局地的な豪雨など気象の急激な変化にどのように対応するか。情報を迅速につかむことが重要です。最近では、気象・災害情報をスマートフォン(スマホ)やタブレット端末などで入手できる仕組みが注目されています。
高解像度降水ナウキャスト:250メートル四方単位で5分ごとに予測表示
高解像度降水ナウキャスト 気象庁が8月7日からホームページ上で公開しているのが「高解像度降水ナウキャスト」。日本地図が表示され、青色系の四角のマスが複数表示されています。1マス当たり250メートル四方の降水予測が可能です。
 パソコンだけでなく、外出先でもチェックできるようタブレット端末やスマホでも閲覧できます。5分間隔で詳細な降水状況を予測するのが大きな特徴です。しかも、従来の降水予測では1キロ四方単位の予測でしたが、格段に狭い範囲のデータを提示できるようになりました。それを可能にしたのは最新の高性能レーダー「XバンドMPレーダ」(国土交通省)の導入です。既存のレーダーに比べ、解析能力が16倍になったほか、観測してからインターネット上などに配信するまでの所要時間も、これまでの5〜10分から、1〜2分に短縮されました。
 また、このXバンドMPレーダや多数の雨量計の情報に基づいて、大雨の移動方向をリアルタイムで掌握しやすくなり、250メートル四方単位の細かい予測を30分先まで示すことができます。
 気象庁予報部業務課は「5段階で地図を拡大・縮小できるし、市区町村名、河川、鉄道、道路の場所を地図上に表示することもできる。利用者から『非常に分かりやすい』と好評だ。時々刻々と変化する雨の様子をいち早く確認してもらい、早めに身の安全確保の行動をとってほしい」と語っています。
x参考:高解像度降水ナウキャスト
便利なスマホアプリ「Go雨!探知機」
 外出先で雨雲や雷の動きを確かめることができるスマホ用アプリも注目されている。日本気象協会が提供する無料アプリ「Go雨!探知機」は、XバンドMPレーダで提供されたデータを基にAR(拡張現実)技術を導入しました。アプリを立ち上げ、スマホを空にかざすと、画面には、カメラを通して見える風景に現在の雨量情報が色別に重ね合わせて表示されます。地下街でも雨量を把握しやすいのが特徴です。
 今年8月には、新たに落雷情報を表示する「雷モード」を追加。過去15分以内の周囲5キロ以内で発生した落雷情報を見ることができるようになりました。
 民間の気象予測会社「株式会社ウェザーニューズ」が提供している無料アプリ「ウェザーニュースタッチ」(一部有料)は、全国3000カ所に設置されている同社独自の気象観測システムや約1000台のライブカメラなどに加え、750万人の無料会員から寄せられる「川が増水」「大雨」などの“リポート”を同社で解析して気象情報などを発信しています。
 全地球測位システム(GPS)による位置情報をもとに、今いる場所での地震、津波、台風、落雷など最新の気象情報を入手できる通知サービスも備わっているのが特徴です。