山口代表の街頭演説 5月3日の憲法記念日に先立ち、公明党は1日、東京・新宿駅西口で「憲法記念日街頭演説会」を開催しました。山口那津男代表は、日本国憲法の恒久平和主義、基本的人権の尊重、国民主権の3原則について「永久に守らなければならない基本的な価値だ」と強調。今年が戦後70年、広島・長崎への原爆投下70年の節目であることに言及し、「恒久平和への具体的な目標として、公明党は人類の生存や人権を脅かす核兵器の廃絶をめざしていく」と力説した。テロや貧困、災害、感染症など生存の脅威から世界の人々を守る「人間の安全保障」については、「世界の国々が力を合わせて実現していくことは憲法の理念にかなう」と力説し、実現に向けた取り組みを強化する考えを示しました。

憲法改正:「加憲」の議論さらに深める
 山口代表は、憲法の3原則は「人類の生存の下に、個人の尊厳を保ち、幸福追求の権利を保障するという、人権を全うできることが最大の目標だ」と指摘し、「その人権を根底から覆すものが核兵器であり戦争だ。だからこそ、恒久平和主義を保たなければならない」と強調しました。
 その上で、「日本は唯一の被爆国として、核兵器廃絶を叫ぶ責任と権利がある」と力説。原爆投下から70年に当たる今年は、5年に1度、核軍縮などについて話し合う核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開催中であることなどを踏まえ、「核廃絶に向けて大きな一歩をしるさなければならない」と訴えました。
 さらに、4月28日の日米首脳会談に合わせて発表された共同声明で、核兵器の使用は非人道的との認識が盛り込まれたことについて「これからの核廃絶をリードする理念として画期的な意義がある」と高く評価。公明党としても引き続き、「恒久平和への具体的な目標として、核廃絶をめざしていく」と語りました。
 また、憲法が掲げる人権尊重の理念について、「日本人のみならず、世界の人々の個人の尊厳に結び付いていかなければならない」と主張し、「世界の国々が力を合わせて、『人間の安全保障』を実現していく。これこそ、日本国憲法の理念にかなう取り組みだ」と力説。テロや自然災害、感染症に対応し、気候変動に立ち向かう国際協力の重要性を訴えました。
 一方、参院の選挙制度改革について、最高裁から2回連続で「違憲状態」判決が下され、抜本改革が急がれる状態であることから、「今国会で選挙制度の改正を実現する必要がある」として、「いち早い合意形成に向けて、参院の各党各会派が一丸となって努力し、結果を示さなければならない」と主張した。
 また、憲法改正をめぐる議論については、公明党として「基本的には今の憲法はいい憲法だから、さらにいいものを加えていこうという『加憲』の考え方に立っており、これから加憲の内容についてさらに議論を深めていく」との立場を強調しました。
 その上で、「憲法改正を議論するにしても、改正そのものが目的でなく、中身が大事だ。まずは国会の議論と国民的論議を深めていきたい」と述べました。