1-P1730671 3月29日、茨城県の県北地域の魅力を発信するためイベント「TURNSカフェ@茨城県北」に参加しています。地方の生きた情報を発信しいる「TURNS」が主催したイベントで、東京都千代田区のアーツ千代田で開催されました。「里山資本主義」で一躍有名となった藻谷浩介氏の講演、実際に県北地域に移住して暮らすゲストスピーカーの体験談、新たなインターシップを進める地域おこし協力隊「エポック」の活動報告などが行われました。実際に県北地域で作られた「常陸秋そば」や「奥久慈茶」、「常陸大黒」を使ったスイーツが振る舞われ、和気藹々の雰囲気の中、にぎやかイベントとなりました。
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 藻谷浩介さんの講演は、非常に示唆的でした。単に人口減少の大きさや人口の高齢化率にとらわれるのではなく、生産人口の変化や高齢者の増加率に注目すべきとの指摘は、説得力がありました。子育て支援や若者の活動の場をしっかり作ることで、地域の元気を維持することができることを訴えていました。島根県などの実例を様々紹介していただきました。茨城県の県北地域の可能性、生き残りのための対策を指し示してくれました。
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 藻谷さんが示したのは、全国の都道府県を今後30年間の世代別人口増減率予測でプロットしたグラフです。縦軸は、65歳以上(高齢者)人口の増減率、横軸は15〜64歳人口(生産年齢人口)の増減率です。右上に行けば行くほど、高齢者人口も増えるが生産人口を増えます。
 東京都や愛知県、神奈川県などは生産人口は余り減りませんが、高齢者が急増します。東京では1.5倍以上になります。反対に秋田県では生産人口が50%近く減少しますが、高齢者も減少します。
 このグラフから、ある程度理想的な形は、高齢者の数が余り増えず、生産年齢人口の減少にブレーキがかけられる状態です。
 こうした状況を実現しているのが、都道府県では島根県、市町村では長野県の下條村です。
 お年寄りが増えている間も、子育て対策を一生懸命やることが大事です。多くの場合、子育て対策と高齢者対策の予算を秤にかけ、選挙権を持つ高齢者対策ばかりに重点を置くから子供が増えないのです。しかし、こうした地域は違いました。すると、ここはいいぞと子供を産む現役世代が集まってくるのです。
 そして、若者を受け入れやすい環境をつくることも重要です。島根県では、世界的な企業が小さな町の中で、きらりと光っています。そんなまちづくりを目指すことです。
 

 地元で活躍しているグループは、常陸太田市に移住して、地域住民と交流を図りながら、オープンアトリエや作品制作を行っている「アーティスト・イン・レジデンス」のみなさん。北海道で脱サラし、夫婦で大子町にIターンし、地域で子育てしながら有機農業「軍兵六農園」を経営する小橋寛生夫妻。先日(3月26日)行われた県北地区ビジネスコンテストで優秀賞を獲得した筑波サービスの秋山晋一さんの3組が、県北地域の魅力を語りました。
 その後、地域おこし協力隊や県の就農支援員、就職相談員なども交えてワークショップも開催され、参加者はお互いの考えを語りながら、有意義な交流のひとときを過ごしました。