イメージ  結婚していない男女の間に生まれた子ども(婚外子)を養育している母または父に対しても、公営住宅などの入居に際して、寡婦控除を行うべきだとの井手よしひろ県議など公明党の主張が、ようやく実現する運びとなってきました。
 公営住宅家賃等に関する収入の算定については、公営住宅法施行令により各種控除が認められています。この控除の一つに寡婦・寡夫控除(控除額:27万円)があります。しかし、非婚の母子家庭等については控除が適用されないため、寡婦控除の有無によって家賃の金額等に差が生じる場合があります。
 様々な理由から婚姻しない状態で子どもを育てている世帯が、制度の上では不利な状況に置かれています。社会的弱者にかかる支援の必要性にはなんら変わりがなく、制度の適用を受ける世帯との実質的公平を確保する必要があることから、寡婦控除に非婚の母子家庭(父子家庭)も加えるよう求めてきました。
 平成25年12月の茨城県議会決算特別特別委員会において、井手県議は、「県営住宅の婚外子を持ついわゆる母子家庭、父子家庭に関して、みなし控除を適用してはどうか」との提案を行いました。
 これを受けて、県は国に対して制度の見直しなどを求める要望を行ってきましたが、今年(平成27年)8月、国交省住宅局より「公営住宅法施行令の一部を改正する政令案について」との文書が発せられ、10月から施行するために、現在パブリックコメントが募集されています。
参考:公営住宅法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集について
 今回の政令の改正案によると、公営住宅法施行令の一部を改正して、「非婚の母又は父について、公営住
宅の入居者の収入算定上、寡婦(寡夫)控除の対象とすること」としています。
 施行日は平成28年10月1日からとなります。なお、経過措置として、現入居者の家賃の算定の基礎となる収入の計算について、平成29年3月31日までは、これまでと同じ扱いとなります。
 平成25年9月、最高裁は民法の規定について「親が結婚していないという選択の余地がない理由で子に不利益を及ぼすことは許されない」として、14人の裁判官全員が「違憲」と判断する決定をくださしました。これに基づき、12月には民法が改正されました。民法900条の中の「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とする」との箇所が削除され、婚外子と嫡出子の遺産相続分が原則同じとなりました。
 また、婚外子の差別問題に関連して公明党は、未婚・非婚の母子家庭に対して寡婦控除が適用されない問題にも取り組んできました。