日立市議会公明党の予算要望
11月13日、日立市議会公明党(代表・舘野清道市議、薄井五月市議、添田絹代市議、三代勝也市議、下山田幹子市議)は、小川春樹市長に対して「平成28年度の予算編成にあたって」の要望書を提出しました。
 現在、日立市においては、震災復興の総仕上げである市役所新庁舎や池の川さくらアリーナが建設が進められています。また、平成28年度は、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定され、地域創生の本格的な取り組みがスタートする年度でもあります。日立市としても、人口減少・地域経済縮小等の問題を抱え、政策の転換期を迎えているといっても過言ではありません。
 今後、国の動向を敏感に受け止め、活力にあふれた日立市の創生を目指すことが急務であり、平成28年度の予算編成にあたっては、地方総合戦略を勘案し、日立市総合計画に掲げたビジョンの実現に向かって、限られた財源を有効かつ効率的に活用し、メリハリのある予算編成が必要です。
 そこで日立市議会公明党は、(1)「健やかで安心して暮らせるまち」づくりのために、医師の確保や妊娠・出産・育児の支援等、(2)「人と文化をつくるまち」づくりのために、青少年の健全育成や“いばらき県北芸術祭”の推進等、(3)「活力ある産業のまち」づくりのために、新たな分野での雇用創出・新産業企業誘致の推進、観光資源を生かすための外部専門家の招聘等、(4)「都市機能が充実したまち」づくりのために、国道6号大和田拡幅やBRT導入事業の推進等、(5)「安全で環境にやさしいまち」づくりのために、防犯カメラの設置や空き家対策推進等、(6)「みんなで築くまち」づくりのために、ボランティア支援やNPO法人への支援、女性の輝く社会づくり、の6つの大項目、56項目にわたる、具体的施策の実現を提案・要望したものです。
 要望書を受け取った小川市長は、「市民の声をしっかりと受け止めた公明党のご提案を真摯に検討し、できるものから具体的な市の政策に反映させていきたい」とこたえました。

日立市議会公明党の平成28年度予算編成にかかわる要望事項

1.「健やかで安心して暮らせるまち」づくりのために
  1. 医師の確保については本市のみならず県北地域の問題であるので、引き続き県との連携を図って全力で取り組まれたい。また、子供を安心して出産出来る環境を整えるために、周産期母子医療センターの早期再開に向けて産婦人科・新生児科の医師の確保に努力されたい。
  2. がん検診無料クーポン券の配布継続と胃がんや肺がんも加えた個別受診勧奨・再勧奨(コール・リコール)の推進、がんに対する相談支援体制の充実に取り組まれたい。
  3. 早期発見・早期治療を目的とした特定健診のオプション検査で、胃がんや十二指腸潰瘍等の原因となるピロリ菌の検査を実施されたい。
  4. 高齢者肺炎球菌予防接種について接種率向上を目指し、肺炎のリスクについての説明を介護保険制度の説明会等、様々な機会を利用し未接種者への周知広報に努められたい。
  5. 地域包括ケアシステムの更なる充実を図るために、看護・医療等を含めた事業の展開を推進されたい。
  6. 在宅においての重度要介護者に対する家庭介護用品購入費助成については、介護認定等級の緩和を図られたい。更に現在、介護者・高齢者ともに非課税世帯となっているため経済的負担を感じている家庭が多い。課税世帯も含めた助成を実施し、在宅介護の支援を拡充されたい。
  7. 健康寿命と平均寿命を近づけるため、市民健康づくりプランの策定を推進されたい。ライフステージに合わせた健康づくり・ボランティア等による社会参加でのポイント制を取り入れ「健康寿命日本一の日立」を目指されたい。
  8. うつ病などを原因とする自殺の予防対策として、市内企業や地域において定期的なゲートキーパー養成講座を実施されたい。
  9. 妊娠・出産・育児の切れ目ない支援策として、出産育児に関する情報や行政サービス情報、予防接種の通知等を妊産婦に適切に届け、孤立防止につなげるメール配信サービスを導入されたい。
  10. 児童クラブについては、対象年齢の拡大や開設時間延長、更に障がいのある児童の受け入れに応えるために、地域内の教職員や保育士のOBに広く呼びかけ、指導員の確保及び育成を推進されたい。
  11. ひとり親家庭への支援として、放課後学習支援の取り組みを着実に進められたい。更に相談体制の拡充を促進されたい。
  12. 少子化対策として、多子世帯への保育料の減免措置を、現在幼稚園の場合は小学校3年生、保育園は就学時が第1子の年齢制限となっている。この年齢制限をどちらも小学校6年生まで引き上げ、2人目、3人目の保育料の軽減措置を拡充されたい。
  13. 鳩が丘障がい者福祉施設の再整備計画を早急に策定されたい。また、策定にあたっては、重度の障がい者等が入所できる障がい者福祉施設の建設についても検討されたい。

