空の駅のイメージ
 7月31日、小美玉市の複合施設「空のえき そ・ら・ら」がオープン。井手よしひろ県議は8月2日に訪れ、河原井忠男駅長よりお話を伺いました。
 この空の駅は、特産の乳製品や農産物の売店、飲食施設のほか、チャレンジショップやホールなどを併設。茨城空港を訪れる観光客らの新名所として、地域おこしの拠点とするのが目的です。茨城空港から、わずか500メートルの至近距離に立地。小美玉市が約19億円を投じて整備しました。円形の2つの広場を囲む形で建物が配置され、乳製品づくりの見学や体験ができる施設もあります。空港に来客する人を呼び込もうとする施設なので道の駅などネーミングにちなみ「空の駅」となりました。
 営業時間は午前9時〜午後6時。飲食施設は土・日曜日、祝日に限り午後9時まで営業しています。
 初代の駅長には、大洗の水族館長も務めた経験がある河原井氏が公募で選ばれました。東日本大震災を乗り越え、大洗水族館にお客様を呼び戻した手腕には定評があります。河原井駅長は「楽しさとにぎわいの絶えない場所にしたい」と抱負を語ってくれました。
 特産の飲むヨーグルトやプリンは、あまりのお客さんお多さで買い物を断念。直売所(約290平方メートル)では、小美玉産のチンゲンサイやニラなど地場産にこだわった野菜や果物を販売。レストラン(100席分)では、バイキング形式で地元農産物を使った旬の料理などを楽しめます。もちろんこちらも長蛇の列で、試食は次の機会に。敷地内には乳製品加工施設(約910平方メートル)も整備されました。小美玉市は酪農も盛んな地域で、特産の生乳を使ったヨーグルトなどが製造されています。ガラス越しに生産工程を見学できます。河原井駅長は、「空の駅の広場で8月の毎週土、日曜日にビアガーデンを設けます。暑気払いにいかがですか」と誘っていただきましたが、丁重にお断りしました。
 茨城空港は開港前、無駄の公共事業の典型として多くの批判を浴びました。空港ターミナルビルの運営収支は年間数千万円から1億円の赤字を計上すると見通されていました。しかし、蓋を開けてみると初年度には78万人以上が来港し、ターミナルビルの運営収支は約1600万円の黒字を計上しました。茨城空港が大方の予想に反して黒字化を成し遂げた理由の1つは、茨城空港を発着する飛行機に搭乗しない利用客にも空港を利用してもらう工夫が、功を奏したことです。
 茨城空港では開港から1年間に150回程度の催しを開くことで来場者を増やしています。航空機を利用しない客を空港に呼び込め希な例です。茨城空港利用者の7割以上は飛行機を利用しないといわれています。茨城空港はイベントの実施などによって飛行機を利用しない客層を取り込み、航空利用以外の収入を増やし空港の収支を黒字化しのです。
 茨城空港に行くと、ターミナルビルには茨城県の名産品を販売する店舗や茨城県産の農作物を販売するコーナーが見受けられます。飛行機を利用する客だけではなく、離着陸する飛行機を見学に来る来港客が多く、それに航空自衛隊百里基地の戦闘機などを見る航空機マニアも大勢います。
 こうしたロケーションに、空の駅はさらに集客効果を上げると期待されます。地方空港の活性化への新たなアプローチとして大いに注目すべきです。
参考:「空のえき そ・ら・ら」のHP