石井国交大臣 10月7日に発足した自民、公明両党による第3次安倍改造内閣で国土交通相として初入閣した公明党の石井啓一衆院議員(公明党茨城県本部顧問)に、就任の抱負や防災・減災など重要課題への取り組みについてインタビュー記事を公明新聞(10月15日付)より転載します。

――国交相に就任しての抱負と決意は。
石井国土交通相 国土交通省は、国民生活に密接に関係する幅広い分野を担当します。この度、国土交通相の重責を担うことになり、身の引き締まる思いです。
 公明党は現場の声をしっかりと受け止めて、それを政策に反映させていく、一番現場に近い、生活者感覚に近い政党です。この公明党の持ち味を十分に発揮していきたいと思います。国交省は約6万人の職員が全国各地の現場で働き、まさに現場力や総合力を最大の特徴とする省庁ですので、私自身がリーダーシップをしっかり発揮していきます。

――重点を置く政策は。
石井 まず東日本大震災からの復興の加速です。住宅再建や街づくりを、地域の実情に応じてきめ細かく対応していきます。生業の確保を含めた生活再建の本格化に向けても関係省庁と連携して取り組みます。
 さらに、防災・減災対策をはじめとする国民の安全・安心の確保に取り組みます。豪雨や火山噴火が相次ぎ、巨大地震も懸念されています。太田昭宏前国交相(公明党)は、防災・減災対策、耐震化対策、インフラのメンテナンスや長寿命化対策など、公明党が主張してきた防災・減災ニューディールの考え方を国土交通行政の主流に位置付けました。これらをしっかり引き継ぎ、さらに責務を果たしていきます。
 一方、人口減少、少子高齢化社会において、いかに豊かで住みやすい地域の創生をするかも大切です。キーワードは「コンパクト・プラス・ネットワーク」です。日常生活に欠かせない施設を住民が徒歩やバスなどで通える範囲に集約するとともに、周辺地域とネットワークでつないだ「小さな拠点」づくりも進めます。このほか、観光庁における観光立国の推進、海上保安庁では領土・領海をしっかり守ることに引き続き取り組んでいきます。
――関東・東北豪雨で甚大な被害が発生し、1カ月が過ぎました。
石井 関東・東北豪雨の本格的な復旧はこれからです。国交相として今月10日、鬼怒川の堤防決壊で大規模な浸水被害が発生した茨城県常総市の被災現場を調査しましたが、住民の生活再建とともに、特に鬼怒川全域の堤防改修について緊急対策をしっかり実施していくよう指示しました。

――大規模な自然災害への対策は。
石井 あらためて痛感することは、施設整備などハード面の対策を進めるのはもちろんですが、災害情報伝達や避難体制の見直しなどソフト面の充実が、防災・減災対策には不可欠です。具体的には、防災意識を高めるため、防災教育や避難訓練などを充実させ、ハードとソフトを組み合わせた対策を進めていきます。

――訪日外国人が増加しています。観光立国に向けてどう対応しますか。
石井 今年は通年で訪日外国人旅行者数が1900万人にも達する勢いです。“訪日2000万人時代”の到来に備え、空港の容量不足、宿泊施設や貸し切りバスが足りないなどの課題の解消に取り組みます。また、無料でインターネットに接続できる公衆無線LANサービス「Wi―Fi(ワイファイ)」の環境整備や多言語対応の表示、空港や港湾におけるCIQ(税関・出入国管理・検疫)体制の充実を行う必要もあります。
 また、訪日外国人旅行者を地方に呼び込み、地方の活性化につながるよう、免税店を充実させたり、周遊性を高める取り組みなどを確実に推進していきます。