2.「人と文化をつくるまち」づくりについて
  1. 池の川さくらアリーナの建設については、駐車場等整備も含め計画通り安全に進められたい。また管理運営体制については、スムーズな運用が図られるよう検討されたい。
  2. 日立市特別支援学校については、県への移管を強く要望されたい。また、今後の児童生徒数の増加に対応するため、教職員に対する専門性のある実務研修の実施に取り組まれたい。
  3. 老朽化による悪臭等が問題となっている小・中学校のトイレ整備を早急に進められたい。また避難所となる学校体育館のトイレについても、早急な整備計画を検討されたい。
  4. 北部地区における街づくりの拠点である「日立市十王総合健康福祉センター」の今後の在り方について、指定管理者制度導入を含めた適切かつ効率的な体制の整備について検討されたい。
  5. 児童生徒のスマートフォンによるSNS利用により、いじめに発展したり学業に差しつかえたりする事例が増加傾向にある。SNS使用のルール作りや有害サイトから守るための講習会等を積極的に推進されたい。
  6. 家族への検診普及にもつながるがん教育については、全中学校での取り組みを推進されたい。また、がんに関する書籍の拡充を図られたい。
  7. 障がい者のための「日常生活用具の給付制度」の種目に、視覚障がい者支援のために「大活字本の購入」を加えられたい。
  8. 「茨城県北芸術祭」の開催に向けて、地域の人口交流・活性化を図るため、シビックセンター等の施設や自然を存分に生かした開催となるようプロジェクトチームを早急に立ち上げ、取り組みを進められたい。
  9. 青少年の郷土愛を育むために、全小中学校に配布されている「ひたち郷土かるた」の活用を促進されたい。

3.「活力ある産業のまち」づくりについて
  1. 今後の雇用促進を図るにあたって企業誘致を進めることは不可欠である。南部の高速道路インターチェンジを有効に利用できる土地の活用をスピード感を持って進められたい。
  2. 医療・介護やエネルギー等、新たな成長分野の産業を誘致し、雇用創出を図られたい。
  3. 空き店舗活用の創業支援については着実に事業を推進されたい。更に今後も継続した支援で、商店街の活性化を図られたい。
  4. 高齢者が社会・経済の重要な担い手として活躍できる環境を整えるため、シルバー人材センター等と連携し新たな雇用機会の創出を図られたい。
  5. 市内全域の観光資源を活かしていくために、外部専門家を招聘されたい。更に宿泊型観光の促進に向けて市内の宿泊業者へアンケートを募る等した上で、施設整備の支援強化を図られたい。
  6. かみね動物園は、運営努力により入場者数は増加している。日立市の魅力づくりを更に進めるために、かみね公園施設全体の再整備を検討されたい。
  7. 奥日立きららの里に若者や家族連れが1日中遊び楽しめる施設としてフォレスト・アドベンチャーを早急に導入されたい。併せて入場口の再整備や入場料の無料化、更に温泉施設についても検討されたい。
  8. 市内北部地域の観光拠点として「十王物産センター鵜喜鵜喜」を道の駅として整備されたい。
  9. 河原子海岸は、ここ数年若者が主催するサンドアート・フェスティバルで賑わいが出ている。このような賑わいのある取り組みに対する補助金等の支援を拡充されたい。
  10. 本市の魅力を国内外に配信できる「ユーチューブ」等を活用して、市内の観光スポットや企業誘致情報を発信する日立市独自の動画チャンネルを開設されたい。
  11. 地域おこし協力隊を活用し、地場産品のブランド化、販売促進等の取り組みを推進されたい。

