150116kengikai 茨城県議会は1月16日、臨時議会を開き、新たな正副議長、常任委員会の構成などを決定しました。議会終了後、井手よしひろ県議は地元ラジオ局・茨城放送の議会広報番組に出演。議会の新出発に当たり、公明党会派としての所信を披瀝しました。このブログでは、ラジオ放送の原稿を掲載します。

【県議会活動の基本】
あけましておめでとうございます。
 昨年末の県議選と衆議院総選挙におきましては、公明党に大きなご支援をいただき、深く感謝申し上げます。県議選では、現有の4議席を守らせていただきました。衆院選では、最高の35議席を獲得させていただきました。
 今回の結果は、連立政権が進める東日本大震災の復興加速、経済再生とデフレの脱却、社会保障と税の一体改革に総力をあげてきた自公政権に対し、有権者の皆様が「信任」と「もっともっと頑張れ!」とさらなる期待を明確な形で示してくださったものといえます。
また、県議会にあっても、橋本県政に具体的な政策提言を行い、是は是とし、非は非として県民目線で臨んできた、茨城県議会公明党の活動をご評価いただいたものと考えています。
 公明党には県民の皆様の声、心をつかむ「ネットワークの力」があります。その民意を施策として実現する「政策力」があります。そして県民の理解を得てその政策を実現していく「合意形成力」があります。
 県議会63議席中、わずか4人の小さな会派ではありますが、県民のための県政を実現するためには、とても重要な責任を担っていると自覚しています。
 県内100名の市町村議員と力を合わせ、「チーム力」と「ネットワークの力」を磨き上げ、「大衆とともに」との立党の原点に立ち、県民目線からの政策実現に全力で働いてまいります。
【第一回定例会に臨むに当たっての基本的な考え方】
茨城県の人口増減 平成27年度の予算を審議する第一回の定例議会は、単に、来年度の予算を決めるというだけではなく、2020年代への茨城県の方向性を定める重要な議会だと認識しています。
 茨城県では、東日本大震災、福島第1原発事故以降、3万7500人もの人口減少が見られます。私の住む日立市は平成25年の社会減は1400人を超え、全国市町村でワースト2という不名誉な結果になっています。
 大震災以前、以後では傾向が大きく変ってきています。さらなる人口減少対策、働く場の確保対策などが、議会でも大きな課題となります。
 また、人口減少対策は県民が住みやすい環境を作ることが最大の対策です。医療・福祉・教育の環境整備が重要です。若い方が希望を持って、茨城で住み続けられるよう、子育て支援策の充実を訴えます。
 マル福制度を中学校卒業まで延長することを強く主張します。教育環境を充実させるため、少人数学級や小中一貫教育などを進めたいと思っています。
 さらに、茨城県の発展を図るためには、東海第2発電所の廃炉の問題にも取り組む必要があると考えています。福島県の浜通りでは、廃炉技術の研究・開発、世界への発信をめざした「イノベーション・コースト構想」が具体化しています。先日も、いわき市の行政担当者と意見交換しましたが、「福島のこの構想実現には、東海や日立の原子力技術、そしてその人材が無くてはならない」と、訴えていました。
 茨城県でも、原発の廃炉を新たな産業クラスタートして育てる取り組みをスタートさせる必要があります。
 地域の活性化という観点からも、県議会では東海第2発電所の廃炉を提案していきたいと考えています。

【地方創生について】
 日本創成会議が、人口減少による自治体消滅の可能性を指摘し、波紋を広げています。この議会では、人口減や少子高齢化の現実を直視しつつ、住民の不安を安心に変える中長期の視点に立った「地方創生」の姿をどう示せるかどうかが争点になります。
 昨年、地方創生関連法が成立し、政府は12月に人口減少に歯止めをかけ、地方活性化をめざす「総合戦略」と「長期ビジョン」をまとめました。今後、地方自治体はそれらを踏まえた地方版総合戦略を策定します。茨城県では、1月6日に橋本知事を本部長に「茨城県まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げました。
 地方の自主性を尊重し、それを国が支援する枠組みです。それぞれの地域性を生かし、どんなビジョンを示すのか、地方の腕の見せ所です。肝心なのは行政任せではなく、議員も地域住民のみな様のお声を伺い戦略策定にきちんと関わっていくことです。
 自治体の消滅ばかりが危機感を持って伝えられていますが、最も大切なのは、地方創生の担い手である「人」に光を当てることです。女性、若者の視点を生かし、現場で生きる人々が、力を存分に発揮していく。それが公明党が掲げる「人が生きる、地方創生」の形です。
 若者が就職や結婚、子育てなど将来を描くことができて、住民が必要な行政サービスを受けられるようにしていくことが真の地方創生です。そのため公明党は、地方議員と国会議員が連携して、真正面から課題に取り組んでまいります。

【県民に対してアピールすること】
 地方議会にとって一番大事なのは”現場”です。実際の県民生活の中で、何が課題で、それをどのように解決していくかというプロセスが重要です。
日立市の性別・年齢別社会減(平成25年) 人口減少が問題視されていますが、具体的にどのような現象が起きているのかということをしっかりと分析、認識する必要があります。例えば、私の住んでいる日立市の場合、男女別、年齢別(5歳刻み)でどの階層の人口減少が多いかを調べてみました。すると、平成25年の数値で、20〜24歳の女性の減少が年間190人と最大であることが判りました。
 つまり、日立にとって人口減少対策は、若い女性が活き活きと働ける場を創出することになります。こうしたターゲットを絞った政策展開が必要なのです。
 また、国を上げて地方創生を叫びながら、現実がそうなっていない事例が数多くあります。
 JR東日本は、3月14日から常磐線の一部を東京駅、品川駅に直接乗り入れします。これは、長年の県民の願いがかなったことと喜ぶべきことです。
 しかし、一方、自由席特急券が廃止されてしまうことになりました。これによって通勤や通学で特急を使っている方の負担は、年に10万円も重くなるという試算もあります。
 茨城で住んで、東京で働くといいう、地方創生のひとつの考え方とは真逆な対応になってしまいました。こうした公共交通のあり方も、県民の皆様とともに考えていきたいと思います。
 県民生活の現場を一番大事にしながら、私ども公明党は県議会の活動を進めてまいります。