低所得高齢者への臨時給付、消費税率10%時の支援金前倒し
年金手帳とお年寄り(Copyright @いらすとや All Rights Reserved ) 平成27年度補正予算に盛り込まれた低所得の高齢者などに3万円を支給する「年金生活者等支援臨時福祉給付金」について、選挙目当てのばらまきだとの批判もあるようです。
 この給付金は、賃金引き上げの恩恵が及びにくい低年金受給者にもアベノミクスの成果を行き渡らせることで、所得全体を底上げし、景気を下支えしようとするものです。また、2017年4月の消費税率10%への引き上げ時に、低年金者への福祉的な措置として最大月5000円(年6万円)を支給する「年金生活者支援給付金」の前倒しとも位置付けられており、決してバラマキではありません。
 臨時福祉給付金の対象は(1)今年度の臨時福祉給付金(簡素な給付措置)対象者で16年度中に65歳以上になる人(約1130万人)(2)16年度の簡素な給付措置の対象者のうち障害・遺族基礎年金受給者((1)に該当する人を除く、約150万人)―のいずれかとなります。
 支給時期は、2016年前半の個人消費を下支えする観点や実務上の対応可能性を踏まえ、(1)は今年度補正予算案に盛り込み、早ければ6月ごろに支給。(2)は16年度予算案に計上し、簡素な給付措置と併せて支給する予定です。
 なお、16年度の簡素な給付措置は、市町村民税(均等割)が課税されていない人(課税者の扶養親族など除く)に対し、消費税率8%への引き上げによる影響を緩和するため、1人につき3000円を支給します。
 現在、現役世代については、今年の春闘の賃上げ率が1998年以来の高い水準となる2.2%を記録し、最低賃金の引き上げ率も上昇傾向にあるなど、アベノミクスの恩恵が徐々に行き渡りつつあります。
 しかし、年金生活者は、なかなか年金が上がる状況にありません。その一方で高齢者世帯の可処分所得に占める消費支出の割合は他世代と比べて高い傾向にあり、景気の下支えという観点からも対策が必要です。このため、公明党は本年11月、1億総活躍社会の実現に向けた提言の中で「低年金受給者にアベノミクスの成果が波及する取り組みを」と、福祉給付金の実現を安倍晋三首相に強く求めていました。
 この給付金を受け取るには申請が必要です。申請が始まった際は対象者がきちんと手続きができるように、周知徹底を訴えていきます。
 そもそも公明党は、国民年金の増額を公約として掲げてきました。当初は2015年10月に消費税を10%に引き上げるとと同時に、年金の受給額が少ない国民年金受給者に月5000円を支給する年金生活者支援給付金をスタートさせる計画でした。対象者は障害年金の受給者らも合わせて約790万人で、15年度予算で4カ月分の1900億円を見込んでいました。しかし、消費増税が2017年4月に延期されたために、この支援給付金の実施も延期された経緯があります。
 アベノミクスなどの好影響もあり、国の税収の上振れ分などを財源として、その一部を来年度実施することになってものです。

「年金生活者等支援臨時福祉給付金」の実施について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/151218_kanren1.pdf