年齢別死亡原因
 国と地方自治体などが連携して取り組む「自殺予防週間」が、今日(9月10日)から始まりました。このブログは、若い世代の自殺についての一考察です。
 若い世代が自ら命を絶つケースが後を経ちません。2014年版「自殺対策白書」によると、2
012年も20〜39歳の死因の第一位は自殺です。統計をとりはじめた2006年から7年連続であり、自殺が若者の死因一位を占めているのは先進7カ国では日本だけです。
 自殺には、家族も知らない様々な要因が複雑に絡み合っており、その対策も一筋縄ではいきません。しかし、自殺は社会全体の努力で、そのブレーキをかけることもできるのも事実です。
 まずは、全ての子どもたちに、ストレスへの対処方法を実につけてもらったり、相談窓口の利用法などを教える自殺予防教育を充実させる必要があります。
 若者の自殺とインターネットの関係が最近よく指摘されています。仲間から孤立した若者がネットの空間に閉じ込もったり、自殺の方法や自殺の同調者をネットで募ったりする事例もあるようです。
 こうしたネットがもつ負の力をプラスに転換するために、「リスティング広告」などを活用することも考えられます。インターネットの検索サイトには、検索した用語や履歴をもとに関係性の高い広告が表示されます。これがリスティング広告であり、自殺に関連した用語を検索した場合、相談窓口や、自殺を乗り越えた体験などを掲載したサイトに誘引するような取組みは効果的だと思います。
自殺予防週間 また、自治体レベルの取り組みで重要なのは、相談窓口の整備や相談を受けられる人材の育成・確保です。
 政府では、自治体の自殺対策事業を支援する「地域自殺対策緊急強化基金」を設け、地域の実情に応じた対策を促しています。同基金を活用して、電話相談窓口の充実や自殺未遂経験者への訪問事業業などが進められています。
 しかし、この基金は今年度末で期限が切れます。来年度以降、自治体への財政支援がなくなると、多くの事業が縮小、廃止に追い込まれるれる恐れがあります。内閣府は、2015年度予算の概算要求で、地域における自殺対策を推進するための新規業費25億円を計上しました。一県あたりにするとわずか5000万円です。少なすぎるという感は否めませんが、最低限の財源を確実に確定していただきたいと思います。
 自殺対策に大変有効な施策に電話相談があります。例えば、茨城いのちの電話は自殺の抑止力として大きな力を発揮してきました。こうしたボランティアの力で支えられている自殺対策には、運営費や相談員の確保、さらには県内に複数の拠点の整備など、積極的な支援を行うべきです。
 さらにこうした電話相談を行う相談員に、若い人材も育成・登用することも大事だと思います。