茨城県議会農林水産委員会 6月30日に行われた、茨城県議会農林水産委員会で参考人からの意見聴取は、茨城県の食のアドバイザー・藤原浩氏と日本一のコメ作り農家・横田修一氏を迎え、非常に有意義な意見交換が出来ました。
 その中でも、藤原氏と村上典男委員長のやりとりは出色でした。村上委員長は、笠間市選出で農業にも非常に造詣が深い県議です。笠間市内の畜産家が育てる「クリ豚」に関わる話題です。以下、この部分をブログに掲載します。なお、井手よしひろ県議のメモを再現したものです。正式な議事録とは違いますので、ご了解ください。

農林水産委員会・村上典男委員長
最近、気になる食材を見つけました。クリ豚というのです。マロンポークですね。笠間の栗は生産量、品質とも日本一なんです。そして、茨城県はローズポーク代表される養豚業も、日本一なんです。その2つを掛けあわせた取り組みなんです。
イベリコ豚という海外の素晴らしい豚肉がありますが、これは、どんぐり食わせると聞いています。クリ豚は、目じゃないんですよ。生産者とお会いして、お話をお伺いしましたらば、作り方はいろいろと決まっていないんです。私はもう本当美味しい豚だったもんですからね、作り方などを確立して、イベリコを超えるブランドに育てたいのですが、アドバイスがあればよろしくお願い致します。

いばらき食のアドバイザー・藤原浩氏
まず、笠間の栗に触れておきたいと思います。今一般的に全国に発信されているのは「笠間の栗」ということなっています。ところが、全国からいらっしゃった観光客の方はとまどってしまうんです。なぜかというと、地元の方は、「岩間の栗」だと言われるんです。「岩間」と「笠間」の違いが観光客にはわからないんです。岩間は友部や旧笠間と合併して「笠間」になりました。そこでわからなくなってしまうのです。
笠間の栗を買いに来たのに「岩間」といわれた「栗は岩間以外にはないんだ」といわれた時に、とまどって買えなくって帰ってしまったというのです。ですから、ブランド化するときに、やっぱり昔の伝統や文化というのを守りつつも、表現の中で「笠間」という名前なんだけども、本来の生地は岩間なんですよ、というような解説を入れていただく、これが大事だと思います。
そして、笠間の栗は日本で一番です。予約でしか買えない、山形県に「六代目」という栗蒸し羊羹があるんですけど、それも実は笠間の栗を使っているんです。ところが日本で一番の品質の栗をつくれる、その笠間で、日本一のお菓子ができないのはなんでだろう。そんなことも考えています。

本題に戻って、先ほどのマロンポークなんですけども。実は日本に入っています食材の中でもっとも高いものの中にイベリコ豚の「ハモンイベリコ・ディ・ベジョータ」というものがあります。ベジョータというのは実は「どんぐり」という意味なんです。イベリコ豚というのはですね、木の根っこでありますとか、それから木の実を食べさせて、あの肉質を作るのです。それでどんぐりとか栗とかいうのはですね。脂身を非常に甘くする役目をします。それで、肉質が評価されているのです。ということは、マロンポーク(クリ豚)というのは非常に理にかなっているんですね。
例えば新宿伊勢丹で一番高い「ハモンイベリコ・ディ・ベジョータ」は10グラムが1280円ぐらいします。( 10グラムで、との驚きの声)
はい。100グラムに直しますと1万2800円ですから、米沢牛や松阪牛の最高級のものと匹敵をする価格です。
つまり、既存の生産物にちょっと手を加えるということによって新しい可能性というのが広がるんです。実は茨城県というのは生ハムをつくる環境に非常に適しておりまして。私自身ヨーロッパに7年住んでおりまして、イタリアの名門のハムのパルマの近くだったんですね。やはりイタリアでは「プロシュートディ・パルマ」というパルマ産のものと、「サンダ二エーレ」といわれるちょっと血合いの強いようなハムが人気だったんですけども、その中でも別格、といわれていたのが「ハモンイベリコ・ディ・ベジョータ」をつかったハムなんです。
ですからそういう世界のグローバルスタンダードに照らしあわせた時に、理にかなっているマロンポークを一つのシンボルとして、日本のイベリコ・ディ・ベジョータと比べられるような、ただし、日本で食べるんだったらマロンポークのほうが美味しいですよ、という比較級で発信するということは十分可能だと思います。
イベリコ豚が成功したということを鑑みるときに、指標があるので非常にブランド化はやりやすいんではないかと思います。
もし、ご相談があれば、喜んでブランド化にはご協力させていただきたいと思います。
茨城のは世界にも通用する食材が沢山、隠れていると思います。