年金の運用益
 与党の経済政策(アベノミクス)によって、株価が民主党時代の8000円台から2倍の17000円前後に上がりました。
 株式による財産の運用を行っていない庶民にとって、株価の上昇は全く関係がないと指摘する人もいますが、実はそれは大きな間違いです。
 株価上昇の好影響で、年金積立金の25年度の運用で生まれた利益は、10兆円を超えています。10兆円といえば、約546万人(国民年金保険料の未納者は約315万人。約6625万人は納めている)が1年間に納める国民年金の保険料の総額に相当する莫大な金額です。
 11月25日、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、直近(2014年度7〜9月期)の運用益が3兆6223億円になったと発表しました。黒字は2四半期連続。国内外の株式や外国債券での運用が好調だった結果です。
 公表資料などによると、GPIFは7〜9月期に国内株式を6000億円程度買い増したとみられます。外国債券への投資は1兆円程度、外国株式は1兆3000億円程度、それぞれ買い増しました。GPIFは10月末に公表した基本ポートフォリオ(資産構成)の見直しに備え、公表前から資産売買に着手していました。
 9月末時点の運用資産総額は130兆8846億円で、2001年度の自主運用開始以降で最高となりました。主な資産構成割合は国内債券が48.39%(6月末は51.91%)、国内株式が17.79%(16.79%)、外国株式が16.98%(15.54%)、外国債券が11.・84%(10.76%)でした。
 14年度上半期(4〜9月期)の運用益は5兆8445億円。01年度の自主運用以降の累積運用益は41兆円強となっています。