子どもの貧困率 生まれ育った環境によって将来が左右されない社会をめざし、公明党がリードした子どもの貧困対策推進法。2013年6月の成立から2年が経過しました。
 子どもの貧困対策推進法は、保護者の経済格差が子どもの教育・進学にも影響を及ぼす「貧困の連鎖」を断ち切り、教育の機会均等などを総合的に推進することが目的です。そのために、国や地方自治体など関係機関が密接に連携して貧困対策に取り組むよう定めています。教育、生活、保護者の就労、経済的支援――などで総合的に対策を推進するための大綱策定も規定しています。これを受け政府は、14年8月に「子供の貧困対策に関する大綱」を閣議決定し、「わが国の子どもの貧困の状況が先進国の中でも厳しい」との危機感を示しました。
 平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らしている18歳未満の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は、1990年代から上昇傾向にあります。厚生労働省の2014年7月の調査で、12年には16.3%と過去最悪を更新しました。この数字は、OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国中で25位に甘んじています。
 親から子への貧困の連鎖を断ち切るため、政府は具体的な対策として、学校教育による学力保障を徹底し、教育費の軽減を図るほか、幼児教育の無償化、夜間中学の設置推進などを相次ぎ掲げました。親の就労や、学び直し支援にも取り組みます。
 さらに厚労省は、今年4月、ひとり親家庭の支援の一環として、親の学び直しをサポートする事業を始めました。最終学歴が中学卒業や高校中退の人で、高校卒業課程認定試験(旧大検)合格をめざす場合、通信講座を含む受講費用の最大6割(上限15万円)を補助します。保護者がより良い条件で就職・転職を行うためには、高校卒業と同程度の学力は必要との判断からです。
 子どもの貧困対策について公明党は、13年の参院選重点政策で総合対策の推進を明記。ひとり親の就労支援なども訴え、地方議員とも連携して貧困の連鎖解消に取り組んでいます。
 茨城県においては、先行して龍ヶ崎市や日立市などでNGOやNPOにより学習支援がスタートしています。今年度より、市町村の事業として展開できるよう準備を急いでいるところです。