エネルギー量 平成27年度版茨城県“環境白書”が公表されました。この中で、茨城県の再生可能エネルギーの利用を導入促進に関する項目に注目したいと思います。エネルギーは県民生活や経済活動の基盤をなすものであり、その安定供給は非常に重要です。更に地球温暖化対策の上からは、エネルギー源の二酸化炭素の排出を抑制するなどの取組みが不可欠です。また、井手よしひろ県議ら公明党は、原子力発電ゼロを目指す立場から、原子力発電への依存を出来るだけ低くすることを主張しています。つまり、エネルギーの安定供給、CO2排出削減、原発依存脱脚の3つの命題の解は、まずは省エネの推進ということになります。
 茨城県の最終エネルギー消費は、1990年以降、景気変動の影響を受けつつも、概ね増加基調で推移してきました。2008年のリーマンショックを受け大きく減少した後、景気回復等によりふたたび増加に転じました。しかし、2011年には東日本大震災後の生産量の減少や原発停止による節電効果により、59万5838TJ(テラ・ジュール:テラは10の12乗のことで、ジュールは熱量単位)と大きく減少しています。全国の最終エネルギー消費量1万4527PJ(ペタ・ジュール:10の15乗ジュール)に占める比率は4.1%となっています。
再生可能エネルギーの推移
 次に大きな課題は、再生可能エネルギーの導入促進です。再生可能エネルギーは、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギーです。現状では、その特性として自然環境による影番を受けやすい事や、今だにコストが高いことが問題となっています。とはいえ、エネルギーの地産地消が可能であることや環境負荷が小さいことなど、再生可能エネルギーの最大限の活用が必要となります。
 再生可能エネルギーの導入状況は、住宅用太陽光発電設備の導入が進むとともに、大規模太陽光発電設施設はメガソーラーや国内初の洋上風力発電所、大規模木質バイオマス発電所など、民間業者などによる大規模施設の導入が進んでいます。古くから活用されている小規模水力発電も含めると、発電設備容量で約131.3万kWの再生可能エネルギーが導入されています。平成24年6月時点と比べると、太陽光発電が10.1万kWから108.9万kWと10倍以上伸びており、全体でも29.3万kWから131.3万kWに4.48倍に拡大しています。
 太陽光発電だけで98万kWの増とと言うことは、東海第二原発の出力以上のエネルギーが確保できたことになります。

再生可能エネルギーの固定買取制度は見直しを
 再生可能エネルギーの依存度をこれからも増やしていくことは必要です。その上で、メガソーラの導入には一定の歯止めが必要となってきました。
 再生エネルギーを普及させるため民主党政権下で導入さらた「再生可能エネルギー固定価格買取制度」は、もはや限界に達しています。標準的な家庭で平成24年度には年間792円程度であった負担金(賦課金)は、平成27年度は5688円と7倍以上に達しています。
 またメガソーラーによる自然破壊も目立ってきました。ラムサール条約に涸沼が指定された際、涸沼周辺を視察して、水際の葦原を無残に切りひらいて設置されたのメガソーラーに驚かされました。防風林や堤防などの機能を持つ民地に、設置に関して許認可の必要もなく建設されたメカソーラーに防災面でも危機感を覚えます。国の制度の見直し時期に来ていると実感します。

老朽化した原発は順次廃炉を
 この5年間で東海第2原発の発電料に匹敵するエネルギーが、再生可能エネルギーで確保されました。原子力発電は確かにCO2の排出が少なく、効率の良いエネルギー源です。
 しかし、福島第1原発事故で万が一の事故が発生した場合、県民生活に対するリスクは非常に大きなものがあります。老朽化した、旧式の原発から廃止していくことは当然であり、周辺に100万人の住民が住むことを考えれば、東海第2原発は再稼動させず廃炉とすることを改めて主張します。