活性化という、いわば一石三鳥の効果が期待できます。
 「幸せ手伝い隊」事業では、家事援助サービスなどを1時間700円で、ゴミ出しなどちょっとしたサービスを5回700円で実施します。作業を行ったボランティアには謝礼が地域商品券で支払われます。
 埼玉県では、こうした取り組みを「地域支え合い事業」として積極的に支援し、補助金の制度も設けています。
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参考:地域支え合いの仕組みを財政支援します!<平成26年度>