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 日立市は様々な課題を抱え呻吟しています。地方創生元年と言われる今年4月には、統一地方選が行われ、日立市でも市長選と市議選が行われます。井手よしひろ県議は、日立の課題や可能性について、公明党の現職市議、党日立支部の役員と語り合いました。
 このブログでは、5回に分けてその内容をご紹介します。第3回目は、4月の市議選に初挑戦を予定している下山田みきこさんです。

井手よしひろ県議会議員 下山田さん、こんにちは!下山田さんは、この4月の市議会議員選挙に新人候補として挑戦されるわけですが、今までの生活を振り返って、主婦として、子供さんの親として、また地域活動に長年携わってきた経験から、どんなことに取り組みたいと考えていますか?

下山田みきこ党日立支部副支部長下山田みきこ党日立支部副支部長 これまで21年間、PTA活動や日立市青少年相談員、青少年育成推進会議の一員として、青少年の健全育成のための活動をしてまいりました。その中で経験し、感じてきたことを原点として、子供から高齢者まで安全・安心に暮らせる「ひとに優しい地域づくり」 、若い人たちが一生住み続けたい「活力あるまちづくり」を目指して、働いてまいりたいと考えています。
 今、子どもたちの環境は、核家族の上に働く母親も多く、親子のふれあう時間がとても少ない状況です。ひとり親家庭も少なくありません。そのような中で、心豊かな子どもに育てるためには地域の支援が、どうしても必要です。
 学校・家庭・さらに地域ぐるみでの心の豊かな青少年の育成のために、これからどのような制度、環境づくりが必要なのか、皆様のご意見をいただきながら、真剣に取り組んでまいります。
 子育て中のお母さん方からの要望の一つには、子ども医療費の無料化です。日立市においても、昨年10月から中学3年生までの入院医療費が無料となり、画期的に前進いたしました。
 しかし、隣の常陸太田市や高萩市、東海村では中学生まで通院も入院も、すでに医療費助成を行っています。
 さらにこの4月からは、常陸太田市、古河市、鹿嶋市などでは、高校を卒業するまで(18歳まで)の医療費助成を始めると聞いて、本当に驚いています。
 つい最近も、あるご婦人と話をしていましたら、その娘さんが結婚を契機に新しいアパートを探していると、「常陸太田では3年間の期限付きですが、民間のアパートを借りると毎月2万円の家賃補助が受けられる」と言う事を友人から聞いてきて、会社がすこし遠くなっても常陸太田のアパートに入ってしまったと言う事を伺いました。とてもショックでした。
 私は、日立市の福祉のレベルは、茨城県内でトップクラスだと今まで思っていましたが、このような話を聞くととても恥ずかしくなってしまいました。中学生になると部活や校外活動によるケガ等が増えます。子育て支援の観点からぜひ、子どもの医療費無料化を中学校卒業まで拡充することに取り組んでまいります。
 また、放課後児童クラブの時間延長も、しっかり提案をしていきたいと思います。現在、日立市内で授業が終わった後の子どもさんを預かってくれる放課後児童クラブは、夕方6時まで開設されています。しかし、働いているお母さん方が6時までに迎えにいくのは厳しい場合もあります。また夏休みなどは朝8時から預かってくれます。しかしこれも、朝8時では仕事に間に合わず、子どもを始まるまで校庭で待たせておかなくてはなりません。終わる時間も、始まる時間も、できれば利用する保護者の目線から考えて、30分から1時間程度延長することを、強く働きかけていきたいと思います。平成27年度から、放課後児童クラブの運営は、日立市の直営から、保護者と指導者の運営協議会に移行されます。そうすると、クラブごとに格差が生じる心配もあります。市がしっかりと各クラブを支援する体制も大事だと思います。

井手県議 日立市は、茨城県の平均に比べても高齢化が進んでいます。2010年に4人に1人が65歳以上の高齢者だった日立ですが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢期に達する2025年には、3人に1人が高齢者という状況になります。特に日立市の特徴は山側の団地が一挙に高齢化するということです。青葉台団地、堂平団地、中丸団地、金沢団地、塙山団地など軒並み高齢化率が5割を超える地域が出現します。
 こうした地域の特性を踏まえて、高齢者の福祉をどのように充実させますか?

山口那津男党代表と下山田みきこ副支部長下山田副支部長 高齢者が地域で安心して暮らせるよう、お年寄りを見守る一番最前線の人材の確保など、「地域包括ケアシステム」の構築に全力で取り組んでまいります。「地域包括ケアシステム」とは、地域のお年寄りに対して介護サービスだけではなく、寝たきりにならないための保健サービス(健康づくり)、医療サービス及び訪問医療、家事支援・外出支援などの福祉サービスを、関係者が連携、協力して、地域住民のニーズに応じて一体的、体系的に提供する仕組みのことです。「地域包括ケアシステム」の原点は、広島県御調町(現在は尾道市)にある国保病院(公立みつぎ総合病院)にあるといわれています。昭和50年代初め、例えば外科手術後にリハビリを受けて退院した患者が、在宅復帰後に寝たきり状態になることを防ぐために「出前医療」を始めたのがきっかけとなり、昭和59年国保病院に健康管理センターを設置され、御調町の保健と福祉に関する行政部門を病院長の元で一元的に管理運営をするようになりました。その後 さらに介護施設、福祉施設等を順次病院に併設して、「地域包括ケアシステム」の原型が出来上がりました。
 「地域包括ケアシステム」で一番重要なのは、その中核である「地域包括支援センター」です。介護のサービスや、医療、生活支援、住宅などこの「地域包括支援センター」に専門家を配置し、お年寄りの様々な要望にも応えられる体制を作ることが必要です。そのためには単に介護や医療関係者だけではなく、コミュニティの参加がどうしても必要になります。様々な課題を持ったお年寄り一人ひとりに光を当てて、介護事業者、訪問医療に携わる方々、コミュニティの関係者や民生委員の方々など、地域の皆さんが集まってどのようなサービスが提供できるのかを話し合う「地域ケア会議」の開催が必要です。そして、その中心は地域包括支援センターとしっかり連携が取れた、コミュニティであると考えています。
 また、今すぐにも取り組まなければならない課題が、認知症の対策です。認知症のお年寄りは年々増加し、2025年には470万人に達する見通しです。これを踏まえ、保健師や介護福祉士などの専門職が家庭訪問して自立生活をサポートする「認知症初期集中支援チーム」を、早期に日立市でも立ち上げたいと思います。このチームは、認知症対策で最も重要な初期の支援を包括的・集中的に実施します。認知症を重症化させないためには、出来るだけ早期の対応が必要になるのです。

