小・中学校の9年間を、現在の「6・3」の枠にとらわれず、一体的に学ぶ小中一貫校の設置が制度化される見通しとなりました。学校教育の形を大きく変える改革であり、教育の質向上につなぐことが期待されます。
中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の答申では、同じ施設内で教育を行う「小中一貫教育学校(仮称)」や、組織上は別々に行う「小中一貫型小・中学校(同)」の創設が提案されました。文科省は1月末に開会予定の通常国会に必要な改正法案を提出し、早ければ2016年度から各自治体の判断で導入できるようにします。
小中一貫教育は現在、特例校制度などを利用して全国で1130件実施されています。中学進学時に不登校などが急増する「中1ギャップ」の解消や、長期的な視点に立った子どもとの接し方ができるなどと期待されています。
実施校を対象にした文科省の実態調査では、87%の学校が「成果が認められる」と受け止めています。この仕組みを導入している自治体では、不登校率の減少や全国学力テストの平均正答率上昇など、一貫教育による一定の手応えを得ています。今後導入を検討する自治体にとっては、貴重な参考材料になります。
中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の答申では、同じ施設内で教育を行う「小中一貫教育学校(仮称)」や、組織上は別々に行う「小中一貫型小・中学校(同)」の創設が提案されました。文科省は1月末に開会予定の通常国会に必要な改正法案を提出し、早ければ2016年度から各自治体の判断で導入できるようにします。
小中一貫教育は現在、特例校制度などを利用して全国で1130件実施されています。中学進学時に不登校などが急増する「中1ギャップ」の解消や、長期的な視点に立った子どもとの接し方ができるなどと期待されています。
実施校を対象にした文科省の実態調査では、87%の学校が「成果が認められる」と受け止めています。この仕組みを導入している自治体では、不登校率の減少や全国学力テストの平均正答率上昇など、一貫教育による一定の手応えを得ています。今後導入を検討する自治体にとっては、貴重な参考材料になります。
一方、実態調査では課題も浮き彫りになっています。9年間同じ環境で学ぶため、児童・生徒の人間関係が固定化しかねないとの懸念も、その一つです。校内で積極的に交流できる環境をつくる工夫が必要です。
一貫教育では、中学校の学習内容を一部前倒しして学ぶなど教育課程の特例が認められるので、転校生が授業内容に対応できるか心配する声も上がっています。補習授業の充実など、児童や生徒に対するきめ細かいサポート体制の整備は、制度の成否を握る重要な課題です。
教職員に対する支援も欠かせません。答申で「小中一貫教育学校」の教員免許は、「小・中併有が原則」としています。新たな免許を取得しなければならない教員が出てくるため、日常業務に影響が出てこないか不安を持つ意見は実態調査でも多数出ています。
多くの小中学校が市町村立です。文科省の検討と共に、市町村の積極的な取り組みも課題です。
一貫教育では、中学校の学習内容を一部前倒しして学ぶなど教育課程の特例が認められるので、転校生が授業内容に対応できるか心配する声も上がっています。補習授業の充実など、児童や生徒に対するきめ細かいサポート体制の整備は、制度の成否を握る重要な課題です。
教職員に対する支援も欠かせません。答申で「小中一貫教育学校」の教員免許は、「小・中併有が原則」としています。新たな免許を取得しなければならない教員が出てくるため、日常業務に影響が出てこないか不安を持つ意見は実態調査でも多数出ています。
多くの小中学校が市町村立です。文科省の検討と共に、市町村の積極的な取り組みも課題です。