東海村の村議選であいさつする井手よしひろ県議 茨城県内では統一外の市町村議員選挙が続いています。地方自治体の議員選挙は、住民にもっとも身近な政治を実感していただく場であり、地域の課題に対して候補者の具体的な提案について、審判をいただく非常に重要な機会です。
 しかし、地方選挙の現場に行くと、不思議な光景にであいます。共産党の宣伝カーやその政党の機関誌“赤旗”の街宣車が我が物顔で選挙区内を走り回っています。そして、その訴えるところは、国の平和安全法制の批判です。(なお、選挙期間中に政党や機関誌の宣伝カーが、候補者名を連呼することは選挙違反です。)
 「戦争法」「徴兵制に道」と国民の不安を煽るレッテル貼りに狂奔するのは、地方の政治課題とどのようにリンクするのか全く意味不明です。例えば共産党は、まさに物量作戦で、平和安全法制で日本が“集団的自衛権を行使”し、「侵略国の仲間入り」「海外での武力行使に歯止めはなくなる」とのビラをばらまいています。この指摘は、二重の意味で見当外れです。
 今回の法制の柱の一つは、自国防衛の隙間を埋める点にあります。例えば、日本を守るために活動している外国軍隊が攻撃された際、自衛隊がその軍隊を守ることを厳しい要件の下で認めました。これは専守防衛の範囲内であり、憲法9条の政府解釈は何ら変えていません。
 また、共産党は、「平和の特使」と称され、ノーベル平和賞を受賞した国連平和維持活動(PKO)への自衛隊の参加を可能にしたPKO協力法(1992年成立)審議の際も「海外派兵法だ」と反対デモを繰り広げました。今日では国際社会から高く評価され国民の9割以上が支持している自衛隊の国際貢献のどこが「海外派兵」なのか、弁明を聞きたいものです。
 仮に平和安全法制が「戦争法」であれば、国際社会からこれほど多くの賛同は寄せられません。それでも共産党は「殺し殺される戦争法」と言い張るのでしょうか。一方、核やミサイル開発を進める北朝鮮に「リアルな危険はない」との志位和夫委員長の発言こそ、現実を直視しない妄言。世界から失笑を買っています。
 “戦争反対”は当然です。誰も争いは望みません。平和安全法制は、備えを万全にして安易に軍事力に頼らず、対話による解決の流れを促すものです。
 公明党は日中・日韓をはじめ、大きな対話の流れをつくり出してきました。国民や近隣諸国の不安を煽るだけでは、平和は訪れません。
 さらに、こうした現実を無視した議論を地方選に持ち込むことは、どのような意味があるのでしょうか。地域の課題、どのようにして地方を創生し、人口減少を止めていくのか、実りある議論を切に望むものです。