7月29日、参院平和安全法制特別委員会は、安倍晋三首相らが出席して総括的質疑を行いました。
質問に立った公明党の西田実仁参院幹事長は、28日のこの委員会でなされた自衛の措置の新3要件により自衛隊に武力行使が認められる「存立危機事態」を“戦争への参加”とした野党質問に言及。「(存立危機事態は)あくまでもわが国の自衛のための措置」とし、これを戦争への参加と呼ぶのは誤りだと強調しました。
これに対して、安倍晋三首相は、存立危機事態を戦争への参加とする批判に対して「あたかも違法な行為をわが国が率先して行っていると誤解されかねない極めて不適切な表現だ」と述べ、「わが国の自衛の措置、わが国の防衛のための実力の行使という表現を用いることが適切」と訴えました。
また、西田氏は、公明党は平和安全法制の全体について、政府の恣意的な運用を防ぐために(1)憲法9条、13条との適合性という憲法上の歯止め(2)「自衛隊派遣の3原則」などの法制上の歯止め(3)政策判断の歯止め―という“三重の歯止め”をかけたと主張。政府の見解を確認しました。
安倍首相は、「わが国として武力の行使を行うことが憲法上許容されるのは、新3要件全てを満たす時だけ」と述べ、憲法適合性が確保されていることを強調。さらに、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がなく、武力の行使が認められる理由についても、対処基本方針に明記して国会承認を求めると訴えました。
西田実仁参院幹事長 28日、存立危機事態への対応ということが、戦争への参加なのかという質疑が行われた。
わが国がまだ直接攻撃を受けていない。しかし、わが国と密接な関係にある他国に対する攻撃があって、それによって、わが国に対して、わが国が直接攻撃を受けたと同様の重大かつ深刻な被害が明らかな事態を存立危機事態という。
戦争という言葉には、侵略戦争とか、違法な武力の行使といったニュアンスがある。わが国が直接攻撃を受けて対応する、個別的自衛権の措置の際、戦争に参加するとは言わない。
そこで、今回の平和安全法制における憲法9条の下で許される自衛の措置は、わが国に対する攻撃がある時はもちろんだが、まだわが国に対する攻撃がなくても、密接に関係する他国に対する攻撃がきっかけとなって、わが国に甚大な影響を及ぼす明らかな客観的な危険がある、こういうときに対応するものであって、これを戦争への参加と呼ぶにはかなり違和感を覚える。
安倍晋三首相 国連憲章の下では戦争は違法化されている。国連憲章の下で違法でない武力の行使は、個別的自衛権と集団的自衛権によるもの、国連安保理決議に基づく集団安全保障措置の三つのみだ。
憲法第9条の下で許容される自衛の措置わが国が新3要件の満たされた場合に行う武力の行使は、あくまでも、わが国の自衛のための措置であり、国際法上も正当な行為だ。にもかかわらず、戦争する、戦争に参加するという表現を用いることは、あたかも違法な行為をわが国が率先して行っていると誤解されかねない、極めて不適切な表現だと思う。わが国の自衛のための措置、わが国の防衛のための実力の行使という表現を用いることが適切であると考える。
西田 存立危機事態への対応が、わが国への攻撃がまだないのに、それに対し対応するのは先制攻撃ではないか。こういう趣旨の質疑も28日にあった。
岸田文雄外相 国連憲章において自衛権が認められているのは、武力攻撃が発生した場合に限られている。
一方、集団的自衛権とは国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利とされている。ここにおいては、他国に対する武力攻撃の発生が大前提だ。
集団的自衛権は、国連憲章上、加盟国に認められた固有の権利だ。だから、国際法上合法と言えない先制攻撃と、集団的自衛権、これは全く異なるものだ。
わが国がまだ直接攻撃を受けていない。しかし、わが国と密接な関係にある他国に対する攻撃があって、それによって、わが国に対して、わが国が直接攻撃を受けたと同様の重大かつ深刻な被害が明らかな事態を存立危機事態という。
戦争という言葉には、侵略戦争とか、違法な武力の行使といったニュアンスがある。わが国が直接攻撃を受けて対応する、個別的自衛権の措置の際、戦争に参加するとは言わない。
そこで、今回の平和安全法制における憲法9条の下で許される自衛の措置は、わが国に対する攻撃がある時はもちろんだが、まだわが国に対する攻撃がなくても、密接に関係する他国に対する攻撃がきっかけとなって、わが国に甚大な影響を及ぼす明らかな客観的な危険がある、こういうときに対応するものであって、これを戦争への参加と呼ぶにはかなり違和感を覚える。
安倍晋三首相 国連憲章の下では戦争は違法化されている。国連憲章の下で違法でない武力の行使は、個別的自衛権と集団的自衛権によるもの、国連安保理決議に基づく集団安全保障措置の三つのみだ。
憲法第9条の下で許容される自衛の措置わが国が新3要件の満たされた場合に行う武力の行使は、あくまでも、わが国の自衛のための措置であり、国際法上も正当な行為だ。にもかかわらず、戦争する、戦争に参加するという表現を用いることは、あたかも違法な行為をわが国が率先して行っていると誤解されかねない、極めて不適切な表現だと思う。わが国の自衛のための措置、わが国の防衛のための実力の行使という表現を用いることが適切であると考える。
西田 存立危機事態への対応が、わが国への攻撃がまだないのに、それに対し対応するのは先制攻撃ではないか。こういう趣旨の質疑も28日にあった。
岸田文雄外相 国連憲章において自衛権が認められているのは、武力攻撃が発生した場合に限られている。
一方、集団的自衛権とは国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利とされている。ここにおいては、他国に対する武力攻撃の発生が大前提だ。
集団的自衛権は、国連憲章上、加盟国に認められた固有の権利だ。だから、国際法上合法と言えない先制攻撃と、集団的自衛権、これは全く異なるものだ。