鬼怒川の決壊現場
 9月29日、公明党の山口那津男代表は、関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、甚大な被害を受けた常総市を訪れ、被災状況を調査するとともに、被災者と懇談し激励しました。
 長沢広明参院議員、井手義弘県議会議員、高崎進県議、田村佳子県議も同行しました。
 山口代表らは、県の防災ボランティアの拠点「茨城県災害ボランティアセンター」が設置されている石下総合体育館を訪問。被災状況を説明した山口やちゑ副知事らは、被災者の生活再建について「現行制度で手が行き届かない部分への支援を」と訴えました。
 また、ボランティアセンターでは東日本大震災の教訓を生かして、被災者の要望や意見をデータ化して、ボランティアとのマッチングを行う防災科学技術研究所のネットワークステムについて説明を受けました。
 この後、山口代表らは同体育館に避難している住民からの要望を聴取しました。中山二郎さん(70)は、「家を再建したいが、(がれきがあって)足場がないと入ることもできない。がれきを早く撤去してほしい」と窮状を訴えました。井手県議らは、災害救助法を活用して瓦礫や流木、流れてきた自動車などを撤去できないか、県、国と協議を行っています。
 続いて山口代表らは、常総市三坂町で、堤防が決壊して住宅が流された場所や、24日に完成した仮堤防の復旧現場を視察しました。
JA常総ひかりカントリーエレベーター
 さらに、浸水被害を受けたJA常総ひかりのカントリーエレベータ、低温貯蔵庫を調査。この施設では、草間正詔代表理事らから深刻な農業被害についての要望を受けました。草間代表理事らは、農業共済制度の補償が受けられない収穫後のコメ被害に対する救済措置などを求めました。
 一行は、腐敗した玄米が置いてある低温倉庫や、通電できなくなったコメの乾燥・調製施設「カントリーエレベーター」も見て回りました。
 視察後、山口代表は「まだ避難されてる方々がいるので、一日も早く日常の生活が取り戻せるように、さまざまな支援をしていかなければならない」と強調。収穫後のコメなどの救済措置については「補正予算の活用も含めながら、予算措置による支援を考えなければならない」と述べました。

【農業共済制度】 農業災害補償法に基づき、台風や冷害、風水害といった自然災害による農作物の被害や家畜の死亡などに対して、農業者に被害に応じた共済金が支払われるもの。水稲の場合、田植えから収穫に至るまでの期間を支払いの対象としており、収穫後に倉庫などに保管していたコメなどは対象外となっている。制度は、全国各地の農業共済組合や市町村によって運営されている。