おつかいポンタ便出発式 今年(2015年)7月1日より、愛知県豊根村は、買い物に欠かせない車を運転できない高齢者など買い物弱者を支援するとともに、地元の商店を活性化しようと、地元郵便局と連携して新しい買い物支援サービス「おつかいポンタ便」をスタートさせました。

無料で商品を配達、地元商店の維持・活性化も狙う
 豊根村は、愛知県の北東部に位置する、人口1211人、533世帯で高齢化率46%の村です。高齢者世帯が252世帯(単身145世帯、高齢者2人以上107世帯)とおよそ半数を占めています(2015年7月末現在)。
 村内には商店が8店舗(食品・雑貨4、酒類3、衣料・雑貨1)ありますが、人口減少に伴い店舗数は約20年でほぼ半減。近隣都市の店舗に顧客を奪われ、将来への不安も募っています。
 山あいに集落が点在していることから、公共交通が限られ、車を運転できないと買い物に行けず、生活に支障をきたす住民が高齢者を中心に増えています。村が買い物弱者と見ている「村の有償ボランティアタクシー制度」利用者は111人います。
 そこで村は、毎日配達で地域を回る郵便局と地元商店を結び付けて、買い物弱者対策と地元商店の維持・活性化を狙う、新しい買い物支援策「おつかいポンタ便」を実施することにしました。地域ぐるみで日本郵政と連携しての買い物支援サービスは全国では初めての取り組みです。
おつかいポンタ便の仕組み 豊根郵便局の配達地域が対象で、富山区(旧富山村)は除かれます。利用には郵便貯金の口座と事前登録が必要となっています。午後3時までに食料や雑貨を扱う登録店5店に電話注文すると、肉、魚、野菜などの生鮮品を含む商品を幅38センチ、奥行き30センチ、高さ22センチの専用コンテナに詰め郵便局が原則翌日に配達します。基本的にはバイクで配達するため、冷凍食品は運べません。コンテナに入りきらないものでも包装されていれば配達します。支払いは豊根村商工会が代理決済し、月末締めで口座から代金を引き落とします。
 登録さえすれば、高齢者でなくてもこのサービスを活用することができます。
 登録5店舗の一つ「坂口屋」の店主、胡桃重二さんは「人口減少で店の売り上げは最盛期の3分の1ぐらい。おつかいポンタ便で気軽に注文してくれるようになれば」と期待しています。
 村地域振興課の鈴木秀昭係長は「おつかいポンタ便は、利用者を助ける一方で、これまで店主が行ってきた配達業務を肩代わりし、高齢化が進む商店主たちの支援にもつながる」と見ています。
 また青山幸一課長は「おつかいポンタ便を住民サービスの一環として長く続けていきたい。その中で多くの村民に便利さを感じてもらえればうれしい」と語っています。
(このブログ記事の登録店および役場の方のコメントは、2015/8/20付け公明新聞の記事より引用しました。写真は、広報とよねNo538より掲載させていただきました)