日立港区堤防整備計画
 東日本大震災の津波を受けて、茨城港日立港区の堤防整備計画、瀬上川の水門設置計画が具体化してきました。今後、地元住民への説明会などを経て、平成26年度以降、実際の工事に着手されることになります。
 東日本大震災では、最大波高4.2メートルの津波の襲来を受け、港内区域全体が浸水したうえ、後背地である日立市みなと町、久慈町の市街地についても、2千800百世帯もの大規模な浸水被害が発生しました。
 津波への対策に関しては、「津波 レベル2」の延宝房総沖地震津波が襲来するとした場合、東日本大震災による最大津波の浸水範囲までには至らないものの、日立港区で最大遡上高11.3メートルという結果が想定され、港内はほとんどが浸水すると見込まれるほか、市街地についても浸水被害が及ぶことが想定されています。
 一方 、「津波レベル1」の明治三陸タイプ地震津波の場合、最大遡上高が1.9メートルであり、岸壁、護岸等の水際の一部が浸水する可能性があるものの、埠頭用地が広く浸水する等の港湾活動へ障害が想定される結果には至らないとされています。また、市街地への浸水影響は生じないとされています。
日立港区の津波想定 こうした津波から想定から、高さ4.5メートルの堤防を南北方向に2100メートル整備することとなりました。国道245号に面して整備することも検討されましたが、景観や観光面を考慮し、港湾区域内の道路に接して建設する計画です。
 また、今回の津波被害も、瀬上川を逆流した津波が上流部で溢水して、市街地に大きな被害を与えました。そのため瀬上川と堤防が接する部分に水門が整備される事になりました。遠隔操作可能な電動の水門が設置され、排水用のポンプも配備されます。水門の構造や管理主体などは、今後、検討されることになります。
  瀬上川への水門設置は地元住民にとって長年の悲願です。今回の堤防整備計画については、住民の理解を得た上で、早急に進めるべき課題です。