151018image 様々な議論を呼んできたマイナンバー制度ですが、いよいよ来週から私たちへの番号通知が始まります。
 マイナンバーというのは、国が、国民全員に割り振る、一生変わらない12桁の番号のことです。
 2016年以降、国民が税金や社会保障の手続きをする時に必要になる重要な番号です。この番号が、これから国民一人一人に通知されるという、大きな仕事が始まります。
 このマイナンバーは、今年10月5日時点で日本に住民票があるすべての住民に割り当てられました。そして、その住所に各市町村が郵便を使って番号が書かれたカード、通知カードを送って、番号を知らせます。実際に私たちのもとにその番号の通知が届き始めるのは、10月20日以降になります。

マイナンバー「通知カード」と「個人番号カード」の2種類のカード
 通知カードは簡易書留を使って、世帯単位で送られてきます。世帯単位ですから、4人家族の場合は、この封筒に4枚の通知カードが入っていることになります。
 簡易書留ですので、受け取るためには、受取人が、直接受け取ってサインをするか印鑑を押すことが必要です。普通郵便のように、気付いたら、郵便受けに入っていた、などということは絶対にありません。とにかく、誰かが、直接受け取らないと受け取れません。
 日本郵便では、今回、土日の配達を増やしたり、それから不在で、再配達をする場合は、夜間が多くなるとみて、夕方や夜間、夜9時までの配達を増やすなど万全な体制で臨みます。
 通知カードには、一番上に「個人番号」という12桁の数字が書かれています。マイナンバーです。家族でも番号は全く違うはずです。確認してみてください。
 通知カードは紙でできています。タテ長の紙の、上の部分だけが通知カードになっていて、切り離して使います(紛失しないように大事に保管しておいてください)。
 下の部分が、来年1月以降、新たに発行される、「個人番号カード」の申し込み書になっています。ここに自分の写真をはって、返信用の封筒で送れば、来年1月以降、役所に行って、通知カードと引き換えで、顔写真つきのICカード、個人番号カードが無料で交付されます。
マイナンバーは何に使う?
 この個人番号カードの発行は義務ではありません。通知カードだけを持っているということでも大丈夫です。ただ、マイナンバー制度のメリットをフルに活用するためには、様々なデータを管理できる個人番号カードを申請したほうが良いでしょう。
 個人番号カードの裏側にはICチップが組み込まれています。そこに民間が後からアプリを入れることで、クレジットカードにしたり、キャッシュカードにしたり、さらには会社の社員証にしたりと、様々な使い方ができるよう、設計されています。
 ただ、カードの利便性が高まれば高まるほど、本来、重要な個人情報であるマイナンバーが人目にさらされる機会が増えて勝手にコピーされたり、情報ろうえいしたりする危険性も増えるおそれがあります。
 当然、こうした拡張したマイナンバーカードの利用はしなくても大丈夫です。
 しかし、マイナンバーは基本的に税と社会保障の手続きに使うことが法律で決まっています。役所がその手続きのために番号の提示を求めたら、それは拒否できないことになっています。

サラリーマンは会社にマイナンバーを申告
新しい源泉徴収票 例えば来年からは、サラリーマンが源泉徴収する場合はこのマイナンバーが必ず必要になります。したがって、勤務する会社にはマイナンバーを通告しなければなりません。(右の写真は、新たな源泉徴収票の様式です。本人とその扶養家族のマイナンバーを記載する場所が設けられています)
 年金の申請などにも、マイナンバーの記載が必須条件になります。
 このマイナンバー制度によって所得や収入が正確に把握できるようになり、脱税などの犯罪を未然に防止することができるようになります。住民票などの発行も、役所にかなくてもコンビニなどの端末で簡単にできるようになります。今回の鬼怒川の氾濫などの大規模災害時に、様々な支援を受ける際もマイナンバーさえあれば、その手続きが非常に簡単・正確になります。
 半面、情報漏えいには万全の体制整備が不可欠です。取手市や阿見町では、行政からシステムの設計を受注した業者がプログラムを間違えて、マイナンバーが入った住民票を発行してしまいました。住民票は、通常第3者に提出するものですから、そこにマイナンバーが記載されてしまうと、不要な個人情報が漏洩してしまうことになります。システムの運用前に、こうした不祥事が起こるわけですから、行政は慎重な対応が強く望まれます。