
千葉市が実施しているのは「ちば市民協働レポート(ちばレポ)」。公園や道路の不具合など地域の課題を見つけた市民が、スマホでレポートを送るとウェブに公開され、行政や他の市民らと情報共有できる仕阻みです。行政の対応状況もリアルタイムで分かります。情報通信技術を活用した市民協働のまちづくりが狙いです。
千葉市は8月28日からレポーター募集を開始。9月16日からレポートの受け付けを始めました。10月16日現在までに約1100人がレポータ
ー登録を行い、道路の陥没や公園遊具の破損など約300件(非公開案件含む)のレポートが寄せられています。
千葉市広聴課は「興味のある人が多く、レポートは順調に来ている印象」と話しています。
レポートを投稿できるのは、市内在住・在勤・在学者で、レポーター登録をした人。スマホで「ちばレポ」のアプリをダウンロードして、メニューから登録します。パソコンの場合は、ちばレポ専用サイト(http://chibarepo.force.com/CBC_VF_SPMenu)から登録・閲覧ができます。
レポートは、アプリから写真か動画を撮影し、全地球測位システム(GPS)などで課題の発生場所を指定。内容を入力してシステムに送信します。投稿されたレポートは位置情報や内容によって自動的に仕分けされ、所管事務所や担当課に送られる仕組みです。国や県、民間などが所有する施設が関連する課題については市広聴謀が該当の窓口につなぎます。

一方、レポートの閲覧は誰でも可能です。「ちばレポ」アプリや専用サイトのメニューを開くと、公開されているレポートについて、それぞれ課題の分野と対応状況を示すピンが地図上の該当箇所に表示されており、どこのどんな課題があり、どんな状況なのか一覧できます。
課題は、「道路」「公園」「ごみ」「その他」の4分野。対応状況は「受け付け済み」(黄)、「対応中」(青)、「対応済み」(緑)で色分けされています。それぞれのピンをタップすると詳細を見ることができます。
詳細はレポーターからの投稿内容に加えて、市担当課からのコメントや対応後の写真などが掲載されています。
千葉市は、逼迫する財政や自治会加入率低下という背景から、まちづくりへの市民参画を促す施策を模索。大手IT企業が米国で展開しているシステムをヒントに、若い世代を中心に利用率が高いスマホなどの情報通信技術を活用し、地域の連携強化や業務の効率化などに効果を見込める「ちばレポ」を考案しました。
昨年7〜12月にかけて実施された実証実験には、約850人の市民が参加し、約900件の投稿がありました。参加者からは、「気が付いたときにすぐ投稿できるので便利」「歩くときに街の問題点を意識するようになった」などの声が寄せられた。市は、実験結果を基に投稿手段や表示方法などシステムに改良を加え、今年9月から本格的にスタートさせました。
今後は、公園の草刈りやベンチの落書き消しといった課題の解決に直接動く「サポーター」の募集や、地域の課題ではなく、見どころを紹介するレポートの受け付けも予定。「ちばレポ」の参加者について、3年間で5000人を目標の掲げています。
