4月8日、井手よしひろ県議は、福島県富岡町夜の森地区(JR常磐線の表記は夜ノ森駅)を訪れ、震災復興、原発事故からの復興状況を現地調査しました。
夜の森地区の地図 東京電力福島第1原発事故で全域が避難区域にある福島県富岡町の夜の森地区のソメイヨシノは7日に満開となりました。住民がいない街で、夜の森のさくらはことしも静かに咲きこぼれていました。
 400本が並ぶ並木通りの大半は帰還困難区域に指定されています。立ち入り可能な居住制限区域との境はバリケードで仕切られていいます。今年は、環境省が桜並木に限り帰還困難区域を除染し、さくらのシーズンには一般住民の立ち入りを認めようとしましたが、富岡町は「限定的な除染で住民の安全確保が難しい」と理由で立ち入りを見送りました。
 夜の森の桜並木は、戊辰戦争後の1900年に、旧中村藩士の息子である半谷清寿が、農村開発の着手を期して桜の木を植えたことに始まるとされています。樹齢100年を超えたソメイヨシノを含め、約1500本の桜がL字型に続く長い桜のトンネルがあります。福島原発事故前には、毎年4月に「夜ノ森桜祭」が開催され、夜ノ森公園付近には出店が立ち並び、全国各地からのお花見客によって宴が開かれ、夜には桜がライトアップされていました。(ja.wikipedia.orgより引用)
富岡町夜ノ森のさくら
 桜並木通りは全長2.2キロで、うち1.9キロが帰還困難区域です。日中立ち入り可能な居住制限区域との境がバリケードで分断されています。環境省は2、3月に除染を実施。車道と歩道を高圧洗浄し、桜の根元の堆積物を取り除きました。その結果、車道中央の平均空間放射線量(高さ1メートル)は毎時2.5マイクロシーベルトから1.8マイクロシーベルトに低減しました。
 今回の除染対象は桜並木通りに限定していたため、住民が未除染の路地や宅地に入り込んだ場合、高線量の被ばくが懸念されています。帰還困難区域は立ち入り禁止区域で、そもそも許可が必要。制限をなくすと防犯上の問題もあり、富岡町産業振興課は「現時点では住民の安全が確保できない」と、立ち入りを断念した理由を説明しています。

富岡町夜ノ森のさくら
 富岡町では、昨年9月より帰還困難区域を除く町内全域での本格除染作業が始まりました。夜の森地区でも、一般住宅の除染が軒並み行われており、昨年までの静寂に包まれた桜並木の沿道は、重機の音やトラックの走行音で包まれていました。
 井手県議は訪れていた住民の方から、お話しを聞くことが出来ました。夜の森地区からいわき市に仮の住まいを移しているというご夫婦は、「夜ノ森の夜桜の賑わいが懐かしいです。人が手入れをしないと、桜の勢いもなくなってきているのが心配です。桜も夜の森の住民といっしょに暮らしてきたのだと実感しています。早く、帰ってきたいです」と語ってくれました。

富岡町夜ノ森のさくら
 ソメイヨシノは人間が作り出した品種。自分で花をつけ、実をならせ、子孫を増やすことができません。手入れをしてあげないと、みるみる樹勢は衰えてしまいます。
 元気な夜の森の桜が戻るまで、毎年通いたいと思います。
参考:富岡町【夜の森さくら】360°パノラマ写真(桜が満開だった平成24年4月19日に撮影した「360°パノラマ写真」です)