4.「都市機能が充実したまち」づくりについて
  1. 国道6号日立バイパスの延伸、大和田拡幅並びに国道245号線の4車線化について、引き続き国・県へ強く要望されたい。特に通勤時間帯の渋滞が激しい大和田拡幅の事業推進に努められたい。
  2. 新交通(BRT)導入事業の第2期計画区間については、常陸多賀駅西口まで計画通りに整備完了できるよう進められたい。また、第3期計画についても検討され、BRTを活かしたコンパクトなまちづくりを推進されたい。
  3. 公共交通体系の維持については、乗り合いバス事業経営改善計画の推進により、路線・ダイヤの見直しやバス停留所施設の整備等を継続されたい。また未利用者へのアンケートを実施し、企業も含めた利用ニーズの徹底的な把握に努められたい。
  4. 土砂災害未指定区域については、県との調整を早期に図られたい。併せて、危険性の高い個所から順次必要な対策を進められたい。また、ハザードマップ等による危険個所の見直し作業も検討されたい。
  5. 近年頻発する台風や大雨、ゲリラ豪雨対策は喫緊の課題である。市街地の側溝や排水路の流下能力の向上等、対策を進められたい。また、茂宮川河川敷の再整備も検討されたい。
  6. 災害時の避難道路確保のため、山側団地の連絡道路の建設を検討されたい。その一つとして青葉台団地から山の神団地を結ぶ道路を計画・推進されたい。
  7. 道路や公園の草刈等については、里親制度の更なる拡充・支援を検討し、維持管理に努められたい。また、急斜面においては、厚手のゴムシートを利用する等の対策を検討されたい。
  8. 市外からの来訪者に対して、主要な公共施設及び観光施設を案内できるわかりやすいサインの在り方について検討されたい。

5.「安全で環境にやさしいまち」づくりについて
  1. 市内各駅に防犯カメラの設置が進められている。引き続き犯罪を未然に防ぐためにも、市内全域の設置状況の調査・把握に取り組まれ、防犯カメラの設置を推進されたい。
  2. 防災行政無線の戸別受信機の難聴対策を推進されたい。併せて放送を聞き逃した場合、その内容を確認するテレホンサービスの実施を検討されたい。
  3. 防犯灯については、例年地域住民からの要望件数に応えきれない状況であるため、その予算確保に努められたい。
  4. 現在市内に増え続ける空き家について、早急に現状把握を実施されデータベース化されたい。また、「特定空き家」や利用可能な空き家に対応する「空き家対策」専門部署を創設され、条例の制定についても検討されたい。
  5. 市民の安全確保のため、道路や側溝等の危険個所の早期発見・早期対応できる仕組みを充実されたい。また、提携機関や市民からの通報に対応できる連絡の窓口を周知されたい。
  6. JR小木津駅前への交番移設を引き続き県に要請されたい。

6.「みんなで築くまち」づくりについて
  1. 人口減少、定住促進策として、空き家情報や子育て支援、教育、交通、就労などの情報を提供し、移住・定住の相談に応じられる総合的な支援体制を整備されたい。
  2. 公会計制度を積極的に進め日立市財政の見える化と財政のムダ削減を進められたい。特に、新たな公会計制度を活用できる人材の育成に取り組まれたい。
  3. 日立市においては「茨城キリスト教大学」「茨城大学」「常磐大学」との連携に関する協定を結んできた。更なる連携に取り組み産学官の協働を推進し、地元への就職の促進を図られたい。
  4. 男女共同参画社会の実現に向けた今後の取組みとして、市内企業の育児休業や介護休業の取得割合の把握、地域コミュニティー等各分野における女性参画の現状を把握して明確な数値目標を決めた取り組みを推進されたい。
  5. ボランティアやNPO法人団体は、福祉や環境行政等だけでは抱えきれない部分の隙間を埋める働きをしている。各団体の支援強化を図る「支援センター」の設置に向けて、新庁舎完成後の教育プラザや企業局等の建物の活用を検討されたい。
  6. マイナンバー制度を悪用した「ニセ電話詐欺」等の被害を未然に防ぐため、県警が勧めている「ひばり君メール」や自動通話録音機・迷惑電話チェッカーの活用の取り組みを、出前講座や高齢者行事等においてもPRされたい。
  7. 日立市民会館の安全性や利用者の利便性を考慮し、駐車場の拡充や 事務所入口の庇について速やかに設置されたい。また、ホールへの障がい者用トイレの設置を検討されたい。
  8. 多賀市民会館の小ホールの照明を現在の水銀灯から会議等の利用にも適したLED照明に切り替えられたい。また、駐車場の出入り口の拡充を早急に検討され混雑の改善を図られたい。
  9. 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受けて、市内各大学の構内やJR駅周辺等に期日前投票所を設置する等、若者の投票による市政参加を促進されたい。