井手県議 この4月から介護報酬が9年ぶりに引き下げられます。介護報酬とは、介護保険の制度の中で介護事業者に支払われるサービスの対価(報酬)のことです。報酬が引き下げられれば、介護サービスの低下につながると、一部の政党は悪宣伝をすでにはじめています。
 平成27年度予算案では、介護報酬を2.27%引き下げるとしていますが、介護報酬を引き下げれば、介護保険料と、介護保険を利用する際の自己負担額が抑えられるメリットもある事を忘れてはいけません。今回のマイナス改定により、65歳以上の介護保険料は値上げ幅を230円圧縮でき、全国平均で月額5550円程度になる見込みです。ちなみに日立市の介護保険料は、現在精査中ですが、月額平均4300円が5000円弱程度になります。
 一方、介護報酬が減れば、ヘルパーさんなどの介護職に支払う給料も減らされるのではと心配する声があります。この点については今回、介護職員の処遇改善に取り組む事業者への加算を拡充されています。介護職員の給与は月額1万2000円程度引き上げることができるようになっているのです。
 公明党は介護保険制度をしっかりと守り育て、2025年に向けて、万全な「地域包括ケアシステム」を地域に作っていきたいと考えています。

井手県議 話は変わりますが、人口減少に歯止めがきかない日立を元気にして、もっともっと住みやすい日立にするために、下山田さんは何かお考えがありますか?

茨城県版地域おこし協力隊EPOCHのお二人と下山田副支部長 先ほども述べましたが、私は長く青少年の健全育成に関わってきました。青年の純粋で熱い心と、その行動力には目を見張るものがあります。日立の活性化に、私はもっと若者の力を借りるべきだと思っています。
 先日、井手県議にご一緒させていただいて、「茨城版の地域おこし協力隊(エポック)」の皆さんと話し合いのひと時を持つことができました。昨年10月に茨城県が、全国の若者に呼びかけて、この県北地域の魅力を発信するために作ったのが、エポックです。東大と新潟大学の大学院を卒業した2人の優秀な青年が、県北地域の元気な企業と大都市の大学生とも結びつけるインターンシップの取り組みに全力をあげています。茨城には、日立には、素晴らしい魅力のある中小企業がたくさんありますが、全国的にみるとこれがあまり知られていません。エポックの2人は、全く新しい方法で、この魅力ある中小企業と全国の若者を結びつけるために活動しています。この2月から具体的に6つの地元企業に、県外の若い方々が1カ月程度インターンシップに来られると伺いました。地道な活動ですが、今までにない発想や取り組みは、日立市のこの閉塞した状況を破る力になると期待しています。
 さらに私は、日立市も国の地域おこし協力隊の仕組みを使って、全国の若者の知恵を日立のまちづくりに生かす取り組みが出来ないかと考えています。例えば夏休みに「日立まちづくりサミット」(仮称)を開催します。全国から100人ぐらいの若い学生さんを募集し、1週間ぐらい日立市に泊まり込んでもらいます。そして、地元の若者も巻き込んで、様々な日立の活性化の提案を検討し、話し合ってもらう。1週間、日立で缶詰めになって様々なアドバイスを頂くわけですから、宿泊料や様々なイベントの費用は、日立市が提供します。若い方々にその柔軟な発想で日立の町おこしの意見をいただく、そして、日立に来てくれることで、日立の若者と交流することで、その魅力を十分に知っていただきたいと思います。このサミットをきっかけに日立で就職を考えたり、起業する人が出れば、こんなずばらしいことはありません。

井手県議 安倍内閣が提唱する地方創生に見られるように、地方議会・議員に求められる役割は、現場の要望を県や国へ伝えるメッセンジャー機能から、より高度な政策提案を行う能力へと比重が変わりつつあります。
 今までの慣習ややり方にとらわれず、日立市独自の様々な取組をしっかりと提案できる市議会議員を目指していただきたいと思います。今までの経験と情熱を活かした新たな舞台でのご活躍を、心から期待いたします。

下山田みきこのプロフィール
  • 昭和34年6月19日生まれ
  • 昭和47年3月 日立市立大雄院小学校卒
  • 昭和50年3月 日立市立平沢中学校卒
  • 昭和53年3月 県立日立第2高等学校卒
  • 日立市高鈴町2丁目在住
  • 公明党日立支部副支部長