
今、大学生の就職活動が大きく変わっています。企業で職場体験する“インターンシップ”が注目されています。
来年春(2016年3月)の大学卒業生は、就職活動の解禁時期が3月1日になります。2000年代後半、労働市場の“買い手市場”傾向が続く中、早い時期からの就活が学業を圧迫しているとの声が上がっていました。公明党は、学生の意見を聞き、対策を政府に働き掛けてきました。それを受けて策定された政府方針に基づき政府が一昨年、経済団体に働き掛け、会社説明会などの開始時期について3カ月繰り下げられるようになりました。
就職活動のスケジュールが変わることで、一部で戸惑いや混乱も予想されています。公明党はそうしたことがないよう就活学生への支援を進めています。
その支援策の一つが、実際に職場体験することで、学生が自分の適性や企業の考えの一端などを知り、また感じ取ったりできるインターンシップです。
学生がよく利用している就活サイトでは、インターンシップの募集などが随所に見られるようになりました。
ある就職情報サイトには、2700社のインターンシップ情報が掲載され、前年から倍増しています。企業側としても選考期間が短くなる分、インターンシップを通じて、自社に向いている学生を早めに確認しておきたいという思惑もあります。
連合が昨年11月に発表した「学校教育における『労働教育』に関する調査」の中で、18歳から25歳の働く男女1000人にインターンシップや職場体験について聞いたところ、78%の人がインターンシップや職場体験に参加した経験があると答えています。多くは小学校や中学校の時の職場見学や職場体験ですが、大学・専門学校などでのインターンシップを経験した人は16%、実業高校などでインターンシップを経験した人が23%いました。
欧米のインターンシップは約100年の歴史があり、学生の半数はインターンシップを経験するといわれています。それに比べればまだまだとは思いますが、日本でもインターンシップは定着してきています。
インターンシップの淵源はドイツのギルド制に基づく職業教育制度などに求められます。社会の仕組みや職業観、教育観などが日本と欧米ではかなり違うため、欧米のシステムをそのまま日本に移植するのは難しいかもしれません。それでも1990年代から日本企業で日本版のインターンシップの導入が模索され、90年代後半からは、政府も主に企業側の観点から、企業側と学生との認識や期待の齟齬ともいえる“ミスマッチ”の解消に有効と、取り組み始められました。
公明党は、自民党との連立政権参加直前の99年7月の臨時全国大会で掲げた政策に、インターンシップの推進を盛り込んだのをはじめ、学生への就職支援の一環として、取り組んできました。最近も「青年政策アクションプラン」など青年委員会のさまざまな政策提言で、若者が主体的に職業選択やキャリア形成できるよう、インターンシップの大幅な拡充や、より学生にとって利用しやすいものにすることなどを訴えています。
茨城県では県北地域の活性化のため「アイデア提案型インターンシップ」を実施
茨城県では、このインターンシップと地域企業の活性化策を組み会わせ、「アイデア提案型インターンシップ」事業を展開しています。昨年10月に、アイデア提案型インターンシップを進める“茨城版地域おこし協力隊:EPOCH”に、県北地域出身の男性2人を委嘱。協力隊が中心に地域を回り、学生を受け入れる企業を掘り起こしました。
各企業は受け入れたインターン学生に斬新なアイデアを提案してもらい、実践する取り組みです。協力隊と受け入れ企業が協力し、学生の受け入れ態勢を整えるとともに、インターン期間中、学生が企業内で取り組む具体的なテーマが設定されています。
この2月から具体的にスタートするアイデア提案型インターンシップは6つ。
参考:アイデア提案型インターシップ・プログラム
茨城県では県北地域の活性化のため「アイデア提案型インターンシップ」を実施
茨城県では、このインターンシップと地域企業の活性化策を組み会わせ、「アイデア提案型インターンシップ」事業を展開しています。昨年10月に、アイデア提案型インターンシップを進める“茨城版地域おこし協力隊:EPOCH”に、県北地域出身の男性2人を委嘱。協力隊が中心に地域を回り、学生を受け入れる企業を掘り起こしました。
各企業は受け入れたインターン学生に斬新なアイデアを提案してもらい、実践する取り組みです。協力隊と受け入れ企業が協力し、学生の受け入れ態勢を整えるとともに、インターン期間中、学生が企業内で取り組む具体的なテーマが設定されています。
この2月から具体的にスタートするアイデア提案型インターンシップは6つ。
- 里山ホテル(常陸太田市)「秋向け宿泊プランとイベント企画開発」。
- 龍崎工務店(常陸大宮市)「地域振興活動を発信するホームページ作成」
- ストームフィールドガイド(常陸大宮市)「中学校向けカヌーツアー商品開発」
- 魚の宿まるみつ(北茨城市)「アンコウを使った弁当開発」
- 創榮(北茨城市)「ご当地スイーツ開発」
- 日立観光開発(日立ゴルフクラブ・日立市)「大学ゴルフ部向け合宿プラン開